更新日記 |
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13年4月30日(火) シュタゲPSPプレイなう。現在チャプター3です。………想像以上にだっっっるいな!!!(苦笑) アニメで分かってはいたんだ。本格的に面白くなるのは後半だって事も。だけど自分がオカリンになって「厨二病会話しかできない」って結構苦痛なのね…ひー。 厨二に耐えてもネット用語に抵抗あったら3時間くらいでギブアップする人も多いんじゃなかろうか。とてもじゃないけど一般人に勧められない。 でもアニメより科学的な説明は詳しいし、メールとかちょこちょこ小ネタあるのはいいね。アニメ視聴済みでも新しい発見あって楽しいのは楽しいですほんと。 てか、ここまでプレイしただけでもアニメがいかに上手く足し引きして脚本作ってたか分かるなぁ。スタッフに愛されるって大事。 どうせ複数回プレイ必須なのも分かってるので初回は攻略も一切見ずにまったりやるさー。 503用の色塗りまだ終わってないがな!!(殴) ※返し。ぱっちぱっち有難うですv ・28日22時拍手:こんばんはー。ご丁寧な感想有難うございます! 裏の感想も嬉しいです、やばそうな引用(…)はここで伏せますので無問題v 初っ端からドキッとしてくれたようで、よっしゃとガッツポーズです。たまにはね、兄さんにも男の色気をね(笑)。だけど乙女兄はうちの全エドウィンの中でも一番ヘタ…優しいので、ここまで来てもまだビビりなんですよねぇ。書いてきた文章量が半端ないので私が躊躇しちゃってるのもあるんだろうなぁ。あっさり行かせるのも勿体ないというか(酷)。対してウィンが漢前なのはいつも通りという。過去作と微妙に被ってる言動も多いんですが、もうこれがうちのデフォと開き直っております。原作ウィンからして文句なしの「いい女」ですしね。うん。エドウィンはギブアンドテイクあってこそだと思います。全てにおいて。どっちかに「してあげる」じゃなくて対等なのがいい。それは後編にも引き継がれるのでもう少しお待ちを〜。 ・Tワさん:お久しぶりです。はい、やっとここまで来ました。正直前作からこんなに間が開くとは思ってなかったのですが…胎括って書き始めたら早い早い。終わるのは私も寂しいけど、書きたい話はやっぱりさくさく進みますねぇ。上手く言えませんが、同じ「優しさ」でもこの兄さんは原作準拠兄とは書く為のスイッチも違う気がします。それだけ思い入れあるからか。このシリーズが終わったらおそらく原作準拠エドウィンばかりになると思いますが、この兄さんもそっちに融合させつつ、なかった事にはしないようにしたいです。これも1つの世界線(シュタゲ…)。もう暫くお付き合い下さいませv 13年4月27日(土) 地下室更新 という事で503前夜祭的に乙女兄の前編アップです。後編は503後にアップ予定。 昔は毎週1本くらいで更新してたのにこんだけストックあるのも久しぶりだ(笑)。 それはそうとシュタインズゲート映画行って来ましたよー!! 公式の予告観れば予想つくけど紛う事なくクリス主役だった。助手が可愛すぎてつらい。 でもオカリンもまゆしぃもダルも皆いい味出してて、会話が楽しくて、アニメの続編としてはかなり優秀だと思う。 89分という短さ以外は十分満足だわ。宮野さんの演技の凄さはアニメで分かってたけど、今井さんもこんなに演技力あったんだねぇ…。とりあえずアニメ好きだった人は劇場まで行って見る価値ありですよん。ハンカチタオル必須。 近かったらもう1、2回見に行ってもいいくらい…と思ってたんだけど、その分のお金でPSP版シュタゲ買ったどイェア! ……あ。今気付いたけど映画の入場特典貰えなかった……配布終わりだったのか、元からなかったのか?orz 映画ついでに大阪のシュタゲコラボカフェにも行って来ました。店内写真OKだったのでちょろっと紹介。
13年4月19日(金) 銀の匙7巻特装版届いたー。生徒手帳、いいね! 思ったよりずっと生徒手帳だった。懐かしい手触り。 内容も楽譜付きで校歌があったりかなり細かく校則や寮規則書かれてたりで無駄にすげぇ。その校則も堅苦しいようでさり気ない小ネタがあちこち散りばめられてて笑った。4月始まりの手帳としても使えるので(私は勿体なくて使えそうもないけど)、コミックスとセットでコスプレ小道具にもなって(笑)千円はお得かもしれん。 銀匙公式サイトでも生徒手帳のチラ見できる&校歌の公式動画が上がってるのでお勧めですよん。 本編は…リア充バカップルのニヤニヤっぷりと野球部の落差が…あああああ(涙)。単行本で纏めて読むと駒場の大人っぷりに脱帽。15〜16歳でなかなかああは言えんよ。最終回までになんらかの救いがあればいいなぁ。 そういや先週末に妹が甥っ子つれて里帰りしてたんですが、しっかり百姓貴族1、2巻と銀匙既刊全部読ませて布教しときましたv 5歳下の妹は鋼も読んだ事なくてアニメも全く見てない、同人なにそれのほぼ一般人なんだけど(大昔、金田一少年の事件簿やデスノートは集めてた)、百姓も銀匙も面白かったとかなり気に入った様子。やっぱ面白い漫画はオタじゃなくても面白いんだと実感したのでした。次は母に読ませるどー。 近況。503用は頁作り以外はほぼ完成。時間があれば1枚くらい絵も描くか考え中。 乙女兄小説は………前半はほぼ終了。後半に突入したものの、一向に先に進まずカタツムリ進行なのはどうしたもんか。 てか、増田からのプレゼント登場まででアル話の7割くらいの長さあるって何さ……これだからDTはー!(爆) ぱっちんぱっちん有難うー。 13年4月12日(金) 鋼の錬金術師のお部屋に鋼小話22 UP この日記のすぐ下にあるけど、まるっと鋼部屋に移動。結局本文は直しませんでした…考え過ぎて気力が尽きた。 例によって補足解説は付けたけどねー。本当は全く解説もいらないのが小説としては一番なんだろうけど、そこはもうこのスタイルが定着したのでしゃーない。 一人の視点だけじゃ書ける事に限度ある。原作補完話は特に「何故そういう行動をさせたのか、台詞を喋らせたのか」をはっきりさせたいと常々考えております。 で、今は503用と並行して次のSSもちびちびと書き始めました。ずばり、乙女兄の裏です。 …うん。忘れてた訳じゃないんだ。話の流れは決まってるんだ。ただ、これ書き終わっちゃうと私の中のエドウィンが一区切りついてしまうのが怖くてなかなかスタートできなくてねぇ。でもリアルも色々あっていつ書けなくなるかも分からなくて。書けるうちにいいかげん終わらせなきゃとようやっと胎くくったというか。503用の方で「原作完全準拠で必ず描くつもりだった話」も終わるので、そのまま勢いに乗ってやれる時にやっちゃおうかなー…とね。 とはいえ、乙女兄の方はまだまだ書き始めたばかりだからこの先何本になるか分からないし、本番の筈なのにまた前置きだけでえっらい長くなってるので(苦笑)この1本だけでもいつ完成するか分かりません。原作準拠の方も「必ず描く」ではないけど、余裕あれば描きたいネタはあるんだよなぁ。新たに思い付く可能性も高い。何にせよエドウィン脳内ストックが完全に枯渇する事は当分なさそうなのでご安心をば。 ※返し。ぱっちんぱっちん有難うー。 ・Mゃぷうさん:ええ、十二国きましたよーーーー!! 私もたまたま知ったんで、発売日忘れないようにメモしたのです(笑)。いやー長かった…短編だけど、外伝だけど、待ってて良かった。続編を何年も待てる好きな作品があるのは幸せな事だけど、やっぱり1〜2年に1冊は出して欲しいです主上。1日のアホ妄想エドにもコメ有難うございます。漢前ウィンに慣れ過ぎてしまった反動なのよきっと…現実には有り得ないって自分でも分かってるんだよ…(ほろり) 13年4月9日(木) 十二国記新刊「丕緒(ひしょ)の鳥」決定きてた────!! 去年から昔のシリーズが再刊行されてたのは知ってたんだけどね。いつまで経っても新作の話は来なかったのでいいかげん忘れそうになった頃に決定ですよ。しかも4月1日に発表って嘘だったらどうしようかと思った(苦笑)。 という事で新作原稿もアップ済み、7月1日発売!! 公式→ttp://www.shinchosha.co.jp/12kokuki/ 短編4本とな。そのうちの2本は雑誌買ってたんだけど、ちゃんと本になって良かった。書き下ろし楽しみだ。 ていうかここの公式読んでさっき知ったけど、新装された既刊って何気に挿絵ごっつ増えてたのね。うわー。 私の持ってる「魔性の子」なんて20年前の超初期のだから挿絵1枚もないよ。ホワイトハートの方も読み返し過ぎてヨレヨレだ。 時代を感じるのう……。でもまぁこれはこれで思い出深いので大事にしよう。うん。これらが本当に読めなくなるくらいボロボロになっても新しく買い換えられるのがあるっていいね。私は電子書籍には当分手を出さないだろうなぁ。 ※返し。ぱっちん有難うー。 ・Lプリコさん:お久しぶりです。えーと、前回のお返事ですが日本語の書き方がまずかったかもしれませんね。はっきり言います。リクエスト、お願いは誰だろうとどんなものだろうとお受けできません。どんな時も私ができるのは私のミスによるリンク切れ修正、誤字訂正だけです。それはメールでお願いされても変わりません。私は私のサイトでやりたい事をやりたい時にするだけです。試験頑張って下さいね。 13年4月4日(木) 1日は皆様、楽しまれたでしょうか。こういうのって毎年、ちょうどその頃に流行ったネタが分かるから何年か過ぎた後にじっくり見るのが一番楽しいんじゃないかと思うんだけどね。基本その日しか見れないのが勿体ないよなぁ。 かつてはミク一色になった年もありました。他に覚えてるのは節電とかいまいちさんとか。 今年は「いつやるか?」ネタがやたら多かった気がします。それと例のAAの奴。私、アレ本気で嫌いで見るだけでイラッとくるのでニコではNGワード常連ですが、それやってるんだと纏めサイトで分かった所は企業だろうと有名だろうと一切足を運んでおりません。というかネタでもそれをやる企業には今後も関わったり商品買ったりする気になれない。その程度のモラルの会社なんだろうとね。ぶっちゃけ閉鎖ネタや死亡ネタと同じくらい程度低いと思うんだがなぁアレ。まぁ、この日は色んな意味で程度が知れる怖い日でもあると同時にいい判断基準になる日だよね。私も気を付けねば。 あ、私がソレを嫌う理由は「差別するなんて酷い!」じゃなくて「自虐風自慢すんな目障りなんじゃボケ!露出狂かよ!一般的に受け入れられないと分かってる特殊性癖は大人しく隠れてろ!」ですv←色々思うところがあったらしい。 ※返し。ぱちぱち沢山有難うございましたv ・1日12時拍手:いらっしゃいませ。いつも来て下さってたのですね。うちのエドウィン好きと言ってくれて有難うです! ・1日21時拍手:ひとつひとつにコメント有難うございますv 妄想ウィンは妄想だからこそ思いっきりテンプレでやってみました。多分、本人はここまでツンデレじゃない(笑)。そしてこういう時だけエルリックテレパシー開通。…兄が単純なだけか。エドは思春期と結婚後でウィンに対して余裕かどうかは大きく変わりそうですが、根っこは変わらない気がします。成長するのは嬉しいけど、いつまでもムッツリ…もとい初心でいて欲しいですねぇ。エドウィン最高! ・Hげママさん:はっぴーエイプリルフール! って言い方はあまり馴染みがないですが、お祭りを楽しむ意味ではハロウィンと同じで合ってますねぇ。楽しまなきゃ損。TOP絵…うん、まぁ、思い付きというかネタ切れというか表なので文字だけで自粛しました。裏だったら兄さんもっと凄いのを略。でもあのウィン描きながら壇●の「いつもノーパンだけどプレゼント用パンツ持ち歩いていて、欲しがる男には一度その場で履いて脱いで渡す」という話を思い出したのは秘密(大笑)。不憫兄さんもねぇ…ウィンに恥らわれたらそれはそれでキツイと思うの。きっとこれもウィンの思いやりよ!(多分ただの慣れ) 物心ついた頃から家族扱いだから仕方ないやね。恋人同士になってもそこは変わらない気がします。アル話にもコメ有難うございました。アルもエドと違うベクトルで弱音を吐かないタイプだけど、たまには愚痴らせてあげたいなぁとね。ばっちゃんやウィンだと身内過ぎるのでフュリーに白羽の矢が立ちました。フュリーとアルって鋼界の癒しコンビだと勝手に思ってます(笑)。春コミはオンリーがあってエドウィン界も盛り上がったようで何より。オフは私ももう参加する事はないと思うので、地道にオンだけでもちびちび続けられたらなぁ…と思ってます。まずは目の前の503!どんとふぉげっとは兄弟メインだしシリアスでやり難いのもあってすぐ忘れてしまうので(汗)、せめて503だけでもエドウィンで甘いの…を…?(疑問形かい)珍しく余裕もって始めましたが結構時間かかりそうなので頑張りますっ。 ・Yカさん:お忙しいところ、ご丁寧に有難うです。また余裕ある時に語って下さると嬉しいですv …兄さんの妄想はエロゲの挿絵みたいなつもりでごっつ楽しんで描きました(爆)。 ・3日23時拍手:ウィン崩し、再度のチャレンジ有難うございます! やー…言われて私も思い出してちょっとやってみましたが、30分やっても全くクリアできませんでした。ていうかXPパソコンで作った時は画面普通だったのに窓7が悪いのかJAVAがおかしいのか新パソで見ると画像が変…ぎゃー!! プレイはできるけど横と下に白い空白ラインができてて何がなんだか。私だけなんだろうか…それとも窓7の人は皆こう見えてるのかしら。実物は無意味な空白なんてないのよー(涙)。しかし自分で作っておいて何ですが、ほんとに難しいですねこれ。私的には貫通弾使うと変に残っちゃうのでそれはなるべく使わないようにして、プレイ開始時は右端下から上に向けて玉が行くようにして上部と真ん中辺りで自動でガガガッと削ってくれるようにするのが一番成功率高い気がします。…分かっててもそう上手くはいかないんですが。ウィンはナイスバディですよねぇ。本気で羨ましいけど、その分描いてて楽しい〜。滅茶苦茶細い訳でもなく爆乳でもなく、牛さんの描かれる女の子のむっちり加減が凄い好きなのでなるべく近づけたいと常々思っております。エドは色気がないとは言えなくなったら、ひたすら無言になりそうだ…このヘタレムッツリめ! 13年4月1日(月) 鋼の錬金術師のお部屋に鋼ラクガキ106 UP という事でちょっとフライングしつつさくっと通常更新です。これなら後で直す必要もないから。 さっき思い付きで急遽やったアホなTOPは明日には前のに戻しますよ! さてこれから風呂入って出たらネットうろうろするどー。それでも重い人気企業サイトを後回しにしてたりしたら毎年いっぱい見落とすんだけどね。 今年は窓7になったしメモリも4倍になったから少しはマシに見れるかしら……あんまり変わらんか。 ともあれ纏めブログさん頑張ってー。(他力本願) ぱっちんぱっちん有難うー。 13年3月28日(木) うっしゃー。5月更新分の下描きでけた! アル話で鋼脳に戻ってたせいか、思ったより一気に描けたなぁ。ネタを温存し過ぎて一刻も早く脳内からアウトプットしたかっただけとも言うか。 珍しく背景も人物も描き込んであるので、仮に清書が間に合わなかったとしてもお蔵入りになる事だけはない筈です。ふう。 4月更新分のはまだ完成してないがな!! まぁ、それは5月のに比べたら全然大したもんじゃないし8割方終わってるので焦る必要もないんだけどねー。 今となってはサイト改装するほどの時間も気力もネタもないし閉鎖ネタだけはやりたくないし。 それよりその日は1年に1度のお祭りなので余所様(特に企業)徘徊を今から凄い楽しみにしています。 毎年言ってるような気がするけど、皆様も思いっきりその日を楽しんで欲しいのですよ……こんな時世だからこそ、それくらい楽しめる心の余裕を持ちたい。 それすら楽しめない寂しい人間になりたくない。 当日ググれば纏めサイトはいくらでも出てくると思うので、レッツネット徘徊! ぱっちぱっち有難うー。 13年3月22日(金) 銀匙7巻、限定版情報出たー。4月18日発売です。公式→ ttp://ginsaji-blog.com/?eid=22 エゾノー生徒手帳…4月始まりのスケジュール帳らしいね。スケジュール帳だけなら使わないだろうし買おうか悩むところだけど、 描き下ろしや小ネタも入ってるとの噂なので多分買います。今月末まで有効の通販ポイントあるしね。 何気に限定銀メッキのスプーン、5本持ってるんだけどね…これも使ってないんだけどね…。 箱から出してコーヒー用に使ってた1本、引っ越しのどさくさで行方不明になっちゃったのが悔やまれる。捨ててはいない筈なんだよ。どこにあるんだー!(涙) ※返し。ぱっちんぱっちん有難うー。日記小話読んでくれた方かな? ・Mゃぷうさん:お久しぶりです。それだコール、有難うございます(笑)。やー…ずっと書きたかったんですよアルの気持ち。 兄弟愛や守って貰った感謝ってのもあるけど、それだけじゃないだろうなと。で、私が辿り着いたのがアレでした。だけど素直に言うのも複雑っつーか腹立つから色々微妙なのですよ。こんな長台詞、漫画じゃ絶対できない(デスノより密度濃くなりそう)からやるなら小説でってのは決めてました。文章ってお得。フュリーに彼女いないってのも勝手な予想ですが、あれだけバタバタしてたら彼女作ってる暇もなかろうて。それでもマスタン組の中では一番最初に彼女できそうです。妨害に負けず頑張れフュリー!(他人事)…ところでMゃぷうさんの描かれたアル漫画、支部に置かれる予定はございませんか…?(にこ) ・22日10時拍手:いらっしゃいませ。今またアニマックスでやってたとは知りませんでした。嵌ってくれて何よりv うちの絵や世界観を褒めてくれて嬉しいです。二次創作も原作あってこそなので、別人別世界にはなるべくしたくないのですよ。原作への敬意は何よりも大事。 楽しんで貰えたなら良かったです。アニメ、確かにエドよりアルの方がカッコイイですよね!(笑) ていうか原作でも純粋なバトルシーンや啖呵切るシーンはアルの方が見せ場多い気が……エドがまともに勝った回数って負け回数より少な略。兄ちゃん……(ほろり) 13年3月17日(日) 日記に小話↓UP 【きょうだい】 (うーん……どうしよう) 中央病院のとある病室の前で、ケイン・フュリーは手に提げた紙袋を見下ろして途方に暮れた。 こちら方面に来る用事があったので様子見に寄ったのはいいが、この二人部屋の利用者のうち一人は本日外出許可が出て外出中。そしてもう一人の利用者は就寝中だと、先程廊下ですれ違った看護師に聞いたばかりなのだ。 実際、扉の前まで来ても室内で人が動いたり話したりしている気配はない。 どちらか片方だけでも話ができればいいかと約束もせずに軽い気持ちで来てしまったのだが、相手がぐっすり眠っているとなれば無断で部屋に入って荷物だけ枕元に置いて帰るというのも憚れた。 軍の中でも若造の部類に入るフュリーより彼らは更に年下だし、それなりに親しく話す間柄ではあるからそれを実行したところで怒ったりはしないだろうが、何事にも礼儀というものはある。眠っている入院患者を起こすのは論外だ。 かといっていつ外出先から戻ってくるか分からない一人を外でぼーっと待つのもどうかという気がする。 (やっぱり、受付にお願いしてお見舞いだけ預かって貰って出直した方がいいかな) そう自分の中で結論付け、くるりと踵を返そうとして。 「……誰? 御用ならどうぞ」 部屋の中から響いた声にフュリーは息を呑んだ。 声変わり前の少年特有の少しトーンが高い声。確かに聞き覚えのある声だけど、それでも明らかに以前とは雰囲気が違う。──金属の鎧によって覆われたくぐもった声ではなく、よく通る澄んだ声だ。 「──アルフォンス君? 起きてたのかい?」 声に誘われるままガチャリとドアノブを回して病室に足を踏み入れると、薄いカーテン越しの夕陽で紅く染まった室内に溶け込むように鎮座するベッドが2台、目に飛び込んできた。 廊下側、手前のベッドは空。看護師がベッドメイキングしたのだろう白いシーツと毛布は丁寧に畳まれている。 その隣には分厚い本が山のように積まれたサイドテーブルがあって、奥の窓際のベッドには金髪の小柄な少年が横たわったままこちらを見て微笑んでいた。 彼の兄を通して顔見知りになってからもう4年になるが、最後に会った半年前とは大きく異なるその姿。 そういえば最後に彼と会ったのもこの病院だったっけ、とフュリーは今更ながら思い出した。 入院中のハボックの見舞いとしてここを訪れた少年は鎧の腕やら顎やらが洒落にならないくらいボロボロで、病院の廊下を一緒に歩いていたフュリーも注目の的になってしまったものだ。 今度は見舞いでなく少年自身が入院してしまった訳だが、たった半年前の事が随分遠い昔のように思えた。 「フュリー曹長。お久しぶりです」 「あー起きなくていいから! 無理しないで!」 よっこいしょとベッドから上半身を起こそうとする少年を慌てて制し、ベッド脇に駆け寄る。 少年──アルフォンス・エルリックは小さく笑うと、自分で枕を背もたれのように後ろに移動させてベッドに深く腰掛ける形で座り、大きく息を吐いた。 その頬はげっそりと痩せこけ、病衣から見える白い腕は棒のようにガリガリだが、短く切った金髪の下で金色に輝く目には明るい生気が宿っている。顔色も悪くない。 半年前エルリック兄弟がセントラルを離れて北に向かい、フュリーも南に飛ばされ、つい先週の「約束の日」に再びセントラルに兄弟とマスタング組が集結してから色々あって軍も引っくり返って。 また上司となる事が決定した男から大まかな経緯は聞いていたものの、約束の日当日含め事後処理でバタバタして今までエルリック兄弟の顔を見る事すらできなかったフュリーだが、思っていた以上に元気そうな少年の様子にほっと胸を撫で下ろす。先週までの彼の身体を考えると、入院しているという事実そのものが嬉しいというのも珍しい話だ。 「ちょっとくらいなら平気ですよ。ボクの意思とは別に身体は睡眠と休息を欲しがってるみたいで、うっかりすると1日中眠っちゃうんですけどね」 「そうなんだ……もしかしなくても眠ってるのを起こしちゃった? 悪い事したなあ」 「ああそれは曹長のせいじゃないです。どっちにせよもうそろそろ目が覚める頃合いだったし、気配がね」 「気配?」 「えーと、人のいる空気を感じるというか。前にメイ…シンの錬丹術師の娘に錬丹術を教わった事があるんですけどね。シンでは龍脈と呼ばれる、自然や人の中に流れる気の力を全身で感じ取るんです。教わった時ボクは鎧の身体だったせいか、どうしてもその感覚が掴めなかった。──だけどやっと生身の肉体を取り戻して。今まで閉ざされてた分、反動で全身の感覚が前より鋭くなったっぽいんですよ。…いやそれだけじゃないかな。鎧の間は臭いや痛みを感じる事ができなくて物音や視界だけが頼りだったから、そっちに意識を集中するのが癖になっちゃってて。だから生身に戻っても、無意識に全身をセンサーみたいに極限まで張り巡らせてしまうみたいなんです。戦場で修羅場を潜った人が殺気を感じ取るって話は聞くけど、それよりもっと自然な感じ…ハインケルさん達みたいな野性の勘が強くなってるって言った方が近いかな。それで扉の前に曹長がいたのもなんとなく分かったんです。ウトウトしてたら看護師さん達みたいに通り過ぎないで立ち止まる気配があったから、ボクに用があるんじゃないかって」 「なるほど、それは凄いなぁ。あ、でもそれって眠ってても全然落ち着かないって事じゃ…」 「そうなんですよねぇ。多分、肉体が馴染むまでの過剰反応みたいなものでそのうち気にならなくなるとは思うんですけどね。流石に兄さんや看護師さんがその辺りをうろうろするのはここ数日で慣れてきたんで、極力気にしないようにしています。落ち着かなくても本当に眠たい時は眠気に勝てないしね。せっかくなのでこの感覚を覚えておいて次に活かせればいいなって」 「次?」 「ええ。──具体的な方法は考え中だけど、改めてちゃんと錬丹術の勉強をしたいなって。リハビリもあるし、まだ当分先の話になりそうですが」 「そうかぁ……うん。君達の人生はまだこれからなんだから、どんどん新しい事にチャレンジするのはいい事だと思うよ。頑張って」 「はい。有難うございます」 にっこりと笑う少年の声は、未来への希望に満ち溢れていて。 少年の兄より優しげな顔立ちの中、金の瞳には兄とそっくりな確かな力があって。 幼くして母を失い、禁忌に触れた彼らがその報いを受けてからここに辿り着くまでどれだけの苦労があっただろう。辛酸を嘗めただろう。錬金術師ではないフュリーにはエルリック兄弟が何をどうやったのかもよく分からないというのが正直なところだが、それでも彼らがとてつもない事をやり遂げたという事は知っている。 最後まで諦めなかった彼らは本来の身体を取り戻すのと同時に、ホムンクルスに牛耳られていたアメストリス国をも救ったのだ。 「ほんっっとうに良かった、アルフォンス君〜〜〜〜」 「わわっ、泣かないで下さい曹長! ほんともう大丈夫ですから! そうだ、軍服って事はお仕事中なんですよね。そちらの方こそお時間大丈夫なんですか?」 「ご、ごめんつい……ああ、今は移動と休憩時間も兼ねてるから少しくらいなら平気なんだ。アルフォンス君だけでも会えて良かったよ」 感極まって涙目になったフュリーだが、アルフォンスに促されて本来の目的を思い出す。 「そうだった。これ、ゼリーなんだけどこれくらいならアルフォンス君も食べられるかと思って。二人でどうぞ」 「わあ、有難うございます! そろそろ病院食も飽きてきたので嬉しいです。兄さんも喜びます」 差し出した紙袋を両手で受け取ったアルフォンスが幼い子供のように目を輝かせる。 どんなにしっかりしていても、こういう表情は年相応で微笑ましい。 「この辺りのお店は僕もあんまり知らないんで、味は保証できないのが申し訳ないんだけどね」 「サウスパーク通りのマチルダカフェのフルーツゼリーですね。食べてみたかったんです、嬉しいなぁ」 「アルフォンス君、知ってたの?」 東部から中央に移動してすぐ南方勤務になった為にセントラルに詳しくなる暇がなかったフュリーだが、エルリック兄弟がセントラルに滞在した期間は彼らが旅に出てからの全てを合わせても更に短い。せいぜい数週間分あるかないかだろう。それにしたってのんびり菓子店を探索したりするような余裕が彼らにあったとは思えない。 病院に来る途中たまたま目に入った店で購入した訳だが、紙袋のロゴを見ただけで所在地まで当てた情報通っぷりに驚くフュリーに少年が頷く。 「2年前から1年半くらい前かな……雑誌の特集で紹介されてたんです。このお店の記事は2つ読みました。こう見えてボク、美味しいと評判のお店とかデートスポットとか結構詳しいんですよ。何しろ、時間だけはたっぷりあったから」 「え?」 「ホテルには大抵新聞と一緒に娯楽雑誌や地方の情報誌が置いてあるから。朝まで時間を潰すのにちょうどいいので、片っ端から読み漁ったんです。逆に言うと、それくらいしかやる事なかったんですけどね」 「あ…そうか、睡眠…」 「ええ。眠れないからって何もしないでいると、悪い事ばかり考えてしまう。それなら少しでも面白く思える事を詰め込む方が気が楽だったんです。こういう情報だって知ってて損はないですから。最初のうちはその時間を元に戻る方法の研究や賢者の石の手掛かりを探す事に使おうとしたけど、それもすぐに止めました。そういうのは兄さんと一緒に昼間にしようって」 「…うん。なんとなく分かるよ」 ここまで聞けば、フュリーにも想像はつく。 眠る事のできない弟が夜通し研究しているのに、自分だけ休むという事態にあの少年は納得しないだろう。 この場合、弟の実力を信頼してないとか任せられないとかそういう問題ではないのだ。 エドワードならばアルフォンスの目を盗んで己の睡眠時間を削ってでも研究に明け暮れようとしたに違いない。 それがアルフォンスにとって喜ばしい筈もなく、おそらく度重なる協議の結果、エドワードが就寝中はアルフォンスも研究を休む事にしたのだろう。 かといって店も全て閉まっている夜中に大きな鎧が一人で外をフラフラ出歩いても不審者として通報されかねない。 だから兄の睡眠の邪魔にならないよう、部屋で静かに雑誌類を読む事に落ち着いたといったところか。 「そういえばエドワード君、外出中なんだよね。何処に行ったか知ってる? 図書館とか?」 ベッド脇に腕を伸ばしてサイドテーブルに積まれた本の位置を軽く直し。 開いたスペースに紙袋を丁寧に置くアルフォンスを手伝いながら問うと、少年は目を細めて窓の方を見やった。 いつの間にか夕焼け空もだいぶ色褪せている。もう数分もしないうちに完全に日は落ちるだろう。 「そろそろ電気点けようか」「お願いします」との遣り取りを経て壁のスイッチを入れると、紅く染まっていた室内が一気に蛍光灯の光で白くなってここが病室なのだと改めて認識させられる。 「昨日外出許可を貰ったのはボクも聞いてたけど、眠ってる間に出たみたいで行先までは知らないです。図書館は…読みたい本や生活必需品はブロッシュ軍曹が届けてくれるので急ぐ必要はないし、ボクに行先を告げない理由はない。それでこの時間まで帰ってないとなると…」 「となると?」 「ヒューズさんの、お墓だと思います。セントラル墓地。あくまでボクの予想だけど、まず間違いないんじゃないかな」 ほんの少し声を落として答えるアルフォンスに、フュリーの方が息を呑む。 マース・ヒューズ准将。彼の人とエルリック兄弟の繋がりをフュリーも知っている。知っているからこそ、無責任な事は言えない。咄嗟に反応できず固まってしまったフュリーに、アルフォンスは困ったように眉尻を下げた。 「すみません、曹長を困らせるつもりはないんです。その、気にしないで下さい…ってのも変か。そうじゃなくて…」 「ああ、うん、僕の方こそ上手く言えなくてごめん……君達の方が辛いだろうに」 「そんな…どっちが辛いとかないです。ええと、そうですね、もし良かったら少しボクの独り言を聞いてくれませんか?」 「独り言?」 「予想の整理と、愚痴と、ボク自身の心の整理を兼ねて。ちょっと、誰かに聞いて貰いたい気分なんです。本当は地面に穴掘って叫べばいいんだろうけど、生憎まだ穴掘るまでの体力は回復してないので」 せっかく兄さんがいないチャンスだし、と悪戯っ子のように口角を上げるアルフォンス。 重くなりかけた空気を和ませようという少年の気遣いに、フュリーは有難く乗る事にした。 国家錬金術師の兄に負けず劣らず頭が回り、大人顔負けの度胸も実力もある少年の本音に多少興味もある。 「了解。たまには吐き出したいだけ吐き出したらいい。それくらいは僕でも役に立てるから」 「有難うございます。じゃあ、お言葉に甘えて。────兄さんの、バカたれ!!」 ベッドに座ったまま背筋を伸ばし、一呼吸して。 少年の口からゆっくりと紡ぎ出されたのは、ある意味予想通りでもある言葉。 張り上げるような大声ではないものの、なまじ笑顔で声に重みがある分、病明けとは思えない凄みがある。 「大体さ、兄さんは兄貴面し過ぎるんだよ。たった1年早く生まれただけでどんだけ兄が偉いんだよ。喧嘩じゃボクに勝った事ないくせに笑っちゃうね」 「………………」 いきなり核心である。先に独り言と宣言しただけあって、容赦ない。 瞬間湯沸かし器なエドワードと違って温厚で礼儀正しい少年だと軍の中でも認識されているアルフォンスだが、気の置けない相手…特に実の兄に対しては結構きつい毒舌も吐くのだ。 それはフュリーも何度となく現場に居合わせた事があるので知っていたが、彼がここまではっきり口にするのを見たのは初めてかもしれない。 こちらの反応を待つでもなく、少年は更に続けた。 「今日だってどうせ、退院後にボクと一緒に行くより一足先にヒューズさんに謝っておこうとか何とか思ったんだろうけどさ。リゼンブールに帰るのはボクの退院待ちしてるくせに、それってやっぱりボクより兄さんの方が責任が重いって考えてるって事なんだよね。グレイシアさん家に説明に行った時も最初兄さん一人で行って責められようとしてたし、その後だって独断で母さん…ではなかった生き物のお墓を掘り起こしたり、あげく自分の真理の扉をあっさりボクの肉体と引き換えに差し出して、おまけに自分だけ自戒とか言って左足置いてきちゃって、ほんっと何度ボクも同罪だと言えば分かるんだよあのドMバカ兄は─────!!!」 「あ、アルフォンス君落ち着いて! 息上がってる!」 ガトリングガンのように一気に捲し立て、ふー……と大きく息を吐くアルフォンス。 ハラハラするフュリーに目線だけで問題ないと伝えると、3回ほど深呼吸して少年は苦笑を浮かべた。 「………なんて言っても、これだけ長く一緒にいると兄さんの考えもそこそこ分かっちゃうから嫌なんだよなぁ。弟に弱みは見せたくない。心配を掛けたくない。辛い事は自分が矢面に立てばいい。だから可能な限り一人で抱え込む。 今でこそ前よりはボクに打ち明けてくれて大人にも頼るようになったし、そうやって守る者がいる事で力が湧くってのもあるんだろうけどさ。なんかもう、母さんを錬成しようって言い出した方とか家長としていいカッコしたいとかじゃなくてそれが素で当たり前になっちゃってるんだよなぁ。 ───あの時は扉とボクの肉体を引き換えにするのが最善且つ唯一の方法だった。錬金術師が真理の扉を失うって事は鳥が空を飛べなくなるのに等しいのに、兄さんは笑ってボクを迎えにきた。もっと言えば…帰り道を考えなくていいのなら、例えば死に掛けてたのがウィンリィやばっちゃんだとしても兄さんは迷わず自分の扉を差し出した筈だ。 もしボクが兄さんの立場で、それしか方法がなかったらボクも同じ事をしたとは思う。錬金術と大切な人の命、どっちが大切かなんて考えるまでもない。それでも多分………その方法に気付いて決断するまでの時間は兄さんより0.5秒は遅くなる。そこがボクと兄さんの差なんだよね」 ウィンリィ、ばっちゃんとはエルリック兄弟の幼馴染の少女とその祖母ピナコ・ロックベルの事だろう。 兄弟と一緒にセントラルに滞在していたポニーテールの少女にフュリーもちらりと会って挨拶した事があるが、明るく可愛らしい娘だった覚えがある。 エドワードの機械鎧整備師でもある彼女らは肉親の縁薄い兄弟にとって家族も同然の存在だという。 無意識なのか。膝に掛けた毛布を両手でぎゅっと握り締め、天井を見上げてアルフォンスは続けた。 「本当は左足だって取り戻せた筈なんだ。ウィンリィが嘆くからなんて尤もらしく惚気てたけど、ウィンリィだって兄さんの手足が完全に戻るならその方が喜ぶに決まってるんだよ。だけど兄さんはボクの分の自戒もひっくるめて左足をあっちに置いてきた。…なんだろう。それが兄弟の1年の違いなのかな。それとも持って生まれた資質かな。喧嘩っ早くてトラブルメーカーで一緒にいると苦労が絶えないのに、やっぱり兄さんには敵わないって思い知るんだよなぁ。 迷っても躓いても兄さんがボクを引っ張ってくれたから、ボクも最後まで諦めずに信じる事ができた。大好きな人達を守る為に闘う事ができた。もし兄さんに『ごめんなさい』とか『ボクのせいで』とか言ったら殴られるだろうから言わないけど、本当に感謝してるんだ。───あの人が兄で良かった」 「以上。独り言終わり!」と区切りを付けるように少年の声が放たれる。 姿勢を正してこちらに向き直ったアルフォンスの顔は穏やかで、何かを吹っ切ったかのように清々しい。 フュリーは漸くひとつ、腑に落ちたような気がした。 「ああそうか。アルフォンス君はエドワード君を尊敬してるんだね」 「兄さんには内緒ですよ。調子に乗らせるのも癪だから」 憎まれ口を叩きながらも、フュリーの言葉を否定はしない。 この年頃の子供が年の近い同性の子供を全面的に信頼し、尊敬するのは案外難しい。どうしても自分と比較して嫉妬してしまうからだ。兄弟でも友人でも、それが身近な存在であればあるほど内心の評価は辛くなる。勉強やスポーツなど得意分野が重なれば尚の事だ。 同じ錬金術師として冷静に分析し、その上で兄を尊敬できるアルフォンスの器も相当大きいと言えるだろう。 捻くれてるようで真っ直ぐで。素直なようで素直じゃなくて。そしてとても賢く、誰よりも優しい。 ベッドの上で微笑む少年の顔に、三つ編みの少年の勝気な表情が重なった。 「───君達はよく似ていると思うよ。多分、君達が自分で考えている以上に」 それが共に苦難を乗り越えてきた兄弟の絆というものなのか。おそらく共通遺伝子の為せる技だけではあるまい。 思わずしみじみと呟いたフュリーに、アルフォンスはあからさまに眉を顰めた。腕を組み、なんとも複雑そうに苦笑する。 「それって褒め言葉なのか微妙だなぁ。後先考えず行動するな、もうちょっとボクに頼れって腹立たしくも思う事も多いんですけどね。あと、恋愛面では兄さんと同じレベルになりたくないかな。兄さんの場合、あれだけバレバレなのに誤魔化せてると思う方がおかしい。ボクへの罪悪感とヘタレは別物だ」 「はは…厳しいね」 「そりゃあ、早々に吹っ切ったとはいえ初恋の女の子を嬉し泣き以外で泣かせたくないですからね。恋じゃなくなっても彼女は一番大切な女の子で家族なんです。だけど誰がどう見ても両想いで、おそらく本人達もぼんやり気付いてはいるのに気付かない振り…って傍で見てる方がもどかしいったらないですよ。その要因の1つが自分となれば余計に。 これでやっと遠慮するなって背中を突き飛ばせるようになった訳だけど、兄さんの事だからまだ暫く時間掛かりそうなのがなぁ……ほんっとデリカシーないくせに無駄に律儀だから」 座ったまま伸びをしながら「あーボクも可愛い彼女欲しいー!」とぼやくアルフォンスの声は話の内容に反して明るい。 これまでの話から察するに初恋の女の子とは幼馴染の少女の事なのだろうが、強がりではなく本当に兄を応援しているように見えた。ずっと傍で見てきて、兄と幼馴染どちらも大切だからこそ二人に幸せになって貰いたいという気持ちは分からなくもない。 身体を取り戻す旅が終わってやっと彼らも年相応の恋話ができるようになったのだと思うと感慨深く微笑ましいが、フュリーとてその方面は決して百戦錬磨ではないので少年に的確なアドバイスもできないのが悲しいところだ。 ……というかマスタング隊にいる限り、少年達よりもいい歳をした大人達の方が彼女を作るのが厳しいのではなかろうか。東部務めの頃からハボックの辿った道を思い出すに、大佐の呪いなのか男連中は総じて女運が逃げて行ってる気がしてならない。有能な上司の下で働けるのは光栄だが、彼が女神を射止めない限り下っ端に幸せは来ないのだとすると……ちょっと本気で泣ける。 「曹長? どうかしました?」 「あ…いや、なんでもないよ、あははは…」 不穏な予感が顔に出ていたのか、少年が特別鋭いのか。 きょとんとこちらを見上げるアルフォンスにぎこちない笑みを返したところで、壁に掛かった時計の針がだいぶ進んでいた事に気付いた。カーテンの隙間から見える窓の外もすっかり暗くなり、道沿いに設置されたガス塔の明かりがぽつぽつと自己主張を始めている。 「ってごめんアルフォンス君、休んでいたところ随分長居しちゃったね。そろそろ僕も帰らないと」 「ああ、こちらこそ引き止めちゃってすみません。聞いて貰えてすっきりしました」 「それなら良かった。じゃあ、エドワード君にもよろしくね。お大事に」 「はい。ゼリーも有難うございました。夕食後、兄さんと一緒に戴きます」 どうせ今日も残業だろうと分かってはいるが、中央司令部への帰りがあまり遅くなるのも好ましくない。 脱走兵として処罰を受けてもおかしくなかったのを辛うじて回避できたのと引き換えに、やる事はいくらでもあるのだ。 勤勉に頑張っていればいつか自分にも自分に相応しい女神が微笑んでくれる……と信じよう。 諦めず信じる事が大切だと。そうすればどんな困難も乗り越えられると、目の前の少年が証明してくれたではないか。 気持ちを切り替え、会釈する少年に軽く手を振って病室の扉を出ようとしたところでフュリーは大切な事を思い出して振り返った。 「そうだ言い忘れてたよ。今度また、皆一緒にマスタング大佐の下で東方司令部勤務になったんだ。当分移動はないだろうから、退院したらまたあっちに顔を見せにおいで。───君達ならいつでも歓迎するよ。皆もきっと喜ぶと思う」 先程のアルフォンスの話にも出てきたが、エドワードが錬金術を使えなくなった件は大佐も知っている。 元々賢者の石の手掛かりを探す為に軍の狗と呼ばれる覚悟で国家錬金術師の資格を取得したらしいが、石を探す必要もなくなった今、エドワードが軍に残る理由はない。そうでなくても人柱選出が目的であった国家錬金術師制度は今後大きく変わっていくだろうというのが新上層部の見解だ。 錬金術がなくてもエドワードの知識や度胸は充分活用できるし本人が辞めたいと言わない限りなんらかの形で軍に残る事もできるだろうが、まだ年若い少年は軍を離れて改めて生きる道を探す事もできる。 寧ろ少年の性格的にその方が自然かもしれない。 それでも。フュリー個人としてはこれでエルリック兄弟との付き合いは完全にお終い、はいサヨウナラ…というのはあまりにも寂しいと思う。 ホムンクルスとの戦いにおいて重要な役割を担っただけでなく、軍隊という荒みがちな世界の中で眩しい理想を掲げる少年達の姿は一筋の光であり、癒しでもあった。危なっかしいがほっとけない。彼らが頑張るのなら大人はもっと頑張ろう。それは兄弟に関わった多くの大人達の共通認識だったように思える。 例えエドワードが軍属でなくなっても、この縁を失いたくはない。友人として彼らの力になれるならなりたい。この兄弟はそう思わせるだけの人物だった。 「…有難うございます。じゃあ、今度伺った時には東方司令部名物のまずいコーヒー奢って下さい。一度飲んでみたかったんです」 「うん、それくらい何杯でも。色々近況報告してくれると嬉しいよ」 「勿論。兄さんの恋の進展も報告しますね。皆さんにはとっっってもお世話になりましたから」 「それは楽しみだなぁ」 ふわりと笑うアルフォンスに釣られてフュリーの顔も緩む。聡明な少年はこちらの意図などお見通しなのだろう。 ホークアイ中尉の腕をもって淹れてもまずいと評判の安物のコーヒーは、マスタング隊にとって東方司令部における思い出の1つだ。査定やら何やらで東方司令部を訪れていたエドワードもたまに飲んでは微妙な顔をしていたのをアルフォンスも覚えていたらしい。中央に移動になってからあの味もすっかりご無沙汰していたが、初心な少年の恋話に花を咲かせながら飲むコーヒーは2割増しで美味く感じるに違いない。嬉々としてその談笑に参加してきそうな上司や同僚、それに対して顔を真っ赤にして暴れる少年の姿が容易に想像できる。 ……吹っ切っても応援していても。信じていても。 可愛い娘と既に両想いの少年をからかって遊ぶくらいは許されるだろう。 そうして確かな共感を胸に、少年達との再会を願ってフュリーは病室を退出した。 面会時間も終わって人も少なくなった建物を一歩外に出ると、まだ少し寒さの残る春の夜風が頬を撫でる。 ───頑張ろう。少年達に負けてはいられない。 通信機くらいしか得意分野のない自分にできる事は本当にちっぽけだけど、彼らと一緒に守ったこの国とこの国の人々を次の世代に渡すまで。 その為に自分はこの道を選び、残るのだから。 命を預けてついていこうと思える上司と頼もしい同僚に巡り合えたのだから。 問題は多々あれど、尊敬できる人物が身近に何人もいるというのはかなり幸せな事なのかもしれない。 「…あのゼリーのお店、まだ開いてるかな」 偶然見つけたとはいえアルフォンスのお墨付きの店だ。 自分も小腹が空いてきたし、今頃司令部でデスクに噛り付いてるだろう仲間達に差し入れするのも悪くない。 一番星が瞬くセントラルの夜空の下、壮大な目標の前にまずはささやかな目的を果たすべくフュリーは走り出したのだった。 お待たせしました。構想約1年…やっとアル話(主人公はフュリーだけど)完成です。新パソのメモ帳で延々書いてたはいいが、あまりに長くなってタグ打ちする気力なくなったので前パソのビルダー引っ張り出しちゃったよ。ふう。 今回、補足というほどの補足はないんですが前のエド話の対になってるので敢えてホーエンハイムには触れていません。そこを考えるのはリゼンブールに帰ってからで良かろうて。あと、フュリーとウィンは原作本編では直接会ってないんですがミロスやら暁やらを考えると全く会ってない方が不自然かなーと。エドがリゼンブールから帰ってくるまでの間、アルと一緒に司令部に行ってそうでもあるし。憲兵に保護されてた時とかもね。そうでなくてもヒューズやアームストロング少佐やブロッシュによってウィンの噂は広まりまくってると思われます(笑)。その他裏設定はまた鋼部屋収納時に。 では次のブツに取り掛からねばー。 ぱっちん有難うー。 13年3月6日(水) うおー。アキも八軒も、そして駒場も超頑張れ。銀匙本編がじわじわとキます。 生死を賭けたバトルのようなドキドキじゃないけど、嫌ってくらいリアルなだけに胸に痛い。 しかし八軒は随分成長したなぁ。ヘタレのくせに今週のは反則だろあれ。アキじゃなくても惚れるわ。 さり気なくごく自然にやってのける辺り、「生かす手だ」の時のエドを思い出した。 ちくしょーリア充爆発…するな!! 書き途中で暫く止まっていたアル小話、ようやっとまた軌道に乗り出しました。 それにしても長い〜。まだまだ終わらない〜。中尉とエド話より短くなると思ってたのに、同じかもっと長くなりそう。 何が原因かって、本編に対する予想補足がエド以上に多過ぎるんだよ。鎧から生身の肉体へって半端な変化じゃないよスルーできないよ(苦笑)。 本当はもっといっぱい医学的に補足したいんだけど、本題と関係ないとこで生々しくするのもいやんだしあんまり適当な事書けないし…という加減が難しい。何よりそこ詳しくやり出したら全然先に進まねー! でもまぁ本当に書きたいのは肉体よりも黒アル様の内面なので、どうにか折り合い付けつつもう少し頑張ります。 マジで直し出したらキリないので、1〜2週間…遅くても今月中には一旦完成させてここにこっそりアップするよ。完成後の本気の直し(どうにもならなくてそのままの可能性もあるけど)は後書き解説付きでその一ヶ月後にしよう。うん。 つーかいいかげんこの話終わらせて次やりたいのですよ。珍しく今年の四月馬鹿と503は既にネタ決まってるので、早いとこ手を付けねば間に合わない…時間と気力と集中力プリーズ!! ※返し。ぱっちぱっち有難うー。 ・Yカさん:反応有難うございますv そういやひなまつりでしたね更新日。春ならそれっぽい絵にする手もあったんだろうけど、ひなまつり絵とかどのジャンルでも描いた事ないので全く念頭にありませんでした(笑)。思春期エドに平常心こつんは無理ですよねぇ。逆にぜんっぜん恋愛意識せず息をするように頭突きとかハグとかやってのけそうでもあるのが天然夫婦の怖いところ。でもやっぱり(特にエドは)照れさせてヘタレっぷりを堪能するのが楽しいですv 元々これが最初に描いたパターンだったんですが、一番なじむと言って貰えて良かった。きっとこの時点ではウィンの胸まで意識行ってないです、気付いたらもっと動揺しそう(笑)。あみぐるみも需要はなさそうなんですが思ったよりもそれっぽくできたと満足しております。フラメルがね! 何度やり直したか! 鎖編み使えばいいんだと気付くまで丸1日掛かりました(アホ)。エドのぬいぐるみも作りたいと思った事はあるんですけどねぇ。前にちびウィン編んで人型はあみぐるみに向かないと分かったので断念した記憶が。多分、公式でもエドのぬいぐるみは出てないですよね。アルはギャグバージョンのクッションみたいな奴があるけど。あれは…作ろうと思えば作れるけど、正直デザインが可愛いより不気味…。FAの時UFOキャッチャー用でも出てたらなぁと思いますが、鋼の立体物は一番くじや公式フィギュアを集めまくったので結構お腹一杯かもしれません。つーか置き場が…あまりにも多くて既に半分は物置に…げふん(汗)(話が逸れた) 13年3月3日(日) TOP絵変更 鋼の錬金術師のお部屋に赤コート白パーカーあみぐるみ UP やる時は一気に更新しますよー。いつもの事。 という事で超久々の鋼あみぐるみ、アップしました。編み物自体はずーーっと他のも色々編んできた訳ですが、余所から編み図貰ったのやら参考にしたのやらは敢えてサイトに載せないようにしているのですよ。著作権もあるしねぇ。 久しぶりに自分で1から考えて編むのは楽しかったけど、あみぐるみは誰も文句言わないし少々おかしくても遠目には分からないからこそできる技でもある。自分が外で着る用のウェアだったら裾寸法を勝手に変えるまではよくある事だけど、あみぐるみほど適当にツギハギやら誤魔化しやらできんて(笑)。 んー…でもこれで鋼関係で編みたい物も特になくなっちゃったなぁ。アメストリス軍服…は興味ないし。アル鎧はある意味本物(※1番くじ商品)持ってるからいらんし嵩張るし。敢えて言うなら副部長くらいなら…ってそれは銀匙だ。 まぁ、気が向いたらまたなんか編むと思います。そういや大昔に銀時計の原寸大あみぐるみを途中まで編んで軍マークの刺繍で挫折して放置…アレどこに行ったんだろう。いっそ掌サイズくらいの大きさで作り直して小物入れにするって手もある…か……? それでもやっぱり軍マークで挫折しそうなのがいやん。 TOP絵はとりあえずピクシブにボツバージョンごと置いてきて、また絵が溜まったら鋼部屋に収納します。 ぱっちんぱっちん有難うー。 |