【龍の娘W】





 季節は冬、場所は墨田区白髭公園。

時刻は既に深夜をまわっている。



「…………蓬莱寺、君?」



 それぞれの表現方法で改めて再会を喜ぶ高校生の集団の中で一人沈黙を護っていたその人物は、ようやく口を開いた。

 いつも皆の前で使うのと同じ丁寧な呼び方。にこりと笑う形の良い唇。

だが『いつもの彼女』らしくない凄みを帯びた声と身も凍るような剣呑な気配、何より隠そうともしない殺気に、京一は驚いて歩み寄ってきた白いセーラー服の少女を見やった。

尤も、このような声は京一にとっては聞き慣れたものだ。思い知らされていると言ってもいい。

 しかし──今は二人っきりではない。

周りにいる仲間達はこのような彼女を見るのは初めてだろう。

何故なら彼らの知る彼女は強大な《力》をその身に宿しながらも決してそれを表に出す事もない、静かに微笑む清楚で可憐な美少女だからだ。

全てはアカデミー賞女優にも劣らない半年にも及ぶ徹底した猫かぶりの賜物なのだが、今の彼女はそれを根底から覆しかねない。

案の定、京一を除く仲間全員が目を丸くしてこっちを見ていた。

 そして。

「そんなに私に殺して欲しかったなんて知りませんでした。気が付かなくてごめんなさいね?」

「お、おい麻弥!?ちょっと待っ…」

 口を挟む暇もあったものじゃない。 

全く容赦のない最大奥義をくらい、京一は呆気なく意識を手放したのだった………。











 京一はカーテンの隙間から差し込んだ朝陽の眩しさでふと目を覚ました。

何時の間にやら眠ってしまったらしい。

反射的に氣を凝らして目の前の状況が変わったかどうか探り───何の変化も無い事を知って小さく溜息をつく。

「…夢…か…」

 膝を抱えて壁に凭れていたせいで体が痛い。冷たい床から冷気がじわじわと伝わってくる。

その感覚が、先程の光景が夢であった事を嫌でも思い知らせた。

いや、確かにあれはつい最近実際にあった出来事だ。なのに今はそれがひどく昔の出来事のような気がする。 

 京一はゆっくりと立ち上がってその部屋の中央にある白いベッドの方へと近寄って行った。

───ここは、桜ヶ丘中央病院。

この病室の外にあるネームプレートには緋勇麻弥、と書かれている。

5日前の夜、瀕死の重傷を負ってここに運び込まれた少女は依然として目を覚ます気配がなかった。

傷そのものは現場に居合わせた美里と劉が必死で施した応急処置とこの病院独特の治療、彼女自身の驚くべき治癒能力によって殆ど完治している筈だ。

あの夜、手術室から出て来た院長もここで出来る事はもう無い、と言った。

後は意識が戻りさえすれば心配は無い、と。

 だが───ほっと安堵の息を吐いた仲間達の意に反して、麻弥は一向に目を覚まさなかった。

───まるで目を覚ます事を拒絶するかのように。

そして京一はこの場から動く事ができなくなった。

京一がこの部屋を出るのは数時間毎に行われる彼女の診察時と自分が用を足す時だけ。

家にも帰らず、当然学校にも出ていない。

麻弥を心配して入れ替わり立ち替わり病室を訪れる仲間達や院長が何を言っても、耳に入らなかった。

病院という事で辛うじて最低限の身だしなみは整えてはいるが、京一の体調を気遣った高見沢が差し入れてくれる食事も半分も手を付けていない。




「…何で、だよ…」

 ベッドのすぐ傍に立って、昨日と変わらず眠り続ける麻弥の整った顔を見下ろす。

あの夢のせいだろうか。

ここに居座ってから何度も言い掛けて…それでも言葉にする事ができなかった感情が溢れ出すのを抑えられない。

声が掠れているのが自分でも分かった。




「お前、俺が姿を消した時、すげー怒ったじゃねーか…」

 それまで何があっても徹底して貫いていた儚げな美少女という地位が揺らぐ危険を冒してまでぶっ放された奥義。

───『相棒』なら、私以外に殺されるな。

 仲間の元へと復帰した京一へのスキンシップ(そんな可愛いモノではないが…)はいつも以上に容赦なかったが、そう彼女が言ってくれているのが分かって凄く嬉しかった。

やむを得なかったとはいえ、彼女に心配を掛けていた自分が悪かったのだと素直に反省もした。

それなのに。




「なのにお前はここで俺以外のヤツに殺されて、それでいいのかよ…?」

 

やり切れなくて。

どん、とベッド脇の白い壁を拳で殴る。



「ここで負けを認める程…お前は弱い奴だったのかよ…ッ!!」

 

京一の知る緋勇麻弥という人物は、何時だって強かった。

何も京一に対しての乱暴な態度だけを言ってる訳ではない。

彼女は皆の前では常に可憐な大人しい少女ではあったが、戦闘に関しては決して己の弱さを見せようとはしなかった。戦闘力は勿論、精神面でも。

だからこそ本当ならとてもそうは見えない雰囲気の彼女がリーダーであり、指揮官であり、前線の戦士であるのが至極自然となっていたのだ。

───何故、麻弥はより強くなろうとしていたのか。

何故、鬼道衆を倒して平和が訪れたと思われた時でさえも一人隠れて旧校舎に潜り、強さを求め続けていたのか。



「くそ…ッ!!」

 

強く握り締めた掌から一筋の赤い液体が流れる。 

本当は分かっている。

強くある為に、彼女がどれ程の犠牲を払ってきたか。

このまま楽になりたい。

そう思っても不思議はない。

誰も彼女を責める資格などない。



「……麻弥……」



 きつく眼を閉じた京一の脳裏に、先程見た夢とは異なる風景が浮かび上がる。

雨の降る夜の公園で、彫像のように佇む美しい少女。

───それは彼女が凶刃に倒れる前の夜の事だった。










 ばこっ。


その夜───今にも雨が降りそうな街角に、気持ちのいいくらい良い音が響いた。

「ってェ〜…そう来るかよ…」

 そして京一は顔面を押さえながら声を絞り出した。この分だとくっきりと赤い打撲跡がついているに違いない。昔の漫画なら顔がへこんでいただろうな、と少々的外れな事を考えてしまうのはいいかげん打たれ強くなった証拠だろう。

気配も消さずに堂々と後をつけていたのだから遅かれ早かれ何かしらの反応はあるだろうとは思っていたが、予想通り容赦のないご挨拶だった。

そういえば以前もこのような事があったが、今回は投げられたのが金属でないだけまだマシなのだろうか。

「ストーカーに文句を言われる筋合いはない。」

 麻弥はそんな京一に対して冷ややかに言ってのけた。

アスファルトに落ちた自分の学生鞄(京一と違い、一応『優等生』である彼女の鞄には教科書等がぎっしりと詰まっているのでその重量は充分凶器だ)を拾い上げるとぱんぱんと軽く叩いて汚れを落とし、京一に鋭い眼光を向ける。

その台詞からも分かるように、ついさっきまで龍山宅で皆に見せていた猫かぶりモードは既に解除されていた。

因みに麻弥はあの京一が戻ってきた夜にたった一度だけその強烈なキャラクターの一片を見せたものの、それ以降はそんな事件など存在しなかったかの如くそれまで通り大人しい娘を演じている。

現場を目撃した仲間達もアレには驚きはしたが、あの日の彼女は『仲間』を思うあまりたまたま少し度が過ぎただけだと一応納得してしまった辺り、いかにそれまで彼女が完璧に皆を騙くらかしていたかというか、世の中間違っているというか。

 知ってか知らずか、そんな事をしみじみと思っている京一に対する麻弥の目が益々冷たくなる。

「私は一人で帰る、と言ったと思うが。それともやはり猿には人間の言葉は理解できなかったか。」

 本性を出した麻弥の口が悪いのはいつもの事だが、苛立ちも多分に含まれているようだ。

それに対し、京一はにっと笑ってみせた。

あっさりと彼女が折れるとは最初から思ってもいない。

「なーに荒れてんだよ。お前らしくもねェ。」

「貴様のせいだ、貴様のッ!だから何だって人の後をつけて来るんだって訊いてるんだボケッ!」

「あ、やべ、雨降ってきたな。」

「あーそうだな、だから私なんか置いてさっさと家に帰れッ!」

「よっしゃ、そこの公園の東屋で雨宿りできる筈だ。行こうぜ麻弥ッ!」

「だから待て、引っ張るな────ッ!!」

「あ?そんなとこに突っ立ってるとどんどん濡れるぜ?俺は全然構わねぇが、透けてブラの線が───」



 ドカバキグシャ。



…結局、なんだかんだ言いつつ二人が雨宿りする為に東屋に入ったのはそれから5分後の事だった。







 ザー…………

薄暗い公園の中で、雨の音だけが響く。

京一の隣で濡れた髪から雫が落ちるのもそのままに、じっと黙って前方を見据える麻弥の姿はまるで良くできた彫像のように見えた。

神が創ったかのように美しく…そして何の感情も持たないかのように。

「……なぁ。お前、知ってたんだろ?」

《宿星》の事。《黄龍の器》の事。────彼女の両親の最期。そして、彼女を狙う存在。

至極何でもないように。自分も視線を前に向けたまま、ぽつりと京一は麻弥に語りかけた。

 それは確信めいた予想。

これまでの彼女の迫真の演技によって仲間の誰もその事に気が付いた様子はないが、「清楚で可憐な完璧な美少女」以外の彼女を知る京一は違う。

「……………」

「でなきゃ、お前があれだけ強くなろうとしていた事に説明つかねェしな。言いたくねーってんなら聞かねェけどよ。」

 彼女は強い。そしてそれ以上に…誰よりも強くなろうとしていた。

まるでそう有らねばならないとでもいうように。

一人で旧校舎に潜っていたのを京一に見つかった彼女は、それを「世界征服の為」などというフザケた理由で誤魔化していたが。

あれから起こった数々の事件。真相。今はもう、誤魔化す必要もなくなった。

中央公園に住むという老人に会えばもっとその全容が見えてくるだろう。

「……………」

「けどさ、グチでも何でも…話せば気が楽になる事もあるぜ?」

 自然とそんな言葉が出る。

龍山宅を出た後、彼女を気遣って一緒に帰ろうと提案した美里達に向かって「私は大丈夫ですから」と静かに微笑みながら…それでもきっぱりと拒絶した彼女をどうしても放っておく事ができなかった。

 本当なら全てを知って黙っていた彼女を怒ってもいいのかもしれない。

絶世の美貌と完璧な演技力を駆使して利用できる者は敵だろうと味方だろうと、徹底的に利用する。

それが緋勇麻弥という少女の本性ではあった。しかし。

───全てを知っていたが為に彼女はそうせざるを得なかったのではないだろうか。

望む望まない関わらず、《宿星》がある以上皆が事件に巻き込まれるのは避けられない。

例え自分が『仲間』に誘わなくても、きっと彼らにはこの世為らざる者が付き纏う。

それなら多少相手を騙してでも『仲間』として自分の目の届く範囲に居て貰った方が各段に危険は減る。

自分をきっかけとして集まる事で同じく力を持つ者同士で協力し合う事もできる。

鬼道衆の事件が終止符を打った時、彼女が一人黙って強くなろうとしたのは、それでも可能な限り皆に迷惑を掛けたくなかったから。

きっとこの先も闘って貰わなければならなくなる。だから今は彼らにせめてもの休息を。

その間、敵の真の標的である自分が強くなれば強くなっただけ皆の負担が軽くなる。

そういう事ではなかったのか。

「……………」

「……………」

 ザー…………

通り雨は一向に止む気配がない。

その中でどれだけの時間が過ぎただろうか。京一と麻弥は並んでただ、雨を見つめていた。






「…化け物。」

 ぽつり、と。

それまで一言も発しなかった麻弥が呟いた単語に、京一は思わず彼女の方を振り向いた。

真っ直ぐ前を見つめたままの麻弥の横顔には相変わらず何の表情も浮かんでいない。

「物心ついた時、それが私の渾名だった。…コントロールできない《力》ほど物騒なものはないって事だ。育ての親を殺しかけた子供に相応しい呼び名だろうな。」

 淡々と語られた内容に、京一は息を呑んだ。



「3つかそこら…きっかけは幼い子供同士の他愛無い喧嘩のようなものだったと思う。初めて《力》が発現し、暴走した私を生身の身体で止めようとした養父…実の父親の兄はそれで左腕を失った。他にも周りに居た何人もの人間が病院送りになった。」

「それはっ……」



 お前のせいじゃないだろ、と言おうとして京一はそれが何の慰めにもならない事に気が付き、口を閉ざした。

事実は事実。彼女が今更そんな言葉を望んではいないのはその表情から明らかだ。



「幸いというか、緋勇の家は地元では結構な家柄だったおかげで表立って警察沙汰にはならなかった。
尤も、3つの子供がやったなんてその場に居た者以外誰も信じなかったと思うがな。事態を重く見た養父はその日から緋勇家が遥か昔から抱えているモノについて子供の私に包み隠さず教え、少しでも《力》をコントロールできるよう気を操る術と古武道を叩き込んだ。それでも緋勇の歴史の中でも異常だというこの《力》はちょっとしたきっかけで私の意思に関係なく暴走を繰り返し、結果、この年になるまで馬鹿みたいに転校を重ねる事になった訳だ。」



 最終的に真神に来たのは《宿星》とかいうモノの導きらしいけどな、とどこか自重気味な笑みを浮かべる麻弥。

そういえば彼女が転校して来た日も佐久間に絡まれた麻弥がそんな事をちらりと言っていたのを京一は思い出した。

あの時は単に彼女が人並み以上に目立つ存在で、尚且つ喧嘩っ早くて手加減を知らないのが原因かとも思っていたのだが、真相はそんな単純なものだけではなかったらしい。

───そもそも人間は本能的に異質なものを嗅ぎ付け、排除しようとする生き物だ。

麻弥が極力《力》を隠そうとし、大人しい娘として振舞おうとしたのは、彼女が普通の人間として生きる為には必要不可欠な事だったのかもしれない。



「そして私は魔法使いのお婆さんに言われた通りカボチャとねずみを用意した。カボチャの馬車は私を鬼が島に連れて行き、そこで否応なく鬼退治をしつつ幸せの青い鳥を探して回るハメになってそれはそれは波乱万丈な冒険物語が千夜続き…」

「…待てコラ。」



 まるで同じ口調で続けられた言葉に、京一は今度こそツッコミを入れた。

ここに来て初めて、真正面から麻弥と視線がぶつかる。

そこにあったのは新宿の街の明かりに照らされた、綺麗な…眩しいくらい綺麗な笑顔。

さっきまでの彫像のような雰囲気はそこには無く、まるで悪戯っ子のような表情の意味するものは。



「何でも簡単に信じるな、馬鹿。私が人を騙すのが得意だって事はお前が一番知ってるだろ。」

「〜〜〜お前なぁッ!!」




 その瞬間。

ふ、と京一の顔に影が落ちる。

───軟らかいものが唇に触れて、すぐに離れた。




「……………」

 あまりにも予想外な事態に言葉の出ない京一を余所に、その少女は身を翻して東屋から走り出た。

既に雨は小降りになっている。

そして少女は一度立ち止まってこちらを振り返ると、良く通る澄んだ声で宣言してみせた。



「私は私だ。今までも、これからも。」



 真っ直ぐに京一に向けられる眼。もはやそこには苛立ちは微塵もない。

きっと先程冗談混じりで語られた話は、紛れもない事実なのだろう。

普通の人間ならとっくに投げ出したくなるような過酷な《宿星》。

だけど彼女は今まで乗り越えてきたのだ。

これからも乗り越えられない筈がない。




「───だから京一だけは、私を信じろ。」










────ああ、そうだ。

何を不安になる必要があったのか。

こいつがこれくらいの事で負ける訳がない。

あの時、俺は──────












「………何時まで鬱陶しい顔してんだ、猿。」

「…麻弥ッ!?」

 長い間物音ひとつしなかった病室に響いた聞き慣れた声に、京一は我に返った。

八つ当たりした壁から慌てて拳を引き剥がし、振り返る。

───白いベッドに横たわった少女はしっかりと瞳を開け、不敵な笑みを浮かべてこちらを見ていた。

カーテンから漏れる朝陽が彼女をスポットライトのように照らし出す。

その女神の如く整った美貌には一点の陰りもなく、とても何日も寝たきりだったとは思えない。



「まさか私が逃げ出したとでも思ってたんですか、蓬莱寺君?」

「………だったらもっと早く戻って来い、猫かぶり女。」



 がこ。


すかさず、細い腕が伸びてベッドの枕元に置いてあった置時計が京一の顔面にぶつけられた。

たまたま木製だったのが救いと言えば救いだが、きっと鉄製でも躊躇すらされなかったに違いない。

「〜〜〜〜ッ、いきなりそれかよオイッ!!」

「やかましい。仕方ないだろ、『あっちの東京』でも私が必要だったんだから。」

「あぁ?ナンだそりゃ。」

「猿には死んでも分からないだろうから説明も面倒だ。」

「…そうかよ、悪かったなッ」

「今に始まった事じゃない。」

「……………」

「……………」




「───だけど。鬼退治には猿が付きものだよな、京一?」

 少女の形の良い唇が意味ありげに言葉を紡ぐ。



「お供しようじゃねーか。それで青い鳥を探すんだろ?」

 にやりと笑って京一もそれに応えてみせる。







 今度こそ、終止符を打つ。その為に少女は帰って来たのだ。

もう二度と不覚はとらない。

───もう二度と、あちらの世界へ逃げようとはしない。

ここには彼女を待っている者がいる。

もう独りで強くなる必要もない。







「─────おかえり、麻弥。」

「─────ただいま、京一。」













───お前を信じる。そんなの当たり前だろ?

俺達はずっと前から『相棒』なんだから。



これからも、ずっと。






          【またしても何ヶ月振りだよフザケンナ☆座談会】

京一「うお、なんかシリアスじゃねーかこの話ッ!今までのギャグ路線はどうした!?

   おまけに噂じゃシリーズ中では絶対くっ付かないとか言ってたのにアレは紛れもなくキ──」

    ドカグシャバキ。更に黄色い龍召喚。

麻弥「改めて言うなボケッ!!(手甲(注:メリケンサックではない)を直しつつ仁王立ち)

   ナンであんな事になったのか私が一番驚いてるんだからな!!」

京一「(草人形で復活)て、てめ…あんな事があったってのにホンットーに変わらねェな…」

麻弥「当然だ。アレは一時の気の迷い。ペットへのスキンシップと同じだ!!(断言)」

京一「…………取り敢えずそーゆー事にしとくか。(←命は惜しいらしい)

   そだ、作者が言ってたけど一応『退魔陣』の事件はちゃんと起きてたらしいぜ。

   ただ、俺が不参加だっただけで。」

麻弥「…それって許されるのか?符咒はムリヤリ入れてたみたいだが。(ジト目)」

京一「俺が知るかよ。そもそもTを出した時にはまだCDは発売されてなかったしな。

   このWを書き上げるのがやたら遅かったのは、退魔陣をどうするかが一番問題だったんだと。

   どうしても俺がずっとお前に付き添う、というシーンが頭から離れなかったらしい。

   おかげで他の場面もあっち行ったりこっち行ったり、やたら読み難くなってるけどな。(溜息)」

麻弥「いつも行き当たりばったりのくせに何をこだわってんだ、あの馬鹿作者は…」

京一「まぁ実際、退魔陣での俺の役割は他の奴でもやってやれねェ事もないしな。

   つーかあいつの場合、CDであまりにも主人公が蔑ろにされてたから(禁句)

   意地になってたってのもあるかもしれねーけどよ。」

麻弥「………いいのかそれで………?」

京一「ま、いいんじゃねーの?ここまでオリジナルやっといて今更だろ。

   俺としても麻弥の寝顔なんて珍しいモンじっくり観賞できて面白かったし──」

麻弥「………もう一度死ね!!(真っ赤)」

       京一が2つ目の草人形を持っているのかは、神のみぞ知る───。



麻弥「…ああ、お知らせを忘れてました。作者の都合で何時になるかは不明ですが(おい)、

   おそらく次回でこのシリーズは完結となります。

   もし見掛けましたら宜しくお願いしますね。(にっこり←猫かぶりモード)」





何でこんなシリアスチックになったんでしょう…?
京一が不幸な完全ギャグが始まりだったのに、どんどんズレていくよ〜。
コレ、Vを出す前に3ページ程書いたはいいが
あまりのシリアスさに嫌になって(笑)ずーっと止まってたブツなんですよ。
それも2本に分けて出そうとか思ってたくらいだから、もう纏まらないったらありゃしねぇ。
ああギャグが恋しい…。←根っからのギャグ人間

しかし京一、麻弥に夢を見てるよね…勘違いだったら大笑い☆(待て)