「…兄さん?」
「ああほら、これ」
「わあ!…良かった、生きてたんだねこの木」
「こいつには悪い事したよなぁ」
「本当にね。それでもこうやって新しい芽を出す根性は見習わなきゃ」
「だな」
「…………」
「…………」
「…………」
「……アル。いつかまた、ここに家を建ててもいいと思うか?」
「うん。その時はウィンリィとばっちゃんにも相談しないとね」
「いつまでも居候って訳にもいかねぇしなぁ」
「それもあるけど、もっと将来的にね」
「あ?」
「ロックベル家も古いし、家族だって増えるでしょ。作業場をどうするかとかの問題もあるし」
「………………」
「……否定はしないんだ、兄さん」
「お、おまえがとっぴょーしもない事を●△×■※□!!」
「はいはい、その時は僕にも相談してね。間違っても兄さんのセンスだけで決めないように」
「だからなんだその決定事項っぽい言い方!!!」



忘れられない日。忘れられない過去。
忘れてはならない、罪。

───だけどまた、新しい未来もここにある。










どんとふぉげっと10月3日。
毎年ぎりぎりになって思い出してはちょこっと申し訳程度にやる程度でしたが、
完全版も終わった今年くらいはがっつりそれっぽいのを描きたかったのですよ。
燃やしてる真っ最中ではなく、敢えて帰郷直後のパターンで兄弟二人で。
夏に帰郷してからの10月ならアルはもう松葉杖取れてる可能性も高いから、それより少し前かもしれない。
当然ながら元ネタは27巻(完全版18巻)のラストのおまけ漫画です。
燃えて黒ずんでた木の幹に新芽(新枝?)が2本、増えてたの最初気付かなくてね。
これ、兄さんが墓掘り起こしに来た時は絶対なかったよね。
新芽に気付いた時はマジで「うおおお」ってなった。
新しい2本ってのはアルとエド、更にはエドウィンベイビーズを暗示してるんだろなぁ。
ホーエンハイムとトリシャから、子供達へのバトンタッチ。
どこまでも余韻と萌えを残してくれる牛さんが大好きだー!

オールSAI描き。原寸・加工前の絵はピクシブに。全身背景あり絵はどうしても大きくなっていやん。


(12.10.03.UP)