中国(山東省)旅行日記〜3〜

まだまだ続くよ2日目。
とにかく詰め込んだ1日でした。
疲れた。(最初からそれか)


12月30日(日):2日目後半その1(え)

 泰安の現地ガイドさんと別れ、車で1時間ちょっと走って着いたのは曲阜市でございます。
ここも小さな町なので観光は歩いて周れるところばかり。という事で、まずは今夜泊まるホテルに早めのチェックイン。
エレベーターもない2階建てですが、流石に中の雰囲気は昨日のホテルより豪華でした。老舗って感じ。 この垂れ幕、案の定次の日も普通に残ってました…いつまで飾っとく気だ(笑) 曲阜で一番有名な4つ星ホテルらしいです。(というか、泰安同様この町に5つ星は存在しない)

左がホテル正面、右が入口の拡大図。…………読めますか?
狙った訳じゃないのに、こんな所でもネタにぶつかるのが管理人クオリティ。
もしかして日本のニュースでもやってたのではないでしょうか。飛行機以来、全然日本人に会ってなかったワタクシですが何気に我が国の首相殿とニアミスしておりました。父上のような物好きが他にもいるとは思わなかった。
 午前中に40分ほど、このホテルで休憩してたらしいです。まー仕事にしても中国の移動はハードだから休憩も必要だよなぁ。なのでホテルも午前中は警戒態勢で一般人は入れなかったそうな。
私が到着したのは1時半くらいだったので、ちょうど警戒も解けた頃でした。危ない危ない。←見れなくて残念とは思わないのが…


 30分ほど部屋で休憩しましたが(山登り後で既に疲れてたしね)、お偉いさんが寄るホテルだけあってここの部屋は普通に綺麗でホッ。ちゃんと洗面所に備え付けのドライヤーもあるよー。バスタブも栓できるよー(笑)。
電気ポットも緑茶のティーパックもあるけど、ここは水をサービスで置いてないのが難点か。ホテルの冷蔵庫のを使うと半端なく高いんだよー。←後で外で買って来なければと固く心に誓う庶民。
 ついでに。歯磨きセットやシャンプーなんかのアメニティグッズもちゃんと部屋にありますが(それは前のホテルにもあったけど)、中国製は中国製。肌に合わない云々がありそうなので私はオール日本から持参したのを使いました。
中国に限らず、やはり海外旅行では普段から慣れているものを持参して使うのが無難だと思われます。
ホテルの歯ブラシを使って「硬い!」と歯茎から血を出していた父上は論外。


 2時頃、ロビーで待ち合わせして曲阜の現地ガイドKさん(この人も若い女性。日本語もそこそこ上手い)とSさんと一緒に歩いて出発。怪しげな露店(場所柄、ハンコを売る店が多い。やたら呼び止められますがスルーでOK)の並ぶ道を通り抜けて辿り着いたのは最初の目的地、「孔廟」です。

 ここで再び管理人によるぷち観光案内〜。
孔子・孟子と言えば大抵の方は「あー世界史で聞いた事ある」と思うのではないでしょうか。儒教の創始者・孔子が亡くなった翌年に孔子を祀る為に建てられたのが孔廟です。最初は部屋3つだけだったのが、明清時代に増築が繰り返されて今では南北1km、部屋数466となりました。北京の紫禁城、さっき行った岱廟と共に中国三大宮殿建築のひとつです。観光地としても有名なので、流石に人も多かったですよ。
なんかホテルのランク付けみたいだ。重要文化財の証拠(?)。
金字でAが5つの下に「国家級旅游景区」と書かれてます。
奥の門が入口ですが、当然ながら観覧は有料。
後で調べたら(旅行中はガイドさんが払うので分からない)、3月〜11月が52元でそれ以外のシーズンオフが47元のようです。
ここでも外国人はあまり見掛けませんでしたが、中国の平均年収を考えると結構高いよなぁ。
ガイド本によると朝天吼という一本角の怪獣が彫られてるそうだけど、気付かなかった…orz 一番最初の門のアップ。「金声玉振坊」が正式名称。石製。
ここに限らず中国の建築物って増改築で時代があちこち混ざってるせいで、同じ敷地内の文字でも右から読んだり左から読んだりで読み難い〜。

この後延々門と石碑が続きますが、石碑は一部を除き真っ二つに割られたのを後で繋ぎ合わせて補修されたものが多いです。文化大革命の時に破壊されまくったらしい。
因みに石碑の殆どには歴代の皇帝や有名人が孔子を褒め捲くった文章が書かれています。ここまで神の如く崇められると正直ドン引きして叩き壊したくなる気持ちも分からんでもないけど(コラコラ)、なんだかなぁ………。
日本でも焚書とかあったけど、自分に理解できないからって他の文化を否定するのってすげーナンセンスだと思います。その行為自体が己の品格を下げるんだよ。って話が逸れてすみません。
大抵の石碑はこんな感じで真ん中で割れてます。割る方も大変だ。 亀じゃないよ!!…十二国記で王と麒麟が蓬山から国へ下るのに乗った亀もどきホテルと同じものか?? 一番古くて大きな石碑が左。
大唐誥贈…名前もやたら長いので省略。総重量65トン。
ガイドさんが妙に力説してくれたのですが、下で支えている亀みたいなのは龍の末の子供(6番目だっけ?)で贔屓(ヒイキ)と言うそうな。重い物を持つのが好きらしい。
柱のアップなくてごめんよー。ガイドさんに撮って貰ったのですが私とパパンが丸分かりだったので自粛(爆)。 本殿の大成殿。1018年創建。1724年の改築の時、清の朝廷は皇帝の御殿にのみ施される皇宮建築様式を使うのを許してます。それだけ孔子が特別扱いされてるって事やね。
中の中央には孔子の像、その右に曽参と孟子、左に顔回と子思、その更に左右に12人の弟子達の像がずらっと並んでいますが説明してもされても誰が誰やら。
正面の10本の柱にはそれぞれ2体の龍がぐるっと周るように掘られています。何気に中の人物像より存在感あったり。
でもって普段は悪戯されない為にか柵で柱を囲ってあるのですが、我が国首相殿が視察するのに柵付きではカッコ悪いと思ったらしく、ついさっきまで一時的に外していたようです。私が行った時はちょうど再設置している真っ只中でした(笑)。


 ががっと一気に孔廟を制覇したら今度はすぐお隣の「孔府」へGO。※孔廟とは別料金。やっぱりがめつry
孔子の直系子孫が住んでた邸宅が孔府です。嫡子はエン聖公府とも呼ばれ、歴代皇帝から尊敬されて爵位も受けていました。
本人の実力ならまだしも、どんだけ親(先祖)の七光り…(こういうところも好きになれんのよね中国…)
いやマジでちゃちく見えるんですって!(苦笑)原色バリバリだからかなぁ。 最初の孔府大門をくぐってすぐ現れるのがこの重光門。
つい最近色を塗り替えたらしく妙にココだけ浮いてます(苦笑)。
壁もなくて舞台セットのハリボテみたいなので余計に。

孔府には主人(エン聖公)が勅命を受ける建物、官吏登用試験会場、孔府内での処罰や事務処理を行った建物などがあります。
その奥に実際に嫡子一家が住んでいた居住区があって、一族が婚礼を行う建物や接客室もこの辺り。
その更に奥に妻子しか立ち入れない男子禁制の地区があります。
井戸もないので、生活用水は壁際に作られた水槽みたいなものに外から補給させてたそうな。
絵がめちゃくちゃ上手いようには見えないんだけどねー。不思議。 名前は分からないけどちょっと面白かったのがこれ。
騙し絵みたいになってて、角度によってまるで景色が続いてるように見えます。
一応ここは花園の筈なんですが……気温マイナスの真冬にまともな花なんざある訳ねぇ。

妻達の部屋(当然今は無人ですよ!誰も住んでませんよ!)も庭に面した窓から覗けるのですが、ひとつひとつは意外と狭くて質素でした。


 散々歩いてどれも同じ建物に見えてきてますが(やっぱり有り難味なし)、まだまだ続くよ曲阜観光。
今度はここから少し離れた場所にある「孔林」です。車に乗って再移動〜。
孔林は要するに孔子一族の墓所。世界で最も長く続く一族の墓として、現在は2km四方まで広がってます。
実際、曲阜市は人口64万人ですが、その5分の1が孔姓だったりします。今でこそ普通の一般市民と変わらない生活をしていても、孔の姓を持つ人は孔子の子孫として未だにこの孔林に強制埋葬されるというのが凄い。
もうここまで来ると門もどれも同じに見える… 生まれた時から自分のお墓(の場所)が決まってるってどんな気分なんだろね… 入口。お約束で有料。
中は大部分が林で道に沿ってぽつぽつと石碑(墓標)が立ってる感じ。
孔姓でもそこそこ地位があった人は立派なお墓が建てられるけど、そうでない浮浪者とかは単に地面に埋められてるだけってのが怖いよマジで!!(汗)
林のその辺を掘り返したら普通に骨が出てくるらしい……ひー。
高さは2m超えくらい?似たような石碑が2つ並んでるけど、こっちが本物らしい。 これが孔子のお墓。本命だけあって立派。すぐ横に廟みたいなのもあります。
孔林はとにかく広くて全部歩いて回ると数時間掛かるので、入口にまだ近いところにあるココまで来たところで引き返しました。距離としては全体の4分の1くらい?(他に見るものも全然ないしね…だからお墓ばかり怖いってば!涙)


 これでようやっと孔子マニアックフルコースツアー(…)も終了。
ホテル前の露店で水のペットボトルを2本買いつつ(500ml入り1本2元。忘れてなかったぞ!)、部屋に戻った時にはもう外も暗くなってました。この1日で2ヶ月分歩いたくらい疲れたよパト●ッシュ。
 というか泰山抜きでも普通1日で全部制覇するようなもんじゃないんだよなぁ孔廟・孔府・孔林って。
孔子に興味がある方はもっとじっくりゆっくり見て回る方がいいと思われます。せっかくガイドさんが説明してくれてもこんな急ぎ足じゃ勿体無いよ。
そしてきっと父上も私と同じく何も理解できてないに10000点。


またまた無駄に長くなったので私的メインの夕食その他編はまた次号。