劇場版 鋼の錬金術師 嘆きの丘の聖なる星 感想 

DVD出るまでは映画館で見た感想そのままという、記憶頼りの叫びになります。
ネタバレ全開注意。当サイトの今までのアニメ感想の傾向が合わない方は回れ右。

・1回目観賞感想
・吐き出し
・2回目観賞感想 その1
・2回目観賞感想 その2
・DVDその他感想


 という事で映画感想ですが、まず前提として言っておかなければならない事があります。
脚本家が発表になった時から何度か日記や絵板で叫んできましたが、
管理人は小説家でありミロスの脚本家でもある真保裕一氏の大ファンです。
そりゃもう「ホワイトアウト」の原作本を読んだ時から惚れ込んで、既刊を大量に読み漁りましたとも。好きな小説家ベスト3に入る。数年前から読書感想として真保さんの小説の感想をちょこちょこ日記に書いていたのが証拠です。
 そんな訳で、鋼劇場版の脚本家が真保さんだと発表された時は飛び上がらんばかりに喜びました。
一期ほど極端ではなかったもののぶっちゃけFAの脚本に「うーん?」と思う事の多かった私にとって、これほど理想的なアニメ脚本家はいません。真保さん脚本の鋼なら間違いないだろうと、この時点で確信しておりました。
 この方の長編小説を数冊読めば分かりますが、どんな業界の話でもとにかく徹底した下調べと伏線作りが物凄いんですよこの方。その真保さんが鋼の原作を読み込まない訳がない。鋼のキャラや世界観を壊す訳がない。
かつて自分が原作小説を書いた映画が、スタッフの独断改変で自分の意図する内容にならなかった事に怒って原作クレジットから名前を外させたくらいだからね。自分が苦しんで生み育てた、大切な子供も同然である原作を改悪される怖さと辛さを誰よりも知ってるんだよ真保さんは。普通に考えたら同じ思いを牛さんにさせる筈がないんです。
 そして何より真保さんの小説は素で鋼と傾向が似ているものが多いんだよ。
だからこそ私が真保さん小説と鋼の両方に嵌ったとも言えますが、現代リアル日本とファンタジー世界という舞台の差があっても作品全体の空気が近いというか……。例えば綿密な伏線。専門職の知識をフル活用し、泥臭く頑張る主人公。決して完璧超人じゃないけど、どん底に落とされても這い上がって這い上がって困難に立ち向かう主人公。
作者に照れがあるのかヒロインとのラブラブ描写は殆どないけど、命掛けでヒロインを守るとこまで同じです。
そのヒロインも守られるだけじゃない心の強い女性が多い。ついでに主人公男性はヒロイン絡みを除くと基本的に単独行動が多いので(スペック高くて性格もいいのに友達少ないのがデフォ…笑)、腐の入り込む余地もない。
 これで私にミロスに期待するなってのが無理です。原作の続編捏造ではなく、あくまで隙間話なのもいい。
勿論実際は監督や作画が大きく関わってくるのは分かってます。それでも期待できる人がいるってのはでかい。
 あと、真保さんは最近のドラ映画でもいくつか脚本を担当されてて、そちらは声優変更&作画が微妙特徴的なのもあってあまり良い評判は聞かないけどね。完全に子供…どちらかというと幼児向けのドラ映画と大人ファンの多い鋼では脚本家の力の出せる場所も全然違うので、その辺は全く心配していません。寧ろ主人公を容赦なくどん底に叩き落すハードな展開&国家レベルの頭脳合戦の方が真保さんの本領なので、ドラよりずっと鋼向きなんだよこの方。「ホワイトアウト」だけでも読んで貰えれば一目瞭然です。真保さんを脚本に抜擢した人もそこを買ったんじゃないかと予想。

……とまぁ前置きが長くなりましたが、こんな感じでミロスのストーリーに関しての感想は多少脚本フィルター補正掛かってる可能性が高いです。おそらくエドウィンフィルター並みには掛かってる。
それでもいいという方のみ本編感想を読んで下さるようお願いします。
 まー鋼本編リアルタイム感想でも牛さんに対して思いっきり突っ込みダメ出ししてたくらいなので、好きな作家だからといって明らかなミスや矛盾をなかった事にするような事だけは絶対ないのでその点はご安心を。
双方に愛があるからこその辛口感想。OK?

(この頁作ってここまで書いたのが7/1です。準備万端!笑)



【1回目観賞感想】

 初日の夜の回に行ってきましたー! 客層は男女半々くらい…年齢層も幅広い様子。無事11.5巻も貰えたよー。
牛さんの描き下ろし漫画は映画始まる前にばばっと読んどくといいかも。見た目はまんま薄いコミックス、最初に確認するのは勿論カバー裏(笑)。
初っ端からミロ星にやられた。牛さん、ミロ…綺羅星のアンソロ執筆してるもんなぁ。
直前漫画の内容はダイジェスト風でもなく、予想してたよりちゃんとした「直前」の話って感じだった。
つーかその前に兄さんの背中ーーーーーー!! これはあれだよね、ウィンリィから見た大きい背中のコマ。
机で眠ってるエドにコート掛けてあげたのがウィンだった事といい(どうやって袖通したの?←禁句)、最終回からエドウィンサービス全開だな牛さん。有難う有難う! 他にもハボやらリンやらランファンやら、映画出れない陣がしっかり登場していて嬉しかった。ここで大佐が病み上がりなのを強調してたのも牛さんなりのフォロー伏線だったのね……。
 牛さん漫画の他にはラフ画やら設定画やらスタッフインタビューやらグッズ宣伝やら。映画観た後では大きな発見もないけど、おまけとしては充分楽しめると思います。さていつまで映画館に残ってるかしら……先着50万部という事ですが、何度も行く予定の身としてはあんまり早くなくなっても悲しいし残りまくったらもっと悲しいというジレンマ。


 以下、本編感想ネタバレ箇条書き思い付くまま順不同。まだ1度しか観てないので間違ってたらすまぬ。
※今回は公式サイトのロイ教官と11.5巻以外の余計な情報なしで思ったまま感想書きたいので、パンフも敢えて買ってません。来週の舞台挨拶にも行くのでその時購入予定。グッズも残ってるといいなぁ。

・初っ端からどぉ…んという腹に響く効果音。全体通しても音良かったなぁ。映画館ならではの迫力。
・開始5秒で今回のメインゲストキャラ、黒ワカメメルビンとジュリアが兄妹と判明。はやっ!
・爆風で部屋の窓がふっ飛び、飛び出す兄弟。ちょい待て、セントラルなら隣の部屋にウィンリィいるんじゃないの!? 少しはウィンが無事か気遣ってから行けよ!!…と思ったら、ここは図書館か。後で11.5巻で気付いた(汗)。
・CMにもなってたメルビンとのバトルで動く動く。不安視されてたけど作画は映画として充分じゃね?
・兄さんの前髪の先が丸いのがたまに気になるっちゃ気になるけどね。それは「作画」じゃなくて「キャラデザ」の問題だから。顔は一期やFAよりも原作寄りだし、不自然に目を避けるナヨッとした前髪(それこそ作画の手間の問題なんだろうけど)よりはこっちの方が私は好みです。泥臭い感じがするというか。まぁこれは個人の好みの問題やね。
・汽車バトルも動く動く動く。ほんと凄い。止め絵で見るとどうとかじゃなくてね、動く為の絵なの。計算されてる。
・これ、汽車絡みだけでも破壊の規模半端ねぇ。初お父様戦後みたいに兄さんが錬金術で直すにしても、崩れた橋の部品とか材料足りなくなるんじゃなかろうか…と心配してたら、後で本当に直しに来た兄弟が全く材料不足に触れてなかった。どうやら映画は派手にがモットーだからあんまり等価交換も質量保存の法則も重視してないっぽい。
・メルビンの錬金術って結局、教えてロイ教官に出ていたクレタに伝わる自然系錬金術って事でOK? おそらく掌の錬成陣で大気中の水分をなんたらかんたらだと思うんですが、これ前情報として知ってないと魔法に見えるよ……。
・まだまだバトルは続きます。兄弟とジュリアとメルビンとカラスと狼がガガガガーッと何が何やら。
・ジュリアのスカート超短くてパンツ見えないか気になって気になって仕方なかったのは私だけじゃないと信じてる。
・牛さんのキャラデザだとミニスカの下にズボンも履いてたんだよなぁ。動く戦士系キャラなんだからそっちの方が自然だと思うんですが、そこは男性スタッフの意向が強くなるのかね。なんとなくFF7のティファ思い出した。
・ジュリアを守ろうと頑張る紳士アル素敵。喋らなくても天然タラシの本領発揮。ここからフラグ発生か。
・アルが谷底のミロスの民に捕まり、兄さんも下へ。この辺のミロスの歴史背景説明もロイ教官の予習があるとないとでは全然理解度が違うと思う。一応観てなくても口で説明入れてくれてるけどね。
・エドの右腕を見て反応する爺さん。技師や整備師ではなく機械鎧屋って言い方がなんか新鮮だ。爺さんに腕大切にしろと言われて間髪入れず応える兄さんに萌えた。エドウィンはこういうさり気なさがいいのよ〜。
・人体錬成とか真理とか扉とか、結構深いとこまで出してくるな。てか、真理の存在を知ってる人がそんなにいるとは思ってなかったよ。国家錬金術師レベルでないと真理そのものも知らんとばかり。
・司令部にエドを探しに来たウィンリィ。ウィンが大佐中尉と仲いいのは良い事だけど、今まで何処にいたのさ……兄弟が今まであんまりウィンリィについて触れてなかったから、てっきり一人でラッシュバレーに帰ったのかと思ったよ。
・しかも右腕の痺れっていつの話。大佐とも微妙に話噛み合わないし、ここが私的に一番気になった。
・考えられるのはセントラルでの初メルビン戦でエド機械鎧不調→司令部からウィンリィに電話で愚痴る→大佐にテーブルシティの話を聞いて、不調を隠してすぐ汽車で出発→修理に来たウィンとすれ違った? 初バトルから結構な時間が経過してるような感覚だけど、実はまだ数時間?? とにかく話進むのが早いので麻痺しそうだ。
・ミロス服のジュリア可愛いー。まさかのジュリアも錬金術師。あれって回復(傷再生)だよね。苦しげな顔からすると代価は自分の生命力なんだろうか。別のおっさんも回復使ってたけど、説明欲しいなぁ。予測つくけどちょい不親切。
・ミロスが300年谷を掘ってたのは賢者の石探してました、と。まー賢者の石にも元々いっぱい呼び方あるしな。クセルクセスの後で、アメストリスの国土錬成陣は作り始め? お父様ノータッチだと非効率って事かねぇ。
・賢者の石の材料は生きた人間だからヤメロと言う兄弟。きっぱり言えるのは墓荒らしした後で一回り成長した後だからやね。相手にかたくなにヤメロヤメロと言うのではなく一旦情報集めに引くのも賢い。
・だけどあの…どうやって上に上がったんですか。登ろうとしたら撃ち殺されるんじゃなかったのか。先に錬金術でアメストリス側にこれから登るとメモでも渡せば(崖の土に運ばせる?)可能だろうけど、説明は欲しいよー。
・謎解きスタート。エドがちらっと見た地図を覚えてるのはグラちゃんの腹の中の話をリメイクしたんだろな。
・ヘルメットぴっちり姿のジュリアを下から見分けられるってアルってば何処見て判断したの?(笑)
・ヨキそっくりの少佐の罠に嵌る兄弟。アルが手首外すのは「なるほど!(ぽん)」と思ったけど、その時点で銃弾の雨が兄さんに当たらないのは厳しくないかい。主人公補正万能説。
・実はメルビンは偽物で、敵っぽかった女リーダーがいい人でした。これぞ真保さんのどんでん返し真骨頂。
・くそー真保さんならこれくらいやるって分かってたのにまんまと乗せられたよやられたよ!(苦笑)
・そしてこれやったのならあの覆面の人が…とぼんやり予想できてしまう悲しさ。
・まぁ予想できなかったらいざ登場した時に「お前誰だよ」ってなるから敢えて分かり易く匂わせてるんだろね。
・ジュリアえろいえろい! まさか鋼でぽろりかと焦った。良かった脇で。ジュリアのではなく、自分の脇を剥がす(見てるだけで痛いー!)偽メルビンは意外に紳士なのかドMなのかそうしなければならない理由があったのか。
・何これラピュタ?…と思ったら、血の錬成陣には落ちた人の血も含まれてる? 二人分じゃ足りないよね。
・ジュリアのは「星に飲まれちまう」ってより、「星を飲んじまう」だね★(笑)(笑ってる場合じゃない)
・どうにも賢者の石を飲む→人間ポンプなキンブリーとエドを思い出す。ジュリアの目まで変わったのは元々錬金術の発動条件がアメストリス式と違ったからか。あんまりエドの錬成と差があるように見えないのは本来の実力の差か。
・おーウィンリィ来た! よりによってこのタイミングかい! でもエド、いつ腕故障したんだ。見えなかった。
うわああああエドウィンおんぶ?密着来たーーーー!!(喜) 
・有難う有難う真保さん。正直ここまで分かり易いエドウィン見せてくれると思ってませんでした。真保さん作品にしたらこれでもかなりラブラブサービスな方ですよ。既婚実績万歳。例え無理矢理のウィンの出番でも嬉しい。
・マグマがボコボコ、手から雷だか氷だかえらい事になってます。ド派手錬金術戦なのに主人公が目立たない(笑)。
・マグマを正面から受け止めてもあんまり破けないジュリアの服……まぁアニメのお約束やね。DBみたいなもん。
・ちょおーい! アル、鎧の背でもマグマ受け止めるのは無理ーーーー!! 溶けるーーーーーーーー!!!
・ジュリアVS本物兄貴。この兄貴も偽物兄貴も賢者の石=力の魅力に溺れちゃったのかねぇ。
・ジュリアのイヤリングはあれ、どういう使い方だったんだろう。大きすぎる溢れる力をイヤリングの小さな飾り穴に集結させて倒したのか、思い出のイヤリングで動揺を誘ったのか、単に反射光で怯ませたのか。
・ジュリアの真理の扉は死にかけた兄を呼び戻した(完全に死んでなかった)から、完全に開く(真理を見る)前にバイバイしたという事なのか。……と後の大佐の説明でなんとなく思った。
・大佐ってジュリアの左足を焼いて塞いでたのね。足なくなってるのに爺さんが機械鎧持ってきて初めて気付いた。
・ジュリアの足を代価に、死にかけてる本物兄の魂を呼び戻したって事かねぇ。エドみたく。それまでのバトルで賢者の石を使い過ぎてて石だけじゃ足りなくなってたという事??
・消えたイヤリングと台座と黙ってまたクレタ軍に戻る本物兄。すんなりジュリアと和解するよりこれでいい。
・ってか、わざわざ谷まで降りてきて大佐の活躍ってマジでそれだけかい……マグマ相手じゃ焔は勝てないにしても哀れや。アホ少佐の始末やらこれからの警備やら仕事はあるんだろうけど、こりゃ大佐ファンは泣くわな。
・兄さんが空気読んだ! そんな気遣いできる子だったっけ…と一瞬思ったけど、エドは自分(とウィンリィ)の事に疎いだけでかなり繊細で鋭いんだよね。大佐に中尉の事言ったり、リンにランファンの事言ったり。ちゃんとエドだ。
・最後のジュリアとアルの会話好きだ。どっちも恋愛感情はなさそうだけどそれでいいよ。ジュリアの憑き物が落ちたような顔を見てアルは「綺麗になった」って言ったんだろう。
・これからも困難はあるだろうけど前を見て生きていく。それはジュリアもエルリック兄弟も同じ。
・行きのOPは明るめの曲調、帰りのEDは力強く。どっちも特に違和感はなかったかな。歌詞じっくり聴いたら分からんが。
・ブラマヨ? 全く分かりませんでしたっつーか忘れてた(笑)。気になるほど超棒読みはいなかったって事で良し。


 総評。面白かった!! 
私的には充分満足です。
真保さんを信じて良かった。
バトルはよく動いてるし音楽もいいしとにかくストーリーが作り込まれてるんだよね。長い物語を1本見終わった感じ。
真保さん原作を読み込んで読み込んで考えたのが分かる。それでこそ下調べの鬼・真保さん。
アクションも派手なので是非これは劇場で見て貰いたい。まさに劇場版鋼と言える作品だと思います。
予定なかったとしても2回3回と観に行きたくなる映画でした。
 ただ、上でちょこちょこ突っ込んだように説明不足な箇所が多々ある気がします。考えればなんとなーく予想はつくけど、そこも絵で見せてよ…みたいな。大人はともかく小学生には結構難しくないっすかこれ(苦笑)。
それも元々脚本に載ってなかったというより、時間足りなくて削ったんじゃないかって気配がちらほら……。
多分これ、真保さんが自ら書いた鋼小説で読んだ方が面白いです(爆)。それか修正前の初期脚本。映画には動きと音と迫力という利点があるけど、文章には細かい心理描写や説明入れられるからね。本気で発売求む。
 そして鋼のキャラ萌えありきの人には厳しいかもしれない。キャラデザ作画は上でも書きましたが、キャラ萌えも殆どないからね。ぶっちゃけ主人公ジュリアだからね(笑)。エルリック兄弟はサブ主人公。その他はおまけ。
大佐ですら、出てくる意味あるのか?くらいしか活躍しません。大佐中尉以外の軍部はほぼ空気でした。
 だけど映画の時期はここしか入れる場所がなくて。ホムクル話を進展させる訳にもいかなかくて。
原作も一期もFAも鋼を全く知らない人にも楽しんで貰える話にしなければならなかった。そういう厳しい条件で、既存キャラを多く活躍させるのはどうやったって無理な訳ですよ。既存キャラをギリギリまで絞る事によってキャラの性格を崩壊させる事もなく、オリジナルでアメストリスとは異なる文化を嵌め込んだミロスは頑張った方だと思いますよほんと。
血とか死とかどーんと重い話を必要あれば容赦なく突き付けるのも鋼っぽいしね。鬱でダークでグロいのが鋼という意味じゃなくて、作り込んだ設定と背景があっての死傷者だから意味がない訳じゃない。内戦であるイシュだってあれだけ死者出てるんだから、何百年も続く国境紛争絡みで死者全く出さない方が不自然なんだよなぁ。
 兄弟はこれからお父様に初対面して、北で国土錬成陣を知る。
これからが兄弟の本番だからこそ、ジュリアのラストシーンは支えになるんじゃないかなーと思えるラストでした。
 つーか、真保さん小説は「うわー明日から後始末大変なんだろうな、これからも生きるの大変なんだろうな…」と予想させつつ希望の見える結末が多いんです元々(笑)。完全ハッピーエンドじゃないのに後味が悪い訳じゃない。
寧ろ数々の困難を乗り越えて全力で42.195キロを走り切った後みたいに(走った事ないけど。笑)爽やか。明日から筋肉痛えらい事になるだろうとか、仕事休んだ分取り戻すのが大変だろうとか、現実的な事も見えるのもポイント。
このバランスが私のツボなんだよなぁ……。

(11.07.03.UP)




【吐き出し】※以下、各地でシャンバラの方が〜とミロスを叩いている人達への愚痴注意。毒満載。

…まー大量に沸いて出るだろうなとは思ってましたよ。
例えこれが牛さん原作のパーフェクトに素晴らしい映画だったとしても絶対難癖つけて来たでしょう。
ここで大人しくしてるような人達なら原作最終回やFAの時もあれだけ暴れたりしなかっただろうし。
だけど今回、あの人達が言ってる事があまりにもアホ矛盾しててねぇ……ただただミロスの評判下げようとしてるのが見え見えでねぇ……。思わず突っ込み入れずにいられなかったのでちょっと書き留めてみた。

・作画が残念! →だから最初からこういうキャラデザだっつーの。動く為の絵なんだよ。実際TVじゃ考えられないくらいめちゃめちゃ動いてるんだよ。絵柄が鋼っぽくないって言うなら、一期シャンバラの方が顔も体型もナヨッとしていて原作と全然違ったよね?

・錬金術の等価交換が! →映画なんだから全体的に派手にするのは当然。錬金術だけでなくエドのジャンプとか運動能力もFAよりアップしてます。メルビンやジュリアの錬金術はそもそもアメストリスと系統が違うと公式動画で発表されてる。そして「通常より1.5割増し威力の錬金術」の方が「草からパンを錬成」「完全に死んだ人間を生き返らせる事が可能で、術者は何故かアメストリスからドイツに飛ぶ」「何もない砂漠で噴水錬成」「自分の魂を分裂剥離させ、次元レベルで離れた場所の物体に複数乗り移らせて動かしたり喋ったりできる」「陣発動には処女の血が必要と自ら説明しつつ、何故かエドの血で発動する(処女…誰が…?)」「代価で払ったはずの4年分の記憶が何故か無償で戻る」超魔法より遥かにマシだと思うんですが、そこんとこどうなんですか(笑)。思い出補正の人達は都合の悪い事は綺麗に忘れてるんだろなー。

・グロい人死に多過ぎ! →シャンバラだけには言われたくない。公式でシャンバラの犠牲者(リオール・アメストリス軍)は6000人だか7000人だか発表されてた筈。それも、兄弟に会いたい→扉開こう→攻め込んできたという兄弟のエゴによる完全とばっちりです。数千人の犠牲者ってのもそれだけ規模がでかかったと言いたいだけで、ストーリー上必要なかった。ミロスの死者は「陣発動条件」として必要だった&その他含めて多くてもその10分の1くらいじゃね?
あと、グロさで言えば愛人と子供を置いて逃げたクズ親父が自己満足したいが為に息子の目の前でもう一人の息子にバキバキ噛み殺される方が余程エグイと思うんだけどねぇ。血どばどばも相当あったよ。普通の子供ならトラウマになるよ。一期エドは自らの手で人殺しても次の週にはけろっと忘れる図太さの持ち主だから平気でしたが。

・世界観が! →だから現実世界(笑)とリンクしてるのをry

・兄弟が成長してない! →いやいやここで明らかに成長させたらダメでしょ。本編の途中なんだから。それでも「賢者の石を作るのを認めない」と改めて断言させたり、原作兄弟の今までの成長を見せるのは上手かった。

 そりゃね。作画は動き重視とはいえ、好みの問題があるから文句言う人がいても仕方ない。私だって髪先はちゃんと尖ってる方が好きだよ。エルリック兄弟や他既存キャラがもっと活躍してくれれば良かったなーと思うよ。
ジブリだカリオストロだラピュタだと言われたら「そうだねー」と認めるよ。だってその通りだもの。
普通にミロスのここがダメだ、自分は好きになれなかったってのはいいんです。それくらいじゃキレません。
 だけどシャンバラ持ち上げる為にミロス叩くのは違うだろうと。今までシャンバラの超設定や魔法を指摘されたら「一期ファンにもシャンバラは賛否両論」と逃げてたくせに、どの面下げて「シャンバラ最高」と言えるのかと。
少なくとも、ストーリーはミロスの方が一期シャンバラの100倍「鋼の錬金術師」してた。多少の強引さや説明不足を入れても、実は牛さん脚本だったと言われたら納得できるくらい(原作もかなり補正あるからね)、違和感なかった。
本編の隙間の話として1本綺麗に成立していた。ホムンクルスやシン組が出なくても問題なかった。
私的にはFAであちこち散りばめられた余計なオリジナル要素よりもミロスの方がまだ鋼らしいとさえ思う。
結局のところ、今頃になってシャンバラシャンバラ煩い人達は水島版のようにキャラ改悪してストーリーと錬金術の法則無視してでも、男同士の過剰なイチャイチャ共依存が観たかっただけだろうと丸分かりで萎えます。
ミロスはエドウィンロイアイあったのにエドと大佐はちょーっと会話あっただけで空気だったからね。
大佐は退院直後でまともにバトルできる訳ないのに、活躍を期待する方が間違ってる。ここでバンバン動けるようならグラトニー戦で皆に足手纏いだの役立たずだの言われないっての。時系列くらい覚えてようぜ。
つーか原作はホモ描写皆無で最終回に結婚してるんだから、本編途中の話であるミロスで水島版みたいな展開なんて絶対あるはずないって普通の人は観る前から分かりそうなもんですけどね。アニメ誌に釣られて乙?

(11.07.06.UP)



【2回目観賞感想 その1】

 前日に一番くじで大物一通り当ててウハウハ状態のまま行って来ました舞台挨拶in大阪。
まだ11.5巻残ってた事に嬉しいやら複雑やら。とりあえず席は狙った訳でもなく最前列のド真ん中、朴さん達から10Mくらいのとこでした。すげぇ。B列だったんですが、こういう時のA列って空席なのね。ずらっと空いてる。
…関係者席か転売屋が売りそびれた席って事じゃないよね?(笑)(私の周りの席はオクに出されてたらしいから…)
何にせよ村田監督と朴さんとくぎゅがもう目の前で、遮る物も人もなくて、うおーって感じでした。
 朴さんおもろい人や……芸人魂というか。盛り上げようって頑張る頑張る。監督を弄る弄る。背も高くてかっこいいモデルさんみたいなのにね(笑)。くぎゅは素で天然っぽくて可愛い人でした。そりゃ男女両方のファンも多いわ。
村田監督って大阪出身なのねー。なんか一気に親近感が。本人仰るほど大阪弁ではない気がしたけど、それは私が生粋の大阪人じゃないからか。今日だけで映画館3つ廻るからもっとパパパッと挨拶終わらせて終わりかと思ったら、案外しっかりトークの時間取ってくれて良かったです。トークの詳しい内容はあんまり書いちゃうと今後の舞台挨拶(あるか分からんけど)に響くと怒られそうなので少しだけ。まぁ、それぞれいろんなインタビューで言われてるのとそう変わらないんじゃないかと。3人とも本当に鋼に魂込めてやってくれたんだなぁと。どMなんだなぁと(大笑)。
監督の話が一番ファン視点で分かり易いと思えたのは、実際に演じる声優さんとの視点の差なんだろね。
映画の前にあるバージョンの舞台挨拶だったので中身について突っ込んだトークはなかったけど、朴さんがスタッフロールの最後まで観て下さいって言ったのは納得。これについては本編感想で後述。
 大阪でアニメ漫画イベントや舞台挨拶やってくれる事は滅多にないので、間近でミロスを作った3人にお会いできたのは本当に嬉しかったです。監督もね。この前のミロス宣伝番組で真保さん達と出演されてたので「おお、TVで観たばかりの人!」みたいな(笑)。通常観賞よりも割高だったけど充分満足でしたv


 でもってパンフを漸くゲット。牛さんのダイジェスト漫画いいなぁ。今までよくやってたゲームの紹介漫画風…ちょうど11.5巻の続きみたいな感じか。この大きなサイズで牛さんの鋼が見れたってだけでほろり。
公式サイトの牛さんコメといいパンフのコメといい、牛さんお世辞抜きで本当にミロス楽しんで喜んでるようで何よりだ。
ストーリーの何処が良かったかは殆ど触れず、ちゃんとした漫画もエドウィン4コマ以外描かなかった某映画の時とは明らかにテンション違うよね。相変わらず分かり易いお方です(笑)。
 そして噂には聞いていましたがしっかり書いてありましたね、真保さんコメント。それも1ページ目に。
「スタッフの手による勝手な原作の改変はファンを怒らせるだけ」「私自身が『鋼』のファンであり、原作からの逸脱などは絶対に許してなるものか」って。
そのバトル気質も含めて 大 好 き です真保さん。
いっそ清々しいまでに思いっきり一期シャンバラに喧嘩売ってるよね! 同じボンズ制作なのにね!(大笑)
流石よく分かってらっしゃる。原作から逸脱するのは最大のタブーなんだよ。
一部のファンに媚びてストーリーどころかメインキャラの根本から変えちゃうなんて論外なんだよ。
アニメオリジナルストーリーと言えど絶対やっちゃいけない。よくぞ公式で言ってくれました。
…にしても「予想だけど真保さんは鋼好きそうだ、牛さんはホワイトアウト好きそうだ」って昔日記に書いた事がありましたが、やっぱり素で真保さんは鋼ファンだったかー。公式ハガレン呼びじゃなく「鋼」って呼んでるのがリアルだわ。
下調べの鬼・真保さんだけど、この細かい異常なまでのキャラに対する拘りは本当に原作鋼が好きでなきゃできない。
具体的にはまた本編感想で細かく書きますが、「仕事だから」以上の拘りが随所にあるんだよね。
なんつーか……私が鋼小話を書く時と話の作り方が似ているのよ。(グリリン話とか病院からの電話の奴ね)
 2時間映画と数ページの小説じゃ全然レベルが違うけど、原作の隙間話ってすっごい下調べして神経使うんです。
このシーンのすぐ後にあの台詞をエドが言うから、ここでは似た台詞を言わせないとか。原作でああいう行動を起こした裏にはこういう話があったと考えるのが順当だろうとか。絶対にキャラの性格や行動理念を崩さない、本編に対して矛盾を作らないという信念が先にあって、そこから話を作る。ミロスも同じ匂いを感じたんだよ。
 11.5巻のP対談でカリオストロをイメージしたと書かれてましたが、まさにそうなんだよね。
言わばジブリの世界にルパンが入ったのがカリオストロ(主役はクラリス)で、ジブリの世界にエルリック兄弟が入ったのがミロス(主役はジュリア)。鋼本編の世界じゃないけど、それでも「鋼」なんです。
本編と繋がってて、カリオストロでルパンが公国から去ったようにちゃんと本編に戻って来れるんです。
だからあのキャラデザ。敢えて今までの鋼っぽくない作画にしてるんです。そこまで計算されてる。
テーブルシティが西にあるのも、エドが最終回で西に行くからそう決めたと真保さんは明言されてました。西の国クレタとミロスに少し触れて文化の違いを見せておいて、本格的に西に行く事を楽しみに思えるエドに繋がる。
映画だから錬金術を派手に見せよう、映画だからこのキャラがこういう行動を起こしてもまだ納得できる、楽しんで観れるというギリギリのラインを保ちつつ、原作を尊重している気配がミロスからは漂っててとにかく嬉しかったです。
 水島版ではそれを1ミクロンも感じられなかった分、余計に。
異世界転送なんて太古から使い古された定番ネタですが、「何故その人が別世界から呼ばれたのか理由」があって「別世界を救って」「こっちに戻ってきて」こそ意味あるもんだからね。評価されるもんだからね。
水島版は勝手に行って双方に莫大な被害もたらすだけもたらして兄弟あっちに逃げたからね。こっち放置だからね。
「2年後の成長した兄弟が観れる!」が売り文句の続きは映画で商法で客を呼んだくせに、兄弟揃って精神的に全く成長してないどころか退化してたって何事。有り得ねぇ。キャラとしてもストーリーとしても。
 つーか異世界ネタ自体、素人でも思い付く厨二ネタなのに本編で終わらせずに映画まで引っ張って、最後はやっぱり全部ぶん投げってどんだけプロ意識ないんだよ。現に私も一期がリアルタイムで異世界に飛ぶ前に鋼で異世界ネタのフリーノベルゲー作って公開してます(まさか金貰ってるプロ集団であるアニメまでそのネタで来るとは思わなくて、当事驚き以上に失笑したよ)が、素人がタダで配布した話でさえ一応ちゃんと辻褄つけて纏められたというのに……。

 シャンバラの方がミロスよりいいって言い切る人達はまず、思い出補正だけに頼らずシャンバラのストーリーをノートに纏めて書き出して音読してみたらいいよ。それでも何故シャンバラがダメなのか理解できないのなら、原作鋼ファンを名乗らないで欲しい。あれは確実に「鋼じゃない何か」なのだから。


 ミロス本編感想。1回目で書きそびれた事、新たに気付いた事を主に箇条書きで。

・初っ端回想でジュリア家族がクレタに渡る時。父親がクレタ軍人に見せた本って「ミロスの錬金術書」だよね。そして開いてみせた本の中には夫妻が発見したか作った「鮮血の星」が隠されていたんじゃないかと思われます。それを見ていたからアシュレイがピンチの時、そこから取り出せて生き延びた。……初見では分かる訳ねぇええええ!!
・机に突っ伏して寝る兄さん。パンフでもよく見れば分かるけど思いっきりヨダレ垂らしてるんだよね(笑)。それも何カットも。初見の時はスクリーン真ん中より後ろの方だったから気付かなかったけど、最前列だと凄い分かり易かった。こんなに細かいとこまで作画凝ってるのに動画の一部だけ見て作画手抜きとか残念って言っちゃう人って……。
・メルビン…もとい偽アシュレイとの初バトルで兄さんちゃんと(?)右腕壊してました。雷受けてバチバチってなって右肩を左手で押さえてる。これはパンフの牛さん漫画でもしっかり描かれておりました。うーん。素直にパンフ買ってれば初見の時「え、いつ壊れてたの!?」って疑問に思わずに済んだのか……ちっ。
・汽車〜車上バトルは何度観てもすげーすげーとしか言えません。ぐるっと視点が汽車を周り込むんだもんなー。
・OP曲は……兄弟が新しい土地に行くイメージとしては軽快な曲で間違ってないんだけど、ミロスのストーリーは決して明るいもんじゃないって知ってから聴くと明る過ぎて微妙かもなぁ。寧ろ最終回で旅立つ兄弟向けじゃね?
・エドがやたら銀時計を出して偉そうに名乗るシーンが多いのは、元々権力利用したがりってのもあるけど(笑)「スカーおびきだす為に名前を売ってる時期」だからってのもあるんだぜ。鋼初見の人への自己紹介と兼用でもある。
・それでいてお決まりの「え、こっちが鋼の錬金術師?」「誰が豆つぶドチビかー!!」がないのは、この後本編で北に行った時にキンブリーにやられて「このやりとりが久しぶり」って言ってるから使えないんだよ。頻繁にやったらこのギャグも寒いだけだしね。テンポ切るしね。よーく分かっていらっしゃる。
・そんな中で、汽車の扉錬成にエドのセンスがちらりと見えて嬉しい。このバランスがいい。
・ヨキ似の少佐ソユーズの前髪くるん!もね。さり気ない最小限のギャグに乾杯。牛さん喜んだだろうなぁ。
・ウィンリィがエドを探しに司令部に来た時の会話もね。改めて順を追って考えると説明がつくと判明致しました。
 偽アシュレイと兄弟がセントラルでバトルったのは夜。お祭やっててエドの夕飯買ってきたばかりだから7時〜8時くらいか。翌日大佐と司令部で会ってるのは昼間。当然、兄弟は一旦その日はホテルに帰ってるのよ。そしてエドはウィンリィに会った時(寝る前に一言くらい声掛けるでしょ)、機械鎧が調子悪いと愚痴った。おそらく心配させまいと偽アシュレイと派手にバトルった事を隠して、ただの不調として。緊急を要するレベルではなく、本当に痺れる程度だったんでしょう。だからウィンリィは「明日整備する」と応えた。兄弟が憲兵に事情を説明し、図書館の荷物を片付けてからホテルに戻ったとするともう夜も遅かったから。エドもそれでいいと応えた。もしかしたらエドが先に「整備は明日でいい」って言ったのかもしれない。因みにエドがウィンに腕の不調を訴えたのが夜ではなく翌日の朝という線も考えましたが、それだったら話を聞いてその場ですぐにウィンが整備をしなかったのは不自然なんです。よって極めて可能性は低い。
 何にせよ翌日ウィンリィが整備しようとする前に、兄弟はウィンに黙って出掛けてしまった。何故なら司令部から車で迎えが来たから。偽アシュレイの目撃者として大佐に話して貰う為に中尉が手配したから。セントラルのホテルから司令部までいつも歩いて移動している筈の兄弟が、車の狭い後部座席から顔を出していたのはそういう流れがあったと予想されます。そして現場検証後、ジュリアと未知の錬金術の話を聞いた兄弟はそのままテーブルシティに向かった。許可証なんてエドならすぐ貰えるだろうに、その時間さえ惜しんで。大佐がエドの事を「ピンピンしてた」とウィンに言ったのは、エドが大佐に不調の事を言わなかった(本当に大きな不調ではなかった&下手に言ってテーブルシティに行くのを止められなくなかった)から。それと変にウィンリィを心配させて「私もテーブルシティに行く!」と言わせたくなかったから。だから中尉からの内緒話で列車事故を聞いた時、大佐は嫌そう〜な顔をしたんじゃないかと。案の定それを聞いたウィンが兄弟を心配して「私も行く!」ってなったしね。この後は「危険だからやめとけ!」「連れてって下さい!」の応酬とウィンに根負けした大佐、「教えて!ロイ教官」のようなやり取りがあったと考えれば……ね、繋がった!!
…………繋がったけど、これを初見で一瞬で判断できた人がいたら凄いかもしれん(苦笑)。真保さんの事だから行き当たりばったりではなく本当にこれくらいは考えて話を作っている筈なので、上映時間足りなかったから削られただろう多くのシーンが悔やまれるわ。


……2回目感想なのにあまりにも長くなったので分割。続きはまた後日……ごふっ。


(11.07.11.UP)



【2回目観賞感想 その2】

 本編続き。思い出すまま書いてるので、順番前後しててもスルーして下さい。
それと、考察っぽいものはあくまで「私はこう推理した・こう捉えた」ってだけで公式発表じゃないからね?
2回目視聴なのでそんなに外れてはいないと思うけど、あんまりこれが正しいと信じ過ぎないように!!(笑)
私はスタッフじゃないので公式で解説本やらインタビュー出た時に違っていても責任は取れません。そこんとこ宜しく。


・アームストロング少佐が登場したのって結局、セントラルの大佐の部屋だけだったね……。もうちょい活躍するかと思ったけど、最後の超錬金術バトルに少佐まで加わるとエドが霞むから(イシュ戦くらいでしか見せてないけど、地面から巨大な壁を錬成できるんだよ少佐。被らなそうで兄弟と得意分野が被る)、敢えてバトル不参加にしたんだろなぁ。
・少しのシーンでも、顔見知りのウィンリィを安心させようとウィンクする少佐の優しさに惚れる。ジブリでは結構馴染みのあるウィンクだけど(魔女宅でもあったね。笑)、スマートにこういう事しそうだ少佐。育ちのいい坊ちゃん。冒頭の方でメルビンの素性調査をしていたブレダ達も、目立たないながらちゃんと軍の仕事風景を入れてくれて良かった。
・そもそも国家錬金術師が何人もクレタ方面に向かうと軍上層部にいらん猜疑心を生んでしまうのよね。なので大佐はわざと少佐を残し、中尉とウィン(と少数の兵)だけを連れて極秘裏にテーブルシティに向かったと思われます。
・テーブルシティで逃げるジュリアを何度も何度もロープ寄越して助けようとするミランダ。これは彼女が実はいい人だったというより、ジュリアとミランダがそれだけ親密な関係だったという伏線だったのねー。
・アルがジュリアをお姫様だっこして坂を駆け下りるシーンは完全にカリオストロのオマージュだよね。いっそ潔い。
・人体錬成した事をアルが説明したシーン、FAからの使い回しじゃなく改めてミロスのキャラデザで描き起こしてるのが凄いぜスタッフ。手を抜かないなぁ。FAのあのシーンはエドの顔の主線が太過ぎて好きじゃないので嬉しい。
・偽アシュレイの過去回想説明もさり気なく伏線です。冒頭で吊るされた両親を発見したアシュレイからの視点と、ここで話した回想シーンでは立ち居地が違う。本物アシュレイは扉から見上げる視点だったのに対し、偽アシュレイ(両親を殺した真犯人)は奥の窓側からの見下ろす視点になってる。アニメで先週のラストシーンの引きと今週の冒頭シーンの違いみたいに演出としてわざとアングル変える場合もあるけど、これは明らかに狙ってますな。細かい。
・ジュリアと偽アシュレイの食事シーン。皿を1つ1つ横に退けたり、布を広げて畳んだり、地味だけど丁寧に丁寧に描写されてて好感持てます。ジュリアが回復医療系錬金術を使えるという事、それには自分の生命力を代価にしてるっぽい事、ジュリアの錬成陣の記号、偽アシュレイの錬成光は紫だけど回想の中で耳飾り(イヤリングやピアスよりも耳飾りの方がしっくり来るね)を錬成してくれた少年アシュレイの錬成光は緑、昔の事を語るジュリアに対してそっけない(知らないんだから当たり前)偽アシュレイ、それに対して少し寂しそうなジュリア……と伏線の宝庫でもある。すげぇ。
・ゴン爺さんって一見するとウィンを出す為に強引に作られたキャラっぽいけど、実は最後のジュリアの為ってのがメインだったんだよね。ちゃーんと部屋の壁に機械鎧の足がいくつもぶら下がってる。このうちの1つを彼女用に作り直したんだろう。いくらウィンでも準備も材料もなしにいきなり機械鎧作れないからね。無駄なキャラはいない有効活用。
・そういや各地の感想で知りましたが、ゴン爺のとこに居た「足に機械鎧を接続した男」と「ちょっと説明的な台詞を言ってた男」がブラマヨらしい。言われてみれば確かにこの二人だけ棒だった(笑)。まーこれくらいで済んで良かったよ。
・偽アシュレイを狙ってきた狼キメラが落盤からジュリアを守るシーン。初見の時は「え?そもそも誰を狙ってたんだこの狼?」って感じだったけど、最大の伏線でもあったんだよなぁ。本物アシュレイにしてみれば憎い敵である偽アシュレイがジュリアに近付くのは我慢ならんだろうて。狼を差し向けたのはクレタの仮面将軍だとここで強調してるのもミソ。
・但しジュリアにしてみれば分かり難い事この上ない愛情なので、この時点で気付けと言う方が無理だわな。
・地下水脈を泳ぐアルとジュリアの会話も、久しぶりに会えて嬉しい筈の兄としっくりいかなくて悩むジュリアを見せてるのが上手い。ジュリアを「赤の他人をあっさり兄だと信じたマヌケ」で終わらせない制作陣の気遣いやね。
・機械鎧は泳げないという設定を活かしてエドを助けに行くアルもね。単なるギャグや一部の方々を喜ばせようって意図じゃなく、自然なのがいい。汽車バトルで何の言葉もアイコンタクトもなく、エドを肩車してあげたアルもそう。
・原作アルならそれくらいやるだろうという匙加減がミロスは絶妙だと思います。エドもわざわざアルにお礼言わないんだよね。依存じゃなく、お互い当たり前に助け合う。別行動の時はちゃんと自分で考えて臨機応変に動ける。
この兄弟の関係が「鋼の錬金術師」なんだよ。男兄弟が必要以上に依存しイチャつくのはただの変態病気なんだよ。
・ジュリアとエドの衝突。エドは「賢者の石は他人の命だ。それを使って何かを成し遂げても後悔するぞ」ってのが基本姿勢。対してジュリア達は「命を犠牲にしても守りたいものがある。ミロスの未来の為には自分の命を差し出してもいい」が基本。……うん。凄い難しいね。原作本編では触れる事のなかった問題でもある。それは牛さんが面倒だから避けたというより、兄弟の対になる立場の人間…ジュリアのような人が身近にいなかったから。お父様の作戦が本格始動して、連載終了のタイムリミットが見えて、そこまで話を広げる時間的余裕もなかった。おそらくもう半年連載に余裕があればそれもやったんだろうけど、牛さんが敢えて切ったであろうテーマを突く真保さんパネェ。外伝映画だからできる技。
・ジュリアの「あなた達の国は強いから」って物凄く大きな台詞だ。エドとジュリアは同じ立場じゃない。エドはミロスの人々を迫害してきたアメストリス側の人間であって、本来なら彼女の倒すべき敵だ。エドにその自覚はなくとも、「上から目線で綺麗事を言うな」ってのがジュリア達の本音だろう。エルリック兄弟だってジュリアの想像以上に修羅場を潜ってきてる訳だし、今後もっと大変な事になるんだけど、そんなのこの時点では分からんしねぇ。
・上に戻った兄弟が谷底を見下ろしての台詞もそう考えると深い。兄弟も自分の意見を押し付けるだけじゃなく、ちゃんとジュリア達の境遇を噛み締めてるんだよなぁ。見て見ぬフリをしてる訳じゃない。だからなんとかしようと必死に動く。
・偽アシュレイの正体バレ。あの剣は手元のスイッチで管みたいに血液を噴出させる機能があるようだが、これ用に作ったんだろうか……返り血浴びたら何かと大変だから実戦には向かないよね。(激しくどうでもいい)
・ミランダさんの立派な乳がとても気になります。下からの角度にしても…ねぇ。(初見の時も書こうとして忘れてた)
・ぶわっと髪を逆立てて怒るジュリアはナウシカのオマージュ。まぁ分かり易いわな。
・牛さんも師匠物語でナウシカポーズの師匠やら本編で「ほら痛くない」なアルやら描いてるから無問題(笑)。
・各地の感想でよく「錬成陣の血が多過ぎ!変!」とミロスを叩く材料にされてましたが、偽アシュレイに直接殺された二人だけの血じゃないからねアレ。最初に殺された二人は錬成陣システムのスイッチみたいなもんで、その後アメストリス軍兵士が大量(シャンバラよりは少ないがな!!)に落とし穴に落とされて材料にされてるからね。どうやって人間から血液搾り取ったのかを直接見せないのは不親切というより倫理的問題からでしょう。何でも頭ごなしに叩く前に少しは洞察力と想像力を働かせようぜ。恥ずかしいから。ここの立体錬成陣のシーンはBGMも良くてぞくぞくした。
・エドが勘違いしてて私も初回は騙されましたが、鮮血の星≒賢者の石。錬成陣も違う。材料も違う。こっちは大量の血液(+それによって死んだ人の魂?)。よってそれを飲んだジュリアの変化も錬金術も賢者の石の場合と違ったでFA。
・クレタ流錬金術も鮮血の星使ったチートも映画だから派手に!!…で納得できるギリギリラインではあるわなー。
・まつげブワッなジュリアは………まぁこれも分かり易さ重視の範囲内。初見でGH美神を思い出したのは私だけか。
・鮮血の星が作られた部屋で偽アシュレイの攻撃からジュリアを庇って、ここで機械鎧を本格的に壊してたようです兄さん。肘とか手首じゃなく、セントラルの初戦時と同じ肩口に攻撃を受けてた(正面からと背後からの差はあるけど)。本編でもそうだったけど、つくづくエドって機械鎧の丈夫さに助けられてるよね……生身に攻撃受けてたら話終わるよ。
・これ以降ウィンに修理して貰うまで、ずっと右腕だらーんとなってて使ってないっぽい。
・そんなベストなタイミングで現れた専属整備師ウィンリィさん万歳。ご都合主義でもお約束でもいいよ映画だから。
・エドのコート着て走り抜けたジュリアに対し、ウィンがちょっと複雑な顔をしていたのは嫉妬も混じってる?
・大佐が一般人ウィンをここまで連れてくるか?って意見も分からんでもないけどね。逆にここまで連れてきたからこそ、中途半端な場所に置き去りにせずに身近に置くのが一番安全なんだよ。ソユーズ少佐がアテにならんってのは電話の時点で分かってたんだから。身近で守れる自信がなければそもそもウィンをテーブルシティに連れて来ないでしょ。
だけど実際に大佐ごと守ったのは中尉という(大笑)。リザさんの早撃ちシーン好きだ。かっこええ!
・「しっかりつかまってろよ!」「きゃーーーー!?」は何度観ても萌える。飛んだーー!!
・これもエドがウィンを危険な場所にryと言われるのも分からんでもないけどね。右腕が動かない、アルとジュリアがまだ苦戦している、腕を直す為の部品は下にある、だけどエドだけ降りて部品を調達してくるには専門家じゃないエドも制作者じゃないゴン爺さんも何が本当に必要か分からなくて無理…となると制作者ウィンが下に降りるしかない訳で。
・ウィンなら下は危険だと大佐達に止められても自分が行くと言うに決まってるでしょう(まさかあんな風に飛ぶとは想像してなかっただろうけどね)。エドもウィンを守れる自信があったから(スカー戦前だしな)、アルとジュリアと力を合わせれば必ずマグマを止められる自信があったから、ウィンを下に連れてったんだと思われます。ソユーズが大佐暗殺を企んだ以上、テーブルシティのアメストリス軍にウィンを預けて置いていく不安もあったかもしれない。
・つーか別にエドの腕を壊さなくても良かったんじゃね?そしたらウィンがここまで来る必要もなかったんじゃね?…って気もしないでもないけどね。そしたらゴン爺さんが霞むのよ。最後に締めで出てくる前にもう一度くらい機械鎧絡みで出さないと、最後が唐突になってしまう。ウィンの出演にも意味はあるんだよ。無駄はないんだよ。
・とまぁ理由は充分補足できる訳ですが、
映画版だからこそウィンリィもエドと一緒にアクションに混ざれたのが嬉しくて仕方ないってのが本音です(笑)。本編じゃ一緒に飛ぶなんて考えられなかったからねぇ。これぞ映画版の利点。原作を崩さず楽しめる絶妙なライン。ごちゃごちゃ深刻な会話を挟まず、ぽーんと飛ぶテンポの良さがいい。
・あとね。上で整備するだけして、エドが一人で行っちゃったら……シャンバラと微妙に重なるんだわ。ミロスはそれで終わらせず、ウィンリィもエドと一緒に行く。ウィンリィをしっかり本編のヒロイン扱いする。エドもウィンリィに直接感謝の言葉を言う。どこまでもシャンバラに喧嘩売る本当に観たかったものを見せてくれる真保さんが大好きだ。
・将来結婚するとはいえ必要以上にラブラブさせない、あくまで原作沿いな自然なエドウィンなのもツボ。
・因みにいきなり飛んでるように見せて、大佐達と会った時からエドは左肩にコウモリの羽を背負ってます。準備万端。
・アルの鎧が溶けるーーーーーーーーー!(汗)と初見で焦ったシーン。よく観ればアルはちゃんと背中の後ろに壁も錬成してました。おそらく後ろ向きにしゃがんだ状態で足元の壁を錬成し続けてるんだろうけど、マグマに押されてその壁がどんどん小さくなっていってるのが芸が細かい。鎧もあちこち焦げて(溶けて)るんだよね。
・マグマを止めるなら、さっき兄弟が泳いで渡った地下水脈の水を使ったら一発だったんじゃ?という感想を見て、私も最初「なるほどその手があったか!」と思ったんだけどね。地下水脈の正確な位置が分からないのが問題なのよね。谷底はテーブルシティを囲んでかーなり広いのに対し、あの水脈は谷底全部を覆うほどの広さはなかったように見えます。それでなくても落盤事故が多いと住人に説明されていて、地下にはミロスの民が通路として使ってる洞窟が張り巡らされているのに、上からボコボコ穴掘って水を探すのは危険っつーか無理があるんだよなぁ。
砂漠でいきなり水を掘り起こしたどっかのセンサー付き超魔法じゃあるまいし。おそらく、真保さんはそれも意識してネタ被らないようにしている。それやるくらいなら目に見える範囲で谷底の表面の岩盤を削った方がマシって判断なんだろうね。
・とまぁこれも辻褄は合わせられるんだけど、結局のところ「画面の派手さ」と「アメストリス側の壁を削ってミロスを救う」のがスタッフがやりたかった事だろうってのは私も分かってますよ(笑)。様式美でも、これまた「映画版だから」で納得できる範囲だって事ですな。ちゃんと自重で崩れないよう下に支柱作ってるしね。原作5巻の教訓は活かしてる。
・病み上がりながら地味〜〜に狼キメラ2匹を一人で黒コゲにしている大佐。マグマ相手に焔は無力な分、ここくらいはアップにしてあげても良かったんじゃね?…と特に大佐ファンじゃない私でも思わないでもない(笑)。
・真アシュレイVSエドはバトル途中でジュリアにバトンタッチしている訳ですが、戦いながらのエドの台詞もエドらしいし、ミロスの物語の肝がクライトン兄妹である以上、締めはジュリアで正解。いくら鋼の主人公がエルリック兄弟とはいえ、ここでエドが真アシュレイを倒しちゃったらジュリアが鮮血の星を飲んでまでやろうとした事が霞んでしまう。
・一応言っとくと、大佐が真アシュレイに直接攻撃するのもタブー。エドも本当は少佐相当だからかなりヤバイけど、国軍大佐がアメストリス軍服のままクレタの将校に直接攻撃なんて仕掛けたら全面戦争勃発どころじゃねぇ。大佐がここでバトル要因として活躍する為には、それこそ変装してこそこそ隠れながらじゃないとマズイっしょ。それ以前に退院直後でフラフラなんだから無理させようってのが大間違い。短時間の車移動でさえ痛みでお腹押さえてるのに、長時間の汽車移動がどんだけキツいかって話です。
大佐が活躍しないと喚く前に大佐の体労わってやれよ。
・皆を庇ってジュリアの服がボロボロになって「左脚」が太腿から丸出しになるのも、倫理に引っ掛かって直接足の傷口を描写できない分、少しでも分かり易くする為の苦肉の策だったんだろなぁ。
・真アシュレイに回復錬金術を使うジュリア。初回は見逃したけど、眩しい光の中でよーーーく目を凝らして観ればスクリーンの下の端っこギリギリの所でジュリアの左脚が消えていくのが見えてる……よね……? 要チェック。
・開かなかった真理の扉にはジュリアの布に描かれていた錬成陣と同じ、三角形の図形がある=ジュリアの真理の扉で間違いない。後で汽車の中で大佐とエドが明言してたけど、これは人体錬成じゃなくてあくまで「死にかけてるアシュレイの生命力を回復する」術なんだよね。だから扉は開かなかった。真理は見なかった。「死んだ人間は生き返らない」は鋼の鉄則。鮮血の星を使っても回復に足りなかった分を、ジュリアは自分の左脚で補った。
・大佐の「焼いて塞ぐ」でジュリアがえらい事になってるのはなんとなーく分かるけど、肝心の左脚をエドの身体で見えないようにしたのはなー…。グロさの問題なんだろうけど、もうちょい見せ方をなんとかする事はできなかったのか悔やまれる。エドか寝ているジュリアの位置をちょっとずらせばいいだけなので、DVDになった時に修正入るか?
・この映画で大佐の一番の活躍シーンはココと言っても過言じゃない訳ですが、谷底は病原菌うようよってエドが最初に来た時に言われてたので感染症を防ぐ為には物凄く重要な役割だったんだよね凄いよ大佐!!(フォロー)
・しかし大佐がもっともっと活躍するのはこの後だよね実際。国境の勢力変更って半端ないよ…マジ頑張れ大佐…!
・真アシュレイの顔の皮膚まで復活したのは生命力を回復したついでのラッキーみたいなもんか。それでも大ダメージを受けたアシュレイの片腕は壊死して最終的に切り落とすしかなかった、と。それぞれ肉体の一部を失った兄妹ってのもエルリック兄弟に引っ掛けたんだろね。エルリック兄弟はこれからも一緒に歩んで頑張れるけど、そうじゃない兄妹もいる。そこだけ見れば残酷な結末ではあるけど、アシュレイもジュリアも「鮮血の星」を使った自業自得でもある。ここでクライトン兄妹が何も失わずに完全ハッピーエンドなんて事にしたら、必死に止めようとしたエルリック兄弟の意味がなくなってしまうしね。これはこれで上手い結末だったと私は思います。
・病室で目覚めたジュリアが身体を起こしてすぐに左脚を撫でたシーン。ここも初見では素通りしちゃったけど、よく観れば深い。ジュリア、冷静なんだよね。全く動揺してない。自分の身体を代価にした自覚あったんだよなぁ。
・すぐに機械鎧手術なんてできる訳ない、リハビリなしで歩ける訳ない!…なんて意見もあちこちで見ましたが、ここも洞察力と頭を使おうぜ。ジュリアが眠ってる間に接続部の手術はできる。寧ろ傷口焼いただけで放置する訳がない。新しい機械鎧も、接続しただけで歩くのには全く使ってなかったでしょ。ジュリアが歩けたのは松葉杖のおかげです。
・エドはジュリアが鮮血の星(賢者の石)を使うのを最後まで認めなかった。だけどジュリア本人の頑張りは認めた。今はそれでいい。綺麗事だけじゃどうにもならない事があると知っただけでも、エドも成長したと思う。
・兄弟の「自分達が元の身体に戻る為には賢者の石を使わない」って考えは最後まで揺るがなかったけど、逆にそれは「元の身体に戻る為」でなければ使う可能性もあるという示唆でもあるのよね。ジュリアが自分の為ではなくミロスの民の為に使おうとしたように。ミロスの為に自らの命を喜んで差し出そうとした人がいたように。
・そしてエドはこの後本編でグラトニーの腹の中からリン達と共に脱出する為に賢者の石を使って中の人に「ありがとう」と感謝され、アルはプライドとキンブリーを倒す為に「皆と一緒に戦う」事になる。……真保さんの事だからこの辺も全部意識して繋がってるんだろなぁ。隙間話としての姿勢を崩さない、徹底した原作準拠・原作補完には頭が下がる。
・ジュリアもミロスの民もこれからが大変だろう。もしかしたらあっという間にまた領土を取られてしまうかもしれない。前より悲惨な事になるかもしれない。だけどそれはミロスの民の問題。兄弟が関わる事じゃない。責任を感じるべき事じゃない。兄弟にはもっと大きなやるべき事が待っている。関わった全ての責任を負うなんて事、カミサマでも無理だ。
・EDはラルクの曲に乗せてずーっと走る汽車。改めて聴くと、これから兄弟が本編に戻っていく…未来に向けて力強く走って行くって感じで合ってるなー。初回の時はスタッフロールを追うのに必死だったんだけど(FAと同じく下村さんがスーパーバイザーに入ってるのよね。もう編集長なのに、スクエニの本気を見た。ミロスのクオリティと原作準拠も納得)、何気にこの汽車と背景が凄過ぎる。ずーーーーっと背景繋がってるんだよ。超パノラマなんだよ。そしてスタッフロールも終わって、最後にぐるっと廻り込んで大画面に線路と朝日……なんだか泣きそうになりました。鳥肌立った。
舞台挨拶で朴さんが最後まで観て下さいって言ってた意味が分かったよ。こう、ぶわーーーーっとキタ。
兄弟の寄り道は本当に終わっちゃったんだ、これから本編に戻っていくんだ、みたいな。
最終回から1年過ぎて、それでも再び「鋼の錬金術師」に出会えた事に感謝と感動でいっぱいというか。
初回の時は興奮と頭の中でストーリーを整理するのに必死で、こんな余韻を噛み締める余裕なかったもんなぁ(苦笑)。
舞台挨拶抜きでも2回目観に行って良かったと心から思いました。


 伏線の山といい、ほんとミロスは何度も映画館の大画面で観てこそ真価を発揮すると思います。
1度目と2度目じゃ全然受け取れる情報量も違う。何度観てもアクションシーンに息を呑む。エドウィンに萌える(笑)。
どんなにネガキャンされようと、やっぱり私はミロスを高評価します。
本当にいい「劇場版 鋼の錬金術師」だった。これぞ正規の鋼アニメ外伝だった。有難うスタッフ。有難う牛さん。
 原作準拠と言えばミロスよりFAだろと言われるだろうけどね。確かにFAの本編ストーリーは漫画に添ってたけどね。
序盤の時間足りなくてのカットは仕方ないと諦めるにしても、中盤までエドの演技が一期を引き摺っていた事、銃をエドに突きつけるロゼというオリジナルを追加しておきながら再登場時は完全スルーのような連携の取れてなさ、全体を通してのホーエンの性格付けの不安定さ、エド→ウィンを削ってやたらウィン→エドを強調した事、原作より妙に兄弟のスキンシップが強調された事、DVD特典映像で監督脚本の独自ストーリーを入れたいが為に原作を改悪した事(ロイの士官学校時代のオリジナルエピは脚本の自己主張が強くて粗が目立ち過ぎる。ヒースクリフも分かり難い以前の問題。オリジナルを全く入れるなとは言わないが、それで原作を蔑ろにしてどうするよ)等、「…これって本当に原作を尊重してるの?」と首を傾げる箇所が度々あったので私はFAより断然ミロスの方を「鋼の錬金術師のアニメ」として推します。
個人的好みを抜いてストーリーのクオリティで言っても、原作>ミロス>>FA>>>>>>>>超えられない壁>>>>>>>シャンバラ>一期は揺るがない。

ともあれ
必死に粗探しするより楽しんだ者勝ちだぜイェア!!

 という事で私個人としては今後まだ映画館に数回足を運ぶ予定はありますが(何度も観に行く程映画に嵌ったの初めてだよ!)、特に大きな発見や言いたい事がない限り、一旦感想をここで終わらせるつもりです。
つーか考察伏線回収するの前提でぐわーっと全神経を集中させて映画を観るのではなく、いいかげん頭からっぽにしてジュース飲んでポップコーン食べながら呑気に楽しみたい……(爆)

ここまで読んでくれて有難うございました。お疲れ様!

(11.07.13.UP)



【DVDその他感想】

 お待たせしました、お久しぶりなミロス感想です。
結局5回劇場行って、兄さんねんぷち付きアニメスタイルとオフィシャルファンブック買って、限定版DVDゲットしたどー!!
牛さん描き下ろしBOXの兄弟いいなぁ。久々の兄さんにほろり。最終回寄りのイケメンだ。でもまだチビ(笑)。 
足元はテーブルシティの伝声管をイメージしてそうだねこれ。絵コンテ集は分厚いのが3冊もあってびびったわ。
ディスク2にもメイキングやら全ての予告バージョンやら「教えて!ロイ教官」やら盛り沢山でホクホクです。
後はシナリオブックか真保さん小説プリーズ。本気で待ってます。

 そんな訳でこれから呟くのは上で書きそびれていた感想、6回目DVD視聴で気付いた事思った事、キャスト編作画編音響編コメンタリーで知った事、色々なインタビューやメイキングでの情報……と全てが順不同で混ざります。
一応DVDはメモ取ってたけど、インタビュー記事なんて多過ぎてもうどこで読んだ話だか覚えてねぇ(苦笑)。
それでも全部の情報を網羅なんて出来ないし、特にコメンタリーについては是非現物を実際に観て貰いたいので資料としての正確さはあまり期待しないで下さいませ。ここでも私の独自推理解釈呟きも混じってるので注意。

とりあえずDVD限定版は買って損なし!!
(私の本編フィルムは微妙だったがな…メルビン…)


・最初のドォー…ンという重低音。ここは断然映画館の勝ちです。TV環境にもよるだろうけど、DVDではびっくりするくらい音が違う。ここだけで映画館で観て良かったと思いました。(結論早いよ)
・冒頭アバンの兄妹。ここは監督が話の最後までコンテ切ってからラストに描いたそうな。ストーリーを全部見据えてないと描けないヒント盛り沢山だしねぇ。谷底では虐げられていた兄妹がクレタではいい暮らしをしてる、と。
・コンテの切り始めはセントラルの祭から。爆破の火の粉が上からか下からか迷ったって…細けぇえええ!!
・メルビンのテーマは謎キャラっぽく他キャラに比べて和音が複雑らしい。へー。
・他にもミロスギターという架空の楽器を想定して作曲したそうな。TVアニメは何話分まで何曲作ってその中からBGMを選ぶけど、映画はそのシーンの為だけに曲を作る。今までの鋼作品よりは派手に、躍動感のある曲で。
・余談。音楽業界での「ダビング」は音を重ねる事だけど、TV映画での「ダビング」は音の最終調整の事。シーンごとにSE、台詞、どっちを強く出すかとかね。音響編も作画編も凄い勉強になります。実生活で活用はできないけど。
・この映画では線画映像に本物声優さんでない役者さんによる仮アフレコ→それに合わせて作曲もやってる。
・切り抜かれた新聞記事の原文はちゃんとスタッフが考えててソユーズがインタビューに応えたりしてる。それを英文に訳したのはアニプレの人。ボンズだけじゃなくそういう事までアニプレがやるとは知らんかった。
・OPは監督や作曲さんの想定より明るいのが上がってきたらしい。でもあれで逆に良かったよねーっと。鋼って重くて難しい話でもあるけど、基本的にキャラ全員前向きだからね。初めて行く西へのワクワク感がいい。
・OPでちょうどブレダが報告しているシーンに入る岩代さんのお名前。ご本人が突っ込み入れてましたが、その体型に合わせた訳ではないとの事。……そんなもん視聴者はわっかんねーよ!(笑)
・汽車でアルに肩車して貰う時のエドの手がいいんだよ!と言う作画さんに同感。この何気なさが兄弟。
・扉のセンスは朴さんも嬉しかった模様。
・質量保存がどうとかあちこちで言われてインタビューでも書かれてましたが、監督の「巨大な手も中が空洞なら可能なんだよね」との言葉は伊達じゃない。DVDで気付いたよ。汽車の屋根バトルで手をいっぱい錬成してるけど、砕けた時の金属音が鉄塊にしては凄い軽いんだよ。落ちる破片をよく見るとペラペラなんだよ。流石です。
・そもそも、メルビンの錬金術、ミロスの錬金術はアメストリスの錬金術とは原理も違う。だから派手でOK。
・テーブルシティでジュリアを助ける為に街中を走り回る兄弟。ここで伝声管をいっぱい見せて印象付けてる。塔は立体錬成陣の各ポイントにもなってるのね。大事な管は地中に隠れてるので、地上のは壊れても大丈夫との事。
・ジュリアはスーパーガールにならないように建物から降りるシーンも気を使ったらしい。加減が上手いよなぁ。
・作画さん曰くメルビンはああいうキャラだから冒頭以外はイケメンに描こうとしてない。酷っ!(大笑)
ミロスの谷のジュリア。言っちゃった!!…スタッフも普通にジブリ連呼してます。うん。仕方ないね。
・司令部にウィンリィを入れてあげたのは少佐。ウィンクしても少佐のきらーんを入れなかったのは良かったという話も出て、ほんと原作のギャグを入れるタイミングや空気を読んでくれてて嬉しい。
・アル回想の母錬成シーンがFAと違うのは気付いていたけど、敢えて原作コマに忠実な構図にしたとの事。
「荒川先生が世に出した最初のシーンだから」…うわあああ。マジ泣きしそう。この心意気に惚れる。
・上の感想で過去兄妹の視点が違うと書きましたが、それ以前に気絶する順番が違ったという。冒頭はアシュレイが先にやられてて、偽回想ではジュリアが先に気絶している。分かってて見るとすんげーバレバレだな。
・「昔の事なんか思い出したくもない」「そんな事もあったな…(目を逸らし)」何度見ても笑えて仕方ない。
・エドの「聞くんじゃなかったねぇ、まったく」とロープを切るシーン。当事のオフ会や絵茶で「あれ良かったよねー!」「そうそう!」って皆で盛り上がった覚えがありますが、牛さんと朴さんにも「エドらしい」って高評価だったらしい。そういう話を聞くとこっちまで嬉しくなります。本当に本当に、鋼を理解してくれて愛してくれて有難うミロススタッフ。
・ゴン爺さんの機械鎧は部品に木が混じってる。材料が少ない=全部鉄で作れないから。なるほど。
・あー。ジュリアが偽兄に回復使ったのは、最初に刑務所脱出する時の錬成陣描く為に指噛み千切った傷か。いつの傷かすぐにピンと来なかったのよね。監督によるとジュリアの術はミロスの錬金術であって、父母の術とも違うとの事。だから本物アシュレイの錬成光の緑とも微妙に色味が違う。ほんと細かいな!
・幼い兄妹のゴミ拾いが夜なのは、この家族が迫害されていたから(他の子は昼間にやってる)。耳飾りを錬成した場所=鮮血の星を掘り起こしていた掘削機の上=エルリック兄弟・ブライトン兄妹混在ラストバトルの舞台。
・耳飾り錬成シーンは最初の脚本にはなかったけど、真保さんの一番好きなシーン。そう言えるのも凄いよなぁ。
・汽車でのウィンリィの「5年前は私もエドもアルも子供だった」はジュリアの成長待ちの伏線なんだよね。大佐や中尉の5年前より説得力あるから。分かってると納得の台詞だけど、贔屓目に見ても初見ではちょい唐突感が(苦笑)。
・地下水路の青緑の光はそういう虫やコケが光ってる。これだけ深い地層だとそれくらい不思議ではないか。
・地底はずっとエコー加工かかって音響さんも大変だった様子。アルは更に鎧加工もあるしねぇ。
・火葬シーンの花は造花。谷底では草花育たないから。色味から生花ではないだろうと思ったけど、やっぱりかー。
・というかあれだけの薪集めるのも大変なんじゃどうやってげほごほ。
・偽アシュレイとジュリアの錬成陣は感情が高ぶると光る設定。だからジュリアからコピーする時も怒るようわざとけしかけてた。黒コウモリ達に説明した時もわざと高ぶらせてたのね。…まぁ、自分主役の演劇みたいなもんだしなぁ。興奮もするか(笑)。
・主人公には銃当たらない法則。お約束。
・ソユーズの手下の金髪グラサンごつい男は実は目が綺麗。コマ送りで確認すると分かるらしい。
・鋼アニメは目パチしない決まりがある。言われてみれば確かに。アルは口パクできないからその分身体を動かす。
・上の感想で突っ込んだ剣はラウルに作らせといたのを入る時に受け取った、と。それで自分が刺されちゃねぇ。
・ジュリアの服の脱がせ方、破き方は作画さん達で綿密にディスカッションされた模様。ごっつ楽しそうだ。くるくる。
・ここでもキービジュアルでも赤コートをジュリアに着せる際、エドとカップルに見えないよう気を付けたそうな。有難う有難う。おかげ様でこれっっっっぽっちもその心配はしておりませんでした。アルはいいの。天然タラシだから。
・朴さん「アルの褌でも良かった」
エロスの性なる星!!(爆笑)
・結局、鮮血の星と賢者の石は違うって話は監督の口から出なかった…よね?
・上で書いたように私の推理では≒だったんだけどね。ただ、完全に同じだとも言ってないのよね。やっぱり私はエドの知る「マルコーさん作:賢者の石」もしくは「お父様作:賢者の石(ホムンクルスの核含む)」と「鮮血の星」は微妙に違うと思います。そうでなければおかしい。錬成陣が違う。材料が違う(エドの知る方の材料は生きた人間の魂がメイン。血は殆ど必要としてない。鮮血の星は魂だけでなく血も多く使われてるからこそ、このネーミングだと思われる)。だから術増幅装置としての効果も微妙に違うんじゃないかと。ミロスの錬金術とアメストリスの錬金術が違うのと原理は同じ。
・カレーでもポークカレーとビーフカレーとシーフードドライカレーみたいなもん?(笑)
・ここら辺、もうちょっと詳しく話して欲しかった。脳内補完はできるけど、想像力のないアホは何処にでも湧くから。
・キャッチフレーズの「星に心を食われちまう」もねー。台詞のインパクトはあるけど、それはこの後の本編のリンやブラッドレイやホーエンハイムへの伏線なんだよなぁ。エドは頭がいいから「沢山の魂を無理矢理体内に取り込んだら、きっと自分の意思を食われてしまう。狂ってしまう」ってこの段階でも充分予測できるだろうけどね。ここでいきなり言っても原作未読者やお子様は「なんでそんな事を?」ってなっちゃっても仕方ないかも。原作の先を見据えて話を作ってくれるのは嬉しいけど、原作キャラを理解し過ぎってのも弊害があるもんだ。似た件で、後でまた突っ込みます。
・実際、本物アシュレイは星の副作用で復讐の鬼となって正常な感覚がなくなってると監督の言葉あり。
・そうでなくても、色んな事ができちゃうと人間っておかしくなっちゃうよねって話。うんうん。
・マグマを抑えるアルの鎧がところどころ黒いのはマグマが跳ねて穴が空いてるから。なんとなくコゲかと思ってたらもっとやばかった(汗)。アルとキメラのバトルシーン、作画さんに言われてスローで確認してみると本当にお腹カクカクしてたよ、ヒットした瞬間にガクッとパーツずれてお腹の空洞見えてるよ、凄ぇ!! こういう拘りいいわー。
・マグマのシーンは作画もBGMも全力ですよ。音作った時、絵がない状態だったのにばっちり。
・水際にじゅわーってマグマが到達するシーンは監督もご満足。…となると上で書いた、最終的に水で冷やして固めてマグマ噴出を止める案ってのは最初からなかったっぽい? 水は水としてそこにあっても焼け石に水って判断か。
・ジュリアの「大地の力を引き出す力」を見せなきゃだしねぇ。それと、兄弟とジュリアの別れシーンの足場作りも。
・思い出の掘削機がでかくなったり小さくなったり(笑)。こういう、状況に応じての表現はアニメの特権。ミロスの作画は下手に慣らさずにそれぞれの個性を残す方向だったらしい。相乗効果GJ。
絵コンテ集でキメラを倒した大佐の活躍頁に大きな×がついてて盛大に笑っ…泣いた。
・複数のインタビューで書かれてたけど大佐………怪我人だから仕方ないね。うん。
「真理は現実をぶっ壊す為の道具じゃない。新しい世界があるとしたら、真理の扉を開いた先にあるんじゃない。今お前が立ってる足元にあるんだよ!!」
「真理は現実をぶっ壊す為の道具じゃない。新しい世界があるとしたら、真理の扉を開いた先にあるんじゃない。今お前が立ってる足元にあるんだよ!!」大切な事なので2回略。ずっと書きたかったんだけど、記憶あやふやだったんでDVDでやっと正確なメモが取れました。
・何度でも言います大好きです真保さん。
「スタッフの手による勝手な原作の改変はファンを怒らせるだけ」「私自身が『鋼』のファンであり、原作からの逸脱などは絶対に許してなるものか」ですよねー。
・ジュリアとアシュレイのバトルシーンはBGMすっげ考えてるそうな。台詞やSEや心情がいっぱい入るから。
・勝利音楽は憂いを含んで。そうだよね。これからが大変だもんね。そういう当たり前の配慮が嬉しい。
・アシュレイがクレタに戻ったのは、クレタ側から谷を守る為。谷に残るよりもそっちの方が役立つから。
・耳飾りに力集結もジュリアの回復錬金術もほぼ私の推理通り。うっしゃ。公式で言われるとホッとします。
・赤い錬成光が途中から緑になったのは鮮血の星の力を使い切った→ジュリアのミロス錬金術(左足を代価)
・あれを「実は人体錬成だった」「分かっててエドと大佐は見逃した」とか深読みする人もちらっと見たけどね。そんな訳ないだろうがお前は鋼の何を読んでいたのかと小一時間。それでなくてもこのエドはママンもどきの墓を掘り返したばかりなのに、そんな話にしたら鋼の世界が根本的に覆るっての。「最終回でエドが左脚を真理君の所に残してきたのは、また人体錬成した時の為の保険!アルの為!」って説と同じくらいナンセンス。半分ネタと同じくらい心底呆れた。
・最後のエドと大佐の台詞もね。脚本上がってきたのをアフレコ現場で朴さんがダメ出しして直したとの事ですが、元の脚本を読まずにその一点だけで「脚本家は原作を理解してない!」とミロスを叩くのはナンセンスでしょ。
・少なくとも、これだけの脚本を書いた真保さんが原作を理解してないとは考えられない。既存キャラ一人ひとりの行動を見ても明らか。
正直、FAのどの脚本家よりも朴さんよりも仕事抜きの原作好き度では真保さんの方が上だと思う。
・ただ、さっきも少し書いたけど真保さんは「原作キャラを理解し過ぎている・最終回を知ってる」が故の弊害、同時にアニメとしてのハガレンのやり方に慣れてない事による違和感はあるかもしれないなぁと生温く思ったり。
・問題の台詞が大佐のラスト台詞の奴だとすると「失われた命は取り戻せない。その真理こそ我々に生きる意味と価値を教えてくれる」でしょうか。…………これ、エドが言ってもおかしくはないよ。エドも普通に言いそうだよ。
・但し、エドにそのまま言わせるのなら「ミロスの今」よりも「約束の日前後・最終回後」のエドの方が合うんだよね。エドはこれからまだ北での伸びしろがあるから、ここで達観させるのは少し勿体無い。それならキメラ戦での見せ場を削られた大佐に美味しい台詞を譲った方がいいという監督の判断もありかなーと予想。大佐は大佐で、エンヴィー戦で復讐鬼に堕ちかけたり中尉人質に取られたりするからね。人体錬成も他人事じゃない。将来の自分への伏線&兄弟を見守る大人として映画を〆るという意味で大佐に言わせたのだとすれば納得。………あくまで私の推測ですよ?
・うおー。EDで汽車が向かう最後の先がセントラル(中央司令部)なのは気付いてたけど、その途中に北の山(ブリッグズ)と牧場(荒川先生へのオマージュ:監督談)もあったのかーーー!! 細かい。
・鮮血の星飴は却下されたらしい。…材料がアレだしねぇ。公開まで「鮮血の星」ってワード自体NGだったしねぇ。
・その昔、某USJで売られていたお菓子は別世界の別物ですね完全になかった事になってますね分かります。
・黒ちゃんプロデューサー曰く「次作りたい」「作れたらいいなぁ」との事。本気で期待しとくよ待ってるよ!!
・ロイ教官シリーズも改めてでかいTVで観ると感慨深いわ。これぞ手の込んだ手抜き。フラッシュでよくぞここまで作ったよなぁ。このノリは完全にFAのDVDおまけ4コマ。ウィンリィ可愛い。

 ふー。コメンタリー・メイキング含めて一通りDVD観た後も、この感想纏めながら作業用BGMとして延々本編流していたらついついそっち観てしまって全然感想が進まなかったのもいい思い出。
結局DVDだけで何周しただろう……だが悔いなし!!
全体的な感想としては映画館で観た時から特に大きな追加はないし、イメージも評価も変わってません。
これで殆どインタビューも出揃ったっぽいし、今後ミロス感想が増える事はないかな。

だけど改めて。
ミロス大好きだ有難うーーーーーーーーーー!!!


 あ。小説本出たら感想増えますきっと(笑)。
ともあれここまで読んでくれた方、お疲れ様でした有難うございました!

(12.02.24.UP)