【夢の寄り道】 放課後、夕日が差し込む閑静な路。 商店街から少し離れた場所にある古びた建物の前で、新宿の高校の学ランを着た『少年』は立ち止まった。 (うーん………大丈夫、かな?) 極力音を立てないように、古い木製の扉を開けようとして。 「やぁ、いらっしゃい…緋勇君。」 ほんの少し隙間が開いたところで間髪を置かずに掛けられた声に龍麻は目を丸くした。
見るからに年代を経たという感じの店には何十万、何百万という品も整然と並び、普通なら一介の高校生がそう何度も訪れるような場所ではない。実際、今も龍麻の他に客はいなかった。 そしてその店主である男はちょうど奥で何かを片付けていたところなのか、出入り口に背中を向けたままだった。この状態で来訪者の名を当ててみせたらしい。 「凄いな…流石は忍者。気配だって消してたのにさ。もしかして背中に目があるとか?」 「…君まで雨紋みたいな感心の仕方をしないでくれ。」 如月は静かに振り返ると、こちらに苦笑を返した。 骨董品店の店主にして、江戸の時代よりこの地を護る飛水家の末裔。 真神の新聞部部長によると彼は王蘭高校のプリンス的存在であるらしい。 確かに人の外見(自分も含む)に無頓着な龍麻から見ても彼は整った顔立ちをしていると思うが、それ以上に如月のこの落ち着いた雰囲気は同い年とは思えないものがあった。 だからこそ表の商売である骨董品店の店主などというものも勤まるのだろう。 龍麻は勿論、騒がしい事この上ない某木刀男なんかには天地がひっくり返っても勤まらないに違いない。 「商売柄、店の周りに結界が張ってあるんだ。例え気配を消しても人為らざる者…あるいは《力》を持つ者が近付けばすぐに判るよ。それで害意がなくて、ここまで気配を絶てる人物なんてそう多くはない。」 「はー…ホントに忍者って何でもできるんだな。俺、雨紋が騒ぐ気持ちが分かったかも。」 「…………それは良かった。それよりもいつまでもそんな所にいないで中に入ったらどうだい。」 「あ、悪い悪い。」 龍麻は慌てて中に入ると扉を閉め、両脇に品物が所狭しと並んだ細い通路を通って如月のすぐ前まで歩いて行った。色あせを防ぐ為に照明を落とした店内は慣れない者には緊張を強いるが、危なげない足取りはやはり武道の賜物だろう。 そして抱えていた特大サイズのスポーツバッグをどす、と足元に下ろす。 「また買い取りを頼むよ。」 その中身は、先日旧校舎で手に入れた武器やら装備品である。仲間達が使えそうなものはそのまま皆に配分するが、重複したり、その使い手の《力》に耐えられないと判断された武器等はこうして如月が引き取る事になる。 …これだけの重さ(軽く10kgはあると思われる)のバッグを何の苦もなく持ち歩く龍麻の腕力と体力も凄いが、銃や刀を真っ昼間から電車に乗って運ぶのに抵抗がなくなってきているのも考えてみれば結構凄い事かもしれない。 尤も、銃刀法違反バリバリの物体だけでなくナース服や食品も引き取るこの店にそれをとやかく言えた義理はないが。 「一人とは珍しいね。」 「うん、京一の奴剣道部の副部長に捕まってさ。今日は定期ミーティングがあるらしい。まだ諦め悪く喚いていたけど、たまには部活に出させないと俺が恨まれそうなんで熨斗付けて引き渡した。」 「…誰も蓬莱寺君とは言ってないんだけど?本当に君達は仲が良いんだな。」 「へ?」 バッグから出された品物を受け取りながらさらりと言う如月に内心、どきりとする。 「そうかな。単に腐れ縁みたいなモノだと思うけど。っていうか、男相手に仲が良いなんて言われても気持ち悪いんすけど如月クン。」
仲間の中でただ一人それを知る京一は、それでも自分を『相棒』だと言ってくれた。 お互いに背中を預けて闘える、唯一の人。
(うッ………) やっぱり何でもないように小さく笑う如月に龍麻は目を細めた。 隠し事をしている自分にとってこのテの話は正直、心臓に悪い。話題を変えるべく、話を振る。 「それよりも、お前こそイイ人ができたんだって?」 今度は如月が刀を鑑定していた手を止めた。 「情報源は?」 「雨紋。あとアランも『ヒスイにコイビトがメデタイねー♪』って言ってたよ。」 「………彼らとは一度本気で話し合う必要があるな。それでさっき、わざわざ気配を消して中の様子を伺っていたのか。」 「あー…やっぱその噂の人が来てて邪魔しちゃ悪いかなー、と。」
それが噂の彼女のおかげだとしたら、納得がいく。 話によるとその人は飛水家や自分達の《力》の事を知っても変わらず接してくれたらしい。 ───本当に、良かったと思う。
《飛水》の者として。東京を護るべく。ただ、その為に生きていた。 ───似ているようで、だけど自分とは決定的に違った。 龍麻も昨年末明日香学園で起こった事件がきっかけで《力》に目覚めて、亡き父の友人だという古武道の師匠に東京へ行く事を薦められた。『男』として生活するというおまけ付きで。 ───それでも龍麻は自らの意思でこの東京に来る事を選んだのだ。 何で自分が師匠曰く『選ばれた』のかは分からない。 自分に何ができるかなんて数々の事件を経た今だって分からないし、自分が何でもできるとは思ってもいない。 『俺』はそんな大層な人間じゃない。 ただ、その時その時でがむしゃらに自分にできる事をやっているだけだ。 しかし如月は。 自らの意思とは関係なくそれを生まれた時から背負わされていた。 たった一人でそれを背負う事が当たり前で。最初、頑なに龍麻達と共に闘う事を拒絶した。 これは《飛水》である自分の仕事だと。 ───周りを巻き込まない様にと、人との接触を極力避けようとする彼を見ているのが辛かった。
今の俺があるのは、京一を始めとする仲間…友人達のおかげ。 彼らがいなければきっと耐えれなかった。 彼らがいるから頑張れた。 だから俺も君の力になりたい。 君が選んだという女性には全然敵わないだろうけど、一緒に闘う事くらいはできるから。
しかしどこか不機嫌な様子の店主に、龍麻は恐る恐る尋ねた。 「橘さんはただの友人だ。そんな関係じゃない。」 きっぱりはっきり。予想に反してこれでもかというくらい断言されてしまう。 「そ、そうなんだ。」 反論を許さない口調に、龍麻としては頷くしかない。 『友人』という言葉が出ただけアイスマン如月にしてみれば大した進歩なのだが、それに突っ込む余裕もない。 だが。表情が前に比べると豊かになったとはいえ、普段あまり感情を露にしない男なだけに、そこまで力を込めて否定されると却って気になるというのが人の常である。 「…もしかして、他に好きな子がいるとか?」 ふと思い付いて口にする。
だん、と音を立てて龍麻は壁に押し付けられた。
腕も腰も細くて、醍醐や紫暮なんかと比べると華奢な雰囲気さえある。 だけどやはり龍麻とは違う、『男』。 一瞬で龍麻の手首を壁に縫い付けた力は見た目よりも遥かに強かった。 そして目の前15cmの位置で自分を真正面から見つめる真剣な顔に、思わず息を呑む。
「きさ…」 「だが今の僕には、大切な人がいる。命に代えても護りたい人が。」 「……………」 「自分でも不思議だよ。《使命》の為に生きていた僕が、《使命》なんかどうでもいいとさえ思えるんだから。」 「……………」 「僕を変えたのは他でもない───君だ。」 「……………」
コチ、コチと古い柱時計の音だけが薄暗い店内に響いていた。 一方、龍麻の頭の中はというと。 (うわ…近くで見るとホント綺麗だなぁ…。髪なんかサラサラだし睫毛も長いし。王蘭のプリンスって言われるだけあるよ、うん。俺、男として生活してて良かったかも。女だったら一緒に歩くの気後れしちゃいそうだし。って…え、え…?) …やっぱりズレているのが龍麻の龍麻たる所以だろうか。 (お、俺…!?) そこでようやく如月の言葉の意味に思い当たり、龍麻の背中を冷たいものが伝った。
その時、ガララッと店の戸が乱暴に開けられた音と共に聞き慣れた声が二人の耳に入った。 あぜんとしたままの龍麻を余所にその声の持ち主…京一はずかずかとこちらに近寄ると、あっという間に龍麻を力任せに自分の方へと引き寄せる。 その眼は如月を見据えたままだ。 「てめ、どーゆーつもりだッ!!まさか、ひーちゃんを無理やり…」 「僕は龍麻の目にゴミが入ったのを取ってあげただけだよ。蓬莱寺君はどう誤解したのか知らないけどね。…そもそも、龍麻も僕も男性だろう?」 如月はと言うと京一の喧騒も何のその、落ち着いたものである。 おまけにそれまで緋勇君と呼んでいたのを殊更強調するように名前で呼ぶ辺り、侮れない。 それに反応して龍麻を抱える京一の腕に力が入った。 「ぐッ…そ、そりゃそうだけど…ッ」 「それよりいつまで俺を抱えてるんだ、この猿ッ!」 ぼぐっ。 京一に抱き寄せられて知らず知らず顔が赤くなってしまったのを誤魔化すように、龍麻の渾身の肘が炸裂した。 蹴り技や吹き飛ばし技が出なかったのは周りのウン百万円の品々を考慮しての事である。 (余計な事を言うんじゃない、馬鹿ッ!!) まだドキドキしている心臓をなだめつつ、心の中で付け加える。 ───この男こそ、自分の相棒兼親友。しかし。 龍麻の事情を重んじて皆に秘密を黙っていてくれるのは有難く思ってるし、普段は絶対の信頼を置いてはいるのだが、下手に突っ込まれればヤバそうな発言とすぐに抱き付く癖は勘弁して欲しいものだ。 それでもどんな誤解にせよ自分の事でムキになる相棒に少し嬉しくなってしまったのも事実で。 痛さのあまり床でのた打ち回っている京一を見下ろしながらやっぱりこいつには敵わないなぁ、とも思う。 「で、何しに来たんだよ京一。部活はどーした、部活は。」 「ってェ…ああ、副部長の奴は途中で撒いた。ひーちゃん一人でここにやるのも落ち着かねェからな。」 「お前なぁ、俺は小学生じゃないぞ。お使いくらい一人でできる。」 「いいから気にすんなって。」 「毎回そんな事言ってサボってるだろ。こんなのが部長だなんて俺、ホント副部長に同情するよ。」 「そういや昔、『同情するなら鐘をつけ』ってのがなんかで流行ったよなぁ。」 「誤魔化すなッ!てゆーか違うだろそれはッ!」 他愛のない会話にどこからか苦笑が混じる。 振り返ると、龍麻達の後ろでこの店の主人が何とも言えない複雑な表情で微笑んでいた。 「き、如月…」 それでようやく龍麻は先ほどの自分の状況を思い出した。 もしかしなくても、これはかなり如月に対して失礼なのではないだろうか。 自分はまだ彼に何の返答もしていない。 取り敢えず、こんな所で幽霊部長を相手に漫才もどきをしている場合でないのは確かだ。 「京一ッ、いいからちょっと先に駅に向かっていてくれ。すぐに追い付くから。」 慌てて京一の背中を押して店の入り口に向かわせた。 「あ?何言ってんだひーちゃん。如月に何の話…」 「いいから早く行けって。プライバシーの問題だから、立ち聞きしたりしたら八雲な。」 さり気なく物騒な脅しをかけつつ京一がまだ何か言いたげにしているのを無視し、彼を外に追い出すと戸をしっかりと閉める。 それでも言われた通り京一がその場を離れたのを気配を探って確認すると、改めて如月の方に向き直った。
ついさっきまでの喧騒が嘘のようで。 こうしていると彼の瞳に吸い込まれそうな感じさえする。 (大丈夫、俺は……) ひとつ息を吐くと。 先ほど龍麻に対して真正面から接してきた如月に敬意を表して、自分も精一杯応えようと決心する。
「…は?」 意味が判らないといった様子で如月が僅かに眉をしかめた。 「俺が如月を無理に仲間に引き込んだ事で───お前を少し変わった道に導いてしまったのだとしたら謝る。」 「ちょっと待…」 「でも。人を大切に思う事…好きになる事って凄く良い事だと思う。性別なんか関係ない。俺、嬉しいんだ。如月っていつも自分一人で生きていこうとしていたから。だから例え相手が…女の子じゃなくても、大切な人ができたのは良い事だよ。その人の為に生きようと頑張れるから。命に代えても護る、なんて絶対にその人に言うなよ。本当にその人が大切なら絶対に死んじゃ駄目だ。」
『護られて』その人が自分の代わりに死んでしまう程、辛いものはない。 だから絶対に死なない。俺も。京一も。そう約束した。
「『かみんぐあうと』…って言うんだっけ?俺に話してくれて有難う。俺なら、そんな勇気なかったかもしれない。俺に何ができるか分からないけど、精一杯応援するから。」 「……………」 あまりの事に真っ白になった如月に向かって、龍麻は鮮やかに笑ってみせる。 それはまさに、屈託のない天使の笑顔。 「俺、『翡翠』の事好きだからさ。さっき、俺の事を名前で呼んでくれて嬉しかった。大切な『友達』には幸せになって欲しいんだ。大丈夫、誰にも言わないよ。」 「……………」 「じゃ、今日はそろそろ行くね俺。悪いけど京一が待ってるから相談の続きはまた今度な。あ、精算も次に来た時でいいからさ。…またな、翡翠!」 そして完全に固まった如月を置いて。 ───最強天然龍麻は骨董品店を颯爽と走り去ったのだった。
まだそんなに時間は経っていない。恐らくあいつは…。 「…ひーちゃん!」 案の定、如月骨董品とはさほど離れていない小さな公園の前で、赤茶色の髪を風になびかせた相棒が手を上げた。きっと自分が来るまでずっとここで待つつもりだったのだろう。 先に駅に向かっていろと言ったのに、妙に律儀なところがある奴だ。 「お待たせ、京一。」 「お、おう。…話は済んだのか?」 「うん。さ、新宿に帰ろう。」 「…なんか随分嬉しそうじゃねェか。」 「そうか?」 『あの』如月が自分に悩みを打ち明けてくれたのが嬉しくて。それが顔に出てしまったらしい。 (まずい、バレないようにしないとな。約束したんだし。) 京一はそういう事に偏見を持つタイプではないとは思うけど──実際、女だと分かってからも自分の事を相棒だと言ってくれてるし──やはり本人の了解なく不用意な発言をするべきではないだろう。 その京一はと言うと、龍麻と並んで歩きながら何やら難しい顔をしている。 そしていきなり立ち止まると龍麻の肩をがしっと掴んだ。 「いいかッ、絶対にまた一人でアイツんとこに行くんじゃねェぞ!!」 「はぁ?」 コイツはさっきから何を誤解しているのか。自分と如月は仲間で、男友達で。 そして如月にはちゃんと好きな人がいるというのに。 (………と、そういえば………) 如月はやけに龍麻と京一の事に触れていなかっただろうか。 自分が京一と話しているのを、苦笑して見ていた男の顔が脳裏に浮かぶ。 「ま、まさか───ッ!?」 ここに来て重大な事に気付いた龍麻の叫びが辺り一面に響き渡った。
思えば如月の京一への対応は、他の仲間達に対するのと明らかに違っていたような気もする。 そしてそれが確かなら現時点で京一の『相棒』である龍麻は、目の上のたんこぶ以外の何者でもない。 (という事は俺、京一の相棒の座をかけてあいつと競わないといけないのか!?いや駄目だ、俺は京一がいないと…けど応援するって言っちゃったし、翡翠にも幸せになって欲しいし……) …思い込みというのは恐ろしい。龍麻は完全にトリップ状態である。 断っておくと、決して龍麻は一部の女子が色めき立つような話が好きだという訳ではない。 先程如月にした話に嘘はなく、応援するという気持ちも本心からのものだ。たが、どちらかというとアランのように『人類皆兄弟』的感覚に近いのである。 純粋だからこそ、その発想に何の疑問も浮かばないのが怖いところかもしれない。 (あッ、京一が『好き』だって事はもしかして翡翠はそれ以上…を求めているのか!?でも京一の女好きは筋金入りなんだよなぁ。そうか、あいつもそれを知ってるから悩んで俺に相談してきたのか。…いや待てよ、案外翡翠は下手な女の子より綺麗だからオッケーかも…そしたら俺に勝ち目は…って何だよ勝ち目って。京一にとって俺は単なる『相棒』で、別にそれ以上じゃ…俺は……) 「おい、ひーちゃん!?くそ、如月の奴ッ!!ホントにさっき何があったんだよッ!?」 京一の慌てふためいたような声が耳を素通りする。 がくがくと揺すられて、身体が反射的に京一を龍星脚で吹き飛ばした。 ───龍麻の悩みの種は尽きそうもない。
それでも玄武の血は自らの護るべき存在を求める。 例え気配を消されても、主である黄龍の存在を読み違える事などできはしない。 そしてその血は、決定的な証拠はないものの龍麻が必死で隠そうとしている事にも気付かせ。 同時に、《使命》を超えた自分の気持ちにも気付いてしまった骨董品店の若旦那。 だが思わず掴んだその手首の細さと甘い香りに自分の予想が正しかったと安心したのも束の間、想い人はとんでもない勘違いをしてしまっている。 …修正するのにいったいどれだけの労力を必要とするのだろうか。 『彼女』が『彼』でいる事を選んだのだから。 自分は主である彼女の意思を尊重しなくてはならず。 彼女が彼である以上、彼女の負担になるであろうこの想いを伝える訳にはいかないのに。 そして何より───彼女には既に、『大切な人』がいるのは判っているのに。
普段は男として生活しており、偶然とはいえその本当の性別を知るのは自分だけ。 なのにどうも、自分達の周りには油断のならない奴らが多い。 その筆頭が、初めて会った時から訳知り顔が気に食わない骨董屋。 龍麻が老若男女問わず誰にでも好かれる人物なのは分かってはいるが、奴に男同士の友情以上のものを感じるのは気のせいなのか。 おまけに戦闘では類稀なる情報判断力を発揮するくせに、こと自分に向けられる感情に関しては彼女の鈍さ、天然さは半端ではなく。 よって警戒心の欠片もないのだから京一にしてみれば心臓に悪い事この上ない。 …今はまだ、自分は彼女に相応しい男ではない。 何より、『女』である弱い自分を晒さない為に必死で『男』の仮面を被っている彼女に『女』を強要する訳にはいかないから。 今はまだ、自分は『相棒』で『親友』だけど。 彼女を独占したいと思う気持ちが日に日に強くなる自分を止められない。 ここで如月と彼女に何かあったのだとしたら、自分はいったいどうなってしまうのだろう。
一番不幸なのは果して誰なのだろうか。 兎にも角にも、こうして今日も東京の夕日は沈む。 こんな彼らがこの東京を──強いては世界を護っているのだから世の中というのは不思議である。 彼らに真の幸せが訪れるのはいつの日になるのだろうか───────。
【サイト専用だよ!(そんな大したモンじゃないだろ)特別座談会】 作者「…というワケで、ハテネさんにお招き頂いた女主アンソロジー用に書き下ろしたヤツを ここにもアップしちゃいました。一応、続き物だしね。てへ☆」 京一「単にネタ切れで他に更新できるモンがなかっただけだろーが。(溜息)」 作者「うっ…なんか妙に悟ってやがるコイツ…」 京一「今までが今までだったからな。」 作者「ほー言うじゃないか。それじゃ頑張って龍麻と如月の恋人の座を競ってくれ。」 京一「言われなくてもひーちゃんは如月には渡さねェ…って『如月の恋人』の座だとォ!?」 作者「おお。少なくとも龍麻は当分の間、如月がお前にラブラブだと思ってるぞ。 心優しい(多分)龍麻の事だ、如月の為に身を引く事も充分に有り得る。(ほろり)」 京一「待て待て待てェ────!!俺にそんな趣味はねェ─────!!」 作者「そこがこの娘の恐ろしい所なのさ…天然って怖いね…(他人事)」 京一「ざけんなぁぁぁぁッ!!!」 作者「わはは。例え両想いでもすんなり京一を幸せにするとつまらないっしょ。 そう前々から何度も言ってるじゃん〜。私は所詮、ギャグ人間なのよ♪」 ??「──飛水流奥義・瀧遡刃ッ!!」 断末魔をあげて流されていく作者。そして無言ですたすたと去っていく影がひとつ。 京一「……まぁ、あいつの方が災難っちゃー災難か……(憐れみの目)」 アンソロで絶対冬子を書け!と脅されて(笑)出来あがったのがコレでした。 |