【彼の地にて…】 …あん? どうしたんだよ、わざわざ改まったりして。 らしくねーな。
これを俺に?プレゼント? 何でまた急に…雪でも降るんじゃねぇか? …ってもう降ってるんだよなぁ。嫌ってくらいに。 こっちに渡ってだいぶ経つけどやっぱ寒いぜ中国は。 東京じゃ真冬でもこんなに積もる事はまずねぇし。簡単にマイナス何十度まで行くし。 次の買出しまでに溶ければいいけど、こりゃ下手すりゃ春まで降りれねぇかも知れねーな。 あ。ここんとこ更に吹雪いてたのはこの前触れだったのか。 まぁ、この人里離れた山奥のアダムとイヴとして一生ヨロシク過ごすってのも悪くねぇ案だけどよ………
その構えはヤメロッ、今この家をなくしたらアダムとイヴどころか明日には凍死しちまうッ! 軽い冗談だ、冗談ッ!! …お前から何か貰えるなんて思ってなかったから…ちょっとビックリしちまったんだよ。
そういやそんな時期…だっけ。 長い間こんな処に居ると日付けの感覚がなくなっちまうからな、マジで忘れてたぜ。 そうか、覚えていてくれたのか…… …へへッ…サンキュー。 開けてみて、いいか?
疑うワケじゃねぇよ。 こんな個性的な編み目のセーター、何処を探しても売ってねぇだろうしな。
いらねーワケねぇだろ、馬鹿ッ! ほどくな勿体ねぇッ!!
それしか考えられねーもんな。 何日も何日も掛けて…材料だって………
すげぇ、嬉しい………
あれから───あの春からずっと考えてた。 全部、俺の我侭で。 本当なら東京に残るべきだったお前をこんな辺境まで引っ張ってきてしまった。 高校最後の1年間…必死で《宿星》とやらと闘って。闘い抜いて。 やっと、普通の女として平穏に過ごせる筈だったお前の将来を───俺が奪ってしまった。 ………俺ばっかり、こんなに幸せでいいのか………?
………それがお前だったよな………
雪、止んだみたいだぜ。久しぶりに今日は晴れそうだ。
やっぱイイ男は何着ても似合うよなー。
───毛糸と一緒にお前の愛情がいっぱい編み込まれてるから、か。
そうだ、何か礼をしなくちゃな。何がいい?
他に何かないのかよ。
コレの代わりに───これから一生、俺がお前の防寒服になってやるってのはどうだ? モチロン人肌で、な。
い、今のマジで入ったぞ………流石は俺のコイビト兼相棒………
お前の誕生日も。来年も、再来年も。その次も。そのまた次も。 ずっと、一緒。…な?
京一「何だコレは…。これも小説って言うのか?」 作者「いんや、違うと思う(断言)。女主人公と言いつつ全く喋ってないし。 ただのスケベ男の独り言。下手すりゃ妄想。山篭りが長かったらしいしね〜。【憐】」 京一「おいッ!!【怒】」 作者「(無視)…いろいろ忙しくて、絶対誕生日にSSなんか出せないと思ってた訳よ。 既に京一BDネタ2本出してるし、今年は諦めて傍観者に徹しようとしたんだけど。 当日直前になって急に小説は無理でも何かできるかも!!と思い付いたのさ。 だから今まで出したどの女主でもなく、名無しの女主人公。構想10分、執筆3時間。 行間の女主の台詞&この続きは貴方の心の中で…はぁと☆(待てぃ!!) いやー、普段はSSを1本書くのに1ヶ月とか平気で掛かったりするのに(遅すぎ)、 人間やればできるんだねー。やっぱ単細胞猿しか喋ってないから可能な技だな。」 京一「てめ…本当に俺のファンか…?(阿修羅を握り締め)」 作者「ほー。そーゆー事言うか?変則的だけど珍しくラブラブにしてやったというのに。 ま、これからも女主に虐められ街道もしくは空振り街道を突っ走ってくれ。」 京一「嫌だぁぁぁぁぁ!!(切実)」 どーにかこーにか、2001年1月24日に仕上げました。(当日かい…) |