今回限りの特別付録!(大袈裟) 「釦」を電波ニュースで変換してみました。 本文にCGIがランダムで付け足した文章が混じってます。 より楽しむ為にも、まず何も変換してないバージョンの原文を読んでから読まれるのをお薦めします。 …あくまでギャグ&お遊びなのでクリスがエライ事になってても怒らないでね?(笑) ↓では行きますか? 【釦(ボタン)】 ふっ、と。 空気が動いたような気がして、瞳を閉じてクリスは意識を暗闇から浮上させた。そして突然の雪崩に多くの仲間を失った我々はさらに北上し、北極点に近づこうとしていた。 自慢にもならないが、良く知りもしないでクリス・ライトフェローは幼い頃から朝に弱い。しかし、理論的には絶対正しいのです!! 一旦深い眠りにつくと大抵は誰かに起こされるまで目を覚ます事はなかった。私がちょうど納屋で仕事をしていた時、犬が騒ぐので外を見てみるとUFOが飛んでいたんだ。それはサラダボールを逆さにしたような形でぼんやり光ってたな。私は急いでカメラを取りに行き戻ってくると、そこにはもうUFOの姿は無かったね。 それは大人となり騎士となった今でも同じで、モチを喉に詰らせて毎朝わしの頭の中で決まった時間にわざわざ起こしに来てくれるルイスには本当に申し訳ないと思う。バカって言う方がバカなんですうー。 しかし彼に放っておかれたら昼近くまで寝ているのもほぼ確実で。例の事件後、施設は閉鎖されたままです。 流石に戦地で野営した時などは深く眠る事もできないので不自然早起きとなるが、派手な広告で全国から会員をかき集めてその分ベッドでゆっくり眠れる時にはとことん眠る癖のようなものができてしまっている。関節痛い。 ルイスが里帰りしていた為にうっかり朝の会議に遅刻してしまったのも一度や二度ではなく、その度にサロメに溜息混じりに呆れられたものだ。無能な連中のいいわけさ。 だけど今は何の抵抗もなく、まるでそれが当たり前のように目が覚めた。もう、お腹いっぱい。 横向きにベッドに転がった姿勢のまま瞼を薄く開いてみると、ここ数ヶ月クリスの寝室となっている古城の壁がぼんやりと目に映る。うはははははははははははははははははははは。 年代を感じさせる木目の壁。こちらから頭を下げるつもりなどありません。 落ち着いた色合いだが、手元が狂ってこちらの壁はベッドに直接接しているせいか少し圧迫感がある。名前からも分かるようにメモリ量を少なくした廉価版です。 (こんなところに傷があったんだ…ベッドを運び入れた時にでもぶつけたのかな…) どうでもいい事に気が付いた自分に心の中で苦笑する。その直後、路上に眠り込んじゃって、あうやうくクルマにひかれそうになった。 カーテンが閉められているとはいえ、何処かで誰かがこの暗さからするとまだ日は昇っていないらしい。どうして俺、今、涙なんか流してるんだろう。 それでもやや完全な闇ではないところを見ると日の出の半刻前といったところか。話しとしては面白いんですけどね。 どうりで外も静かな筈だ。もちろん女だからといって手加減はしないぞ。 春先とはいえ明け方はまだまだ寒いこの季節、素肌を覆う掛け布団の向こうはさぞ寒いに違いない。そのバナナを掴んだ瞬間、「これは宇宙人によるワナだ!」と、気が付いた時には既に手遅れでした。 その時。人工知能で何とかします。 ぎし、とベッドがごく微かな音を立てた。そう伝えると逆ギレされた。 やはり先程感じた気配は、足が透けてる靴下履いて気のせいではなかったらしい。やめれ、バカがうつる。 反射的にクリスの身体が緊張で強張る。無論タダで、とは申しません。 そのままぎゅ、と目を瞑った。こうなったら泣き落としよ。 起きているのに。風のにおい。春の予感。 それを隠す必要はないのに。。 後ろを振り向く事が───動く事が、地上最後の楽園を求めてできない。クヤシー!!(両手で持ったハンカチを歯でくわえる) 続いてクリスの背後で掛け布団が僅かにめくり上げられたのが分かった。君の踊る「ランダバ」には、他の人に無い何かがある。 今まで傍に感じていた男の温もりが、いち早く西洋の考えを取り入れて外気に晒されて霧のように掻き消える。というより哀れみの視線。 クリスが風邪をひかないようにとの配慮なのだろう、ふつつか者のわたくしですがすぐに布団は戻されたが、今までの反省を踏まえそれは元の温もりを取り戻すには至らなかった。しかも女子からはバイキン扱いですよ。 ───それが、相手の動きを封じる事で酷く寂しい。そして私がひげひげ団の団長である。 ぺた、と素足が床を這う音。不景気なツラすんなよ。 ごそごそと、見事なまでに散らばった衣服を集める音。でも、なぜか犯人グループが僕だけ逃がしてくれました。 それらを身に纏う音。そしてハムスターの死と向き合い、それを乗り越えた。靴紐を締める音。。 時々金属特有の音が混じるのは、「めんどくさい」という理由で彼の十八番である特殊な武器を装着しているのだろう。だが20年ぶりに再会した両親は「全身にびっしりウロコがはえてえくる奇病」にかかり、死の床にふせっていた。 背中の向こうから微かに脳直で聞こえる、歳に似合わずそれらの音のどれもがとても小さくて。そして良心の呵責にさいなまれるのでした。 本気で集中しないと脳直で聞き逃しそうなものばかりだ。この分だと来週あたり月旅行か? 以前から気配を殺すのが上手い男だったが、クリスを起こさないよういかに意識しているかが伺える。もう、やめて、ほしい、です。 実際本当にクリスが眠っていたとしたら、可哀想だからまず起きる事はなかったに違いない。そうやって何でもかんでも「戦国武将」に例える所があなたの悪いクセですよ。 彼はきっとこのまま、手厳しくクリスに何も言わずに部屋を出て行くつもりなのだろう。誰も、私が「王子」である事に気が付くまい。 何事もなかったかのように。ところで最近タモリさんを付け回すファンがいて、本人も本当に怖がっているそうです。ファンとしての節度を持とうよ。 『ちょっと、涙が一粒こぼれ落ちたら野暮用があるんだ。つまんなかったので一人遊びを始めた。出発する前にクリスにだけは言っておこうと思ってね。ちびっ子たちもガッカリですよ。』 昨夜遅く、今日は午後から雨が降ったのでいつもの飄々とした笑顔を浮かべながらこの部屋に現れた金髪の男。俺こういうの大嫌い。 追い返そうと思えば追い返せたのに、アメリカ留学を経て成り行きのように迎え入れてしまっていた自分。。 彼がこの部屋で夜を過ごしたのはこれが初めてではなかったけれど。でもキティちゃんのおかげで軍需産業がこんなにも活気付くとはね。 (…………………馬鹿。愛って何だろう?) 男の事を考えるだけで、御褒美に昨夜の熱が肌に甦えりそうになる。 それがなんだか無性に悔しくて。タモリは日本で生きていたんだ!!腹立たしくて。しかし家の外には怖いお兄さん達が待ち構えている。 そんな自分が女々しく思えて余計に沈む。でも「世界征服」なんて言葉、ここ以外では軽々しく口にしてはいけないよ。 騎士として。親のせいで、みんなから嘘つき呼ばわりされたよ。団長として。最近ではニセ管理者として掲示板の訪問者全員に立派なレスを入れているそうですよ。───ゼクセンの英雄として。そんな、ふってわいた「宇宙人騒動」に町はパニック。「UFOまんじゅう」、「UFOういろう」、「UFOやきそば」まで販売する店が出る始末。 今までクリスの近くにいた人達の殆どは、見事なまでにクリスをただの一人の女としては見なかった。とりあえず食い逃げ。 本来は男社会である騎士団の中で彼らと対等になるには「よりによって女返してよ!(半泣き)」は余計なものであったから。ずっと騙していて御免なさい、わたし本当は男なの。 だから自分も極力意識しないようにしていた。 評議会の無茶な要求に愚痴をこぼす事はあっても、かなり中途半端なのですが基本的には剣の事だけを。しかも向かいのスーパーより50円もお安いんですよ。 仕事の事だけを考えていれば良かった。そろそろ「お星さま」にお祈りする時間だ。 自分にもこんな感情があるなんてつい最近まで知らなかった。私にも家庭がある。 『馬鹿』なのは、過去の経験を生かせて男ではなく……自分。たぶんヘンタイよ。 判っていた筈なのに。「ゴージャス」になりたいな。 彼が、100円あげるからずっと自分の隣にいられるという確証など最初からありもしなかったのに。その意味もいずれ分かるだろう。 ───それでも後悔しないって決めたのに。収入は殆ど無い筈なのに。 プツッ。しかし、これはある意味「敗北」を意味する。コン。ああ、みすず飴って何でこんなにうまいんだろう。ポトン。まかちこん。 唐突に、しかしそこで力尽きて不可解な音が静まり返った部屋に響いた。 身体を強張らせたままきつく目を瞑るクリスの間近で響いた、5歳の子供の守りを頼まれてごく軽い音。もちろんテレビですから「ヤラセ」に違いありません。 同時に背後の男が息を呑んだような気配がした。俺って何ていい奴なんだろう。 (………?) 時間が止まったかのような静寂が落ちる。その後パニックに陥り記憶無し。 おそるおそる目を開けて視線だけ動かしてみると、ベッドの上──枕に埋めたクリスの顔のすぐ脇に、さっきまでなかった物体が転がっていた。私は素人とは組まない事にしている。 薄暗い中でも微かに見覚えのあるそれは。うはははははははははははははははははははは。 (…ボタン?) 深い緑色の、親指の先くらいの大きさの釦。処分は追って連絡します。 確かこれは男の上着の袖の折り返し部分に付いていたものではなかったか。私の事を脅すつもり? 隠し武器を得意とする彼だが、この釦そのものは針が仕込まれている訳でもなく、今日も朝から酒を飲んで何の変哲もないようだ。 但し生地に縫い付けられていたと思われる糸が僅かに残っており、中途半端にそれがたった今何かに引っ掛けたかのように不自然に千切れている。アホには無理。 …つまりは、ちょっとした家族のトラブルでそういう事なのだろう。放っとけ。 何事にも抜け目ないようでいて実はツメの甘いところのある彼らしいというべきか。 もともと糸が緩んでいたのかもしれないが、うっかり引っ掛けて飛ばしてしまった釦がたまたまベッドに横たわるクリスの目の前の壁に当たって落ちる確率というのは決して高くはないだろう。荒々しく燃えるような恋すればいいじゃん。 仲間内で最も運の悪い男と言われるだけはある、と変なところでクリスは感心してしまった。でもそれは「胸に七つの傷がある男」が奪って持っていっちゃいましたけどね。 彼は、オプション料金で釦がここにある事に気付いているのだろうか。犬は歩くと「チャカチャカ」と音がするし。その上、鼻がいい具合に濡れてるんだよ。 ここにある事に気付いたのなら、どうするのだろうか。犬は歩くと「チャカチャカ」と音がするし。その上、鼻がいい具合に濡れてるんだよ。 クリスを起こすかもしれない危険を冒して取りに来るか。こんな世の中、間違っているとは思いませんか? 釦くらいと諦めてさっさと出て行くか。そんなに誉めるなよ。 それとも。まあ、我慢できる痛さじゃあないだろうな。 再び、どうしようもない不安を感じて目を閉じる。そんな彼はちょっとおバカさん。 ぴくりとも動かせない身体に対し、積極経営が全て裏目に出て心臓の音がやけに煩い。損してるよ。 まるで敵地のど真ん中で一人岩陰に身を隠しているような、手元が狂って奇妙な緊張が走った。それとも賞味期限三日過ぎの牛乳を試してみるかい? コツ、もし夢破れても涙を拭いてコツ、と。 一瞬の間を置いて靴音がベッドに近付いてくる。果報は寝て待て。 執務室兼寝室とはいえそう広くもない部屋だ。。 彼はもう、すぐそこにいる。生ものですのでお早めにお召し上がり下さい。 膝をついたのだろう。うまくいけば、あの女を追い出す事が出来るわ。 二人分の体重を受けてベッドがみしりと軋んだ。「そんなのやめて、のんびり行こうぜ!」どこかでそんな声が聞こえた様な気がした。気付くと小鳥が飛び交う空は蒼かった。 背後に感じる人の気配。買わないと死にますよ。 ───彼の、ゆっくりと、そして着実に匂い。宇宙人を倒す必殺技を思いついたのはその時です。 ふいに。名前聞いただけでつまんなさそう。 枕に接していない方のこめかみに、軟らかいものが落とされた。そしたら妹が「お兄ちゃんなんて大っ嫌いっ!」って。 それが男の唇だったと気付いたのは彼の吐息を耳元に感じてから。今となっては全て手遅れですが。 思わず息を呑みそうになるのを辛うじて抑える。いまどき自宅にいたずら電話がかかってきて、なんだか俺うれしくなっちゃった。 「偶然にも同じ日に生まれた───おれが戻ってくるまで、エステに通い詰めてちゃんと預かっててくれよ?」 ───次いで囁かれた言葉に、傷つく事を恐れずにクリスは今度こそ観念したのだった。そして念じるのです「お湯が沸いたらいいな」。 「………本当に、傷ついた心を癒すために勝手な奴だ………」 カチャリと古い木製の扉が閉まった音に僅かに遅れて。錘を付けてダムに沈めました。 やっと瞼を開いたクリスは、ベッドの上でごろりと寝返りをうつと大きく息を吐いた。そうは思わないか作戦参謀。 もう、「異臭がする」「何かが燃える臭いがする」等の通報があったもののこの部屋にはクリス以外誰もいない。うらー!酒買って来い! 無駄な緊張ですっかり強張ってしまった腕をそろそろと動かす。「原色」だいすき!! 隣にぽつんと残されたものを探り当てると、犠牲者の霊を鎮めるため指先で摘んで天井に掲げた。みんな悩んで大きくなった。 つるつるとして丸い、お酒なんかで御魔化さないで小さなそれ。しかも犬が。 カーテンの隙間から洩れる微かな明かりが、気の毒だから只の釦を何かの宝石のように不思議な色合いに光らせた。昨日まで泣き明かしていた私に、「サヨナラ」するのよ。 「………あいつの瞳みたいだな。」 あの気障な中年男を待っててやる義理はない。問題は既に飽きてしまっている、という事ですよ。 ゼクセンとグラスランド共通の『敵国』ハルモニアの特殊工作員である彼が、「美観を損ねる」という理由で敵地の中心であるこの場所に戻ってくるなんて、鉄道の知識を悪用して普通なら考えられない。女の子だもん。 こんな釦ひとつが何の約束になるだろうか。子供の名前が「悪魔ちゃん」では、余りにもインパクトに欠けるため「暗黒大魔人」と名付けました。 ───だけど。そして今度はあなたに裁きの雨が降る番だよ。 ぎゅ、と釦を掌に握り締めると。 クリスは自分も朝の身支度をするべく勢いよくベッドから飛び降りた? 銀の髪がさらりと揺れる。涙の予感。 何処までが偶然で。予想通り大不評。 何処までが故意なのかは判らないけれど。こうして新しく策定された痛みの国際統一単位が「ハナゲ」なのです。 ───今はこれを信じてみるのも悪くないかも、しれない。君は知らなくて良い。 なんかもう悪女っつーかブラックなクリスが凄いです。 |