エドウィン初同衾(笑)。ポニーで寝るのは痛そうなのでウィンリィの髪は下ろしました。エドの方がでかく見えるのが心残り…つーか地面に直接寝てるのかよこいつら(汗)

「………………………くそっ」

押し殺した声が暗闇に響く。

そしてもう何度目か分からない溜息と舌打ち。

寝返りをうつ事もできず、無理な体勢を続けたせいで身体全体が痺れているような気がする。

すぐ隣でノンキな寝息を立てている奴にはオレの苦労なんか想像もつかないだろうが。



………………………………はぁ。

ほんと、バカみたいだオレ。



オレがこいつと一緒の毛布に包まっているのは単に道に迷って

野宿する羽目になって、毛布一枚じゃ寒くてどうしようもなくて、他にいい方法もなくて。

ウィンリィはオレが男だとか…そーゆー事、全然気にしてなくて。

オレ達は幼馴染みで、オレ達の間にヘンな事なんか起きる筈もなくて。

だからこそウィンリィもこうして熟睡している訳で。



………分かっちゃいるのに、眠れない。



ちょっと動けば触れてしまう距離。

同じ毛布の中で伝わる体温。

間近で聞こえる息遣い。

例え顔を背けていても、これで気にするなという方が無理な話だ。



「………ちっくしょー………」

オレばっかり意識しているようで、なんか物凄く悔しい。

つーか少しは緊張感を持てよオマエも。

これがオレだから良かったものの、

世の中には無防備な女をどうにかしてやろうなんて思う野郎はごまんといるんだぞ。



「……エド……」

「……………え?」

ふいに背後から聞こえた小さな声に、身体が強張る。



ウィンリィの奴、起きた…のか?

やましい事は何もないのに妙に焦ってしまうオレは、実は小心者なんだろうか。

しかしその後に続く言葉もなく、代わりに穏やかな寝息が聞こえるばかり。



寝言………だったのか?

ようやくその結論を導き出して肩の力が一気に抜けた。

ったく、つくづく人騒がせな奴だ。



それにしても。

オレの名前を寝言で呟くとは…いったいどんな夢を見てるんだこいつは。

状況が状況なだけに、これはかなり気恥ずかしいものがある。



「………エド……また牛乳残して……だからあんたは豆なのよ………!」



………………………。



オレはこめかみを引き攣らせて大きく溜息をつくと。

意地でも眠ってやるべく、

きつく目蓋を閉じてアタマの中で羊を数え始めたのだった────。







現在の羊は2389匹。

─────夜は、まだまだ長い。









ハイ。そのまんま、04年ガンガン4月号おまけドラマCDの幕間って感じで。
しかしやってくれたなスクエニ!!
あの後、きっとエドはこんな葛藤が…!!(はいはい)

ところで。
朝、見回りから戻ってきた時のアルの反応も密かに気になったのは私だけ?
こんなの見たら絶対からかいのネタになると思うんだけどなー。黒アル万歳。

(04.05.05.UP)