外は雨。
天からの恵みがシトシトと地上に降り注ぐその音と、
ぺらりと本のページをめくる乾いた音だけが部屋に響く。
「───ウィンリィ」
「………何?」
ふいに掛けられた声に顔を上げる。
一度本に没頭し始めたら平気で寝食を忘れるこの幼馴染みが、
自分から本を読むのを切り上げて声を掛けてくるのは珍しい。
いったい何事かと首を傾げながらそちらを振り向いて。
思いがけず間近にあったその顔に、あたしは目を瞬いた。
そしてゆっくりと近付いたエドの唇がそっと、あたしの唇に重ねられる。
時間にしたらほんの数秒なんだろうけど。
驚きのあまり突き飛ばす事も目を瞑る事もできないあたしにとって、
それは何時間にも感じられ。
「…………………」
「…………………」
静かに離れた唇の感覚に、まるで現実感がなくて。
「………………どういうつもり?」
「…………さあ、な」
よっ、と。
小さく呟きながら立ち上がるエドの顔は長い前髪に隠れて見えない。
───見る事が、できない。
「そろそろ夕飯だろ。先に下に行ってる」
そのままあたしに背を向け、扉へと進むエド。
「……………ずるい」
「そうだな」
まだ、言えない言葉。
言われても、受け入れられない言葉。
だけどこの気持ちを抑える事もできなくて。
ぱたん、と閉じられた扉に向けてあたしは思いっきりクッションを投げつけた。
今度は逆バージョンで不意打ち。
エドウィンで初ちゅー絵です。(いや、位置的にその寸前?直後?)
うわーなんかめちゃめちゃ恥ずかしい!(笑)
幻水のエロ絵(爆)よりも恥ずかしい気がするのは何故だろう。
やっぱキャラの性格と年齢が問題なんだろうか。
プチSSもいつもこれくらいの長さなら楽なんだけどねー。
エド←→ウィンリィ。互いを思いやるが故の、一方通行の両思い萌え。
(04.04.07.UP)